“大人気”
じゃなく、毎度おなじみの
“大人気ない”
話になります。
※ 相変わらず長いですよ。読みだすなら覚悟して下さい!
サブタイトルは、1/100秒 とでも付けましょうか?
さて、こんな自分が言うのも変ですが、
「時を管理する機械」として時計を持つなら3~5個位で十分ですかね?
※ ちょっと前だったと思いますが、シチズンの調査で日本人の平均所有数は3.7個だった気が・・・
現時点で自分が最強と思っている「時を管理する機械」は、オートカレンダー機能に対応したソーラー電波時計です。(面倒なメンテナンスは一切不要で正確)
ON・OFF用の区別や用途別、針の数やフェイスカラーの違いなど好みを加えその“最強時計”を数個持てば時間管理は完璧ですね!
しかし、自分の様に“時計を集めること”自体が好きな者は、見境なく数を増やし続けてしまいますね!?
“見境なく”とはいえ、そこは身の丈を自覚していますので、高級時計を見境なくには当然
進みません。進めません。
自分の収集コンセプトは、一言で言うとすると、“変わったモノ”になるのでしょうか?
何度かご紹介しています
「レギュレーター」「24時間時計」「一本針時計」「レトログラード」
「ジャンピングアワー」「ルーペ付」「ダイバーズなのにクロノフェイス」とか・・・・
「
機械式」というのもその一つですし、「
ロングリザーブ」「
CHRONOMETER」などの高性能機能も、
普通とは異なる付加価値が付いたちょっと“変わったモノ”という認識ですかね!?
更に、「
正規ETA搭載で2万円台」とか「
本格潜水用なのに1万円台ダイバーズ」とかの“激安モノ”というものにも弱く、ついつい加えてしまいます。
人
(が持っているの)とは“違ったモノ”、普通の機能とは“違ったモノ”を持っているという満足感というか・・・・・
ただ、それらを自らアピールすることはほとんど無く、周りには気づかれることは少ないので本当に自己満足だけなのですが・・・・
(その鬱憤を晴らしているのがこちらのブログ?)
もちろん、そこを指摘いただければ打って変わって雄弁にお話しするのですが!(笑)
さてさて、そんな“変わったモノ”と目を付けたにもかかわらず、20年以上も購入しなかったものが有りました。(えっ、過去形?)
クロノグラフの代表的なモデルともいえる「スピマスプロ」、フェイスに刻まれた目盛は1秒間を5目盛で区切られています。
時間表示としたら、1/5秒表示となるのでしょうか?
そこを走る針は秒針では無く、クロノ計測針になります。(秒針は9時位置)
クロノ計測、所謂ストップウオッチ機能ですね!
眼が悪い自分は裸眼では線が有るらしいぐらいか認識できませんが、眼鏡を掛けてもやっと細かい目盛線と目盛線の間を2分割で読み取ることが限度でしょうか?
大雑把ですが5分割の更に倍である1/10秒の識別が出来るということになります。
日常生活ではストップウオッチ機能なんてほとんど使うことはありませんが、稀に使用する場合でもコンマ秒まで計れれば十分ですよね?
それ以上の精度は
ハッキリ言って無駄です!
しかし、そんな
実用性の無い無駄な機能に憧れることもあるんです!
若い時には・・・・・
まぁ、普通に成長すればそんな憧れも覚めるはずなんですが、自分はそのまま引きずって・・・・
そんな憧れの対象は、「
アナログクオーツ1/100秒クロノグラフ」
1/10秒の10倍の精度、1/100秒単位で計測が可能なアナログ時計でした。
見た目は何の変哲もないただのクロノグラフです。
1990年代の前半(1992年?)だったと思いますが、SEIKOは他の追随を許さない1/100秒を針で表示できる世界初のクロノグラフ キャリバー “7T59” (“7T52”がデイト表示、“7T59” がデイデイト表示モデル)を持っていました。
(その後はCASIOやCITIZENでも1/100秒クロノを出したようですが・・・)
最高峰アナログ・クロノグラフとしてセイコーの威信を掛けて開発され、
搭載された製品は「
スピードマスター」という名称で上位モデルは当時10万円の定価をつけいたと思います。
(下位は半額位?)
※ 「スピードマスター」という名前に憧れや縁が強いようで・・・・・
12時位置にあるインダイアルは円周に10の目盛が刻まれています。
そこを“ヘリコプターのローター並に高速回転”する1/100秒計測用のクロノ針が1秒間に10回転します。10目盛×10回転=100ということで1/100秒が表示できます。
ただそれだけだと1/100秒が計測できるだけで、同じ位置の1/100秒と11/100秒の区別がつきません。
それを表示するのが同軸で重なって一秒間に一回転する1/10秒計測クロノ針です。
合わせ技で1/100単位での計測を可能としています。

表示例ですが、
40分 21.51秒を示していますが分かりますか?
肉眼では針の残影しか捉えることが出来ない高速回転ですが、
ただ回っているだけではありません。
10カ所の目盛り全てでしっかりと止まっていて、
1秒間に100回のストップ&ゴーを繰り返しています。
実は、これが本当の凄さです!
当時雑誌に載っていた開発秘話では、
「1/100秒を計測するには1/1000秒を管理しなければならない。
7/1000秒で目盛りを移動し、各目盛りで3/1000秒停止させる」
の様な記述があったような・・・・・ (随分前のことなので記憶が曖昧ですが)
どんな仕組か全くわかりませんが、その技術力は現在でも感動ものです。
ほんと、凄いですよね!
多くの驚きと感動を誘った名機「アナログクオーツ1/100秒クロノグラフ」でした。
しかし、
20数年前に10万円?
付加価値は1/100秒計測だけ?
買うことはできませんでした。
実生活には全く縁の無いモノですから・・・・・
コンマ秒にアタックして計測することもありませんでしたし・・・・・
ギミックがマニアックすぎたのか?
自分の判断は世間と一致したようで、1994年にはカタログから消えてしまいました。
自分の心には憧れという記憶を残して・・・・
それから15年くらいですかね?
2006年9月、1/100秒表示機能は“7T82”に引き継がれて復活しました。
イグニッションの1シリーズとして!
イグニッションはモータースポーツを意識したコレクションで、ラインナップはソーラー電波時計、エコテックソーラー、クロノグラフ、ソーラーダイバーズウォッチ、キネティッククロノグラフ、1/1000秒デジタルクロノグラフ、1/100秒アナログクロノグラフなど。
シリーズ全体でケース素材は基本的にチタン、 ケースサイドに切削加工を施したりとセイコーの優れた加工技術が施された作りの良い時計でした。
当時はセイコーがパートナーとなっていたホンダレーシングF1をフィーチャーしたモデルが限定品で発売となることも多く、ホンダ好き、F1好きもターゲットになっていたようです
その中でも 特に注目を浴びていたのは1/100秒アナログクロノグラフシリーズでした。
ミドルレンジの価格帯ということで、1/100秒クロノグラフシリーズは税込73,500円で3機種が発売されました。 素材は全てチタンで、サイズ42mm、厚さ10.8mmほどで、96gと軽量なものでした。

左から、SBHP003 SBHP005 SBHP007
発売当初、367,500円の100個限定モデルなんてものもありましたね

SBHP001
2007年、5機種が追加となりました。
うち2機種は当初と同じ内容でフェイスの改良版でしたが、

左から、SBHP025 SBHP027
こちらは、「F1 Honda Racing Team」との限定コラボモデル(84,000円)

SBHP011
残り3機種はフェイスサイズが47mm、厚さ12.5mmと馬鹿デカくなり、ケース素材はチタンからSSに変わったため重さも倍近い173gへ、ついでに価格も連動して136,500円に!

左から、SBHP013 SBHP015 SBHP017
上位機種という扱いだったんでしょうかね?
デュアルカーブサファイヤガラス(無反射コーティング)など仕様もアップしていますしタキメーター表示などデザイン面もちょっと異なりますが、機能は全く同じで約倍の値付け???
通常で考えると、SSよりチタンの方が高そうなんですが不思議な価格設定ですかね・・・・
ライバルは他メーカーでは無く、同じセイコーのブライツ・シリーズかと思われましたが、F1撤退などの影響もあったためか、イグニッションシリーズははあっさりと切られてしまい、以後「アナログクオーツ1/100秒クロノグラフ」は“SEIKO”名表示の国内製品からは消えています。
残念ながら、この時も購入に突き進むには何かが足りなくて手にすることはありませんでしたが、
買うならチタンタイプの計量版と考えていました。
(基車のメーターを表現したデザインは共通ですが、2007年度追加版の方が手を掛かけているようで気に入っていました。)
そのまま時は流れ、最近までその存在をすっかり忘れていました。
が、夜な夜な徘徊を続けるうちに再会してしまいました。
そして知ってしまいました。
“7T82”搭載のSEIKO正規製品が消えた後、国内は「WIRED」製品名で、逆輸入モデルでは「SPORTURA」や「INTERNATIONAL COLLECTION」シリーズの一部機種として、または名も無き「1/100秒積算計搭載クロノグラフウォッチ」として販売されている事を
(逆輸入モデルはSEIKOロゴ表示)

AGAV046 SPC001 SPC009

SPC091P1 SPC093P1 SPC095P1 SPC097P1
いずれも重量180~190g程度と表示されていますのでSSタイプでしょうね。
フェイスはもちろん、カレンダー位置が異なっているものもあります。
作りの良さが認められたイグニッション版と比較すると、出来の方は・・・・・
但し、その分価格はお手ごろになり、1万円台半ばから3万円台の値付けです。
ギミック鑑賞だけを目的に購入してもよさそうです。
とはいえ、やはり踏ん切りがつきません!
そんな中、見つけたのが2007年度版のイグニッションの新古品(SBHP025)。
電池寿命の公表は3年ですから、製造当時のままであれば切れて止まっていると思いますが未使用品です。(元々入っているのはモニター用ですし)
保証も付く正規品です。
購入先で変えてくれなければ手持ちにあるボタン電池を入れれば良いし、何より
以前見逃したお気に入りのチタンタイプということで、気分は一気に・・・・・
ということで、先にご紹介した「
ダイバーズ」と同時期にW購入してしまいました。 (やった! Wネタ三部作完成!)
※ 電池交換済なのか届いた製品ちゃんと動いてました。
ダイバーズ + 1/100 SEC.クロノ > GX7
G5にあまり不満が無いだけに、価格は安くてもGX7はもう少し先送りということでしょうかね?
最後は、折角の時計ネタ+カメラということでこのアイテムを使って遊んでみましました。
先に書いた“ヘリコプターのローター並に高速回転”する肉眼では捕らえられない1秒間に10回転するクロノ針を止めてみることに・・・・・
本物は無理なので、比較対象は
こちら!
先ずは、シャッタースピード1/1000秒 これだけ早ければさすがに止まっているでしょう。
ここからは、長い時間順で
1/10秒(=10/100秒)
一回転、各目盛りでストップを実証するように、各目盛りで針の残像が・・・・・・
1/20秒(=5/100秒) 理論上は半回転のはずです。
1/50秒(=2/100秒) です
1/100秒
1/125秒です
※ 各写真クリックすればちょっと大きくなります。
※ 針が移動した瞬間からピッタシ1/100秒にシャッターONを合わせられないので、
残像は2目盛とか3目盛にまたがってしまっています。(1/125秒でも)
理論は分かっていても、合わせることは難しいし面倒なので再撮影はパスしました。
さて、“7T59”キャリバーは名機ということでコレクションしている方、当時購入して20年間使い続けている方も多くいらっしゃるようです。
部品が無ければ対応不可と条件付きで依頼したOHだったが、しっかり調整されて戻ってきたなんて報告もありました。
“7T59”持ちの仲間入りが出来ないのは残念ですが、普及版となった“7T82”持ちとしてギミックを楽しみたいと思います。
そうだ! ギミックと言えば、“7T59”には無かったギミックが“7T82”で追加されています。
6時位置にある積算計、目盛が40分までしかなく40分計と取説にも書かれていますが、実際は120分計です。
40分が経過すると1分(41分)の位置に計測針が移動、同様に80分経過後はまた1分(81分)位置に移動します。3回目の120分経過で計測自体が終了します。
確かに1分経過か、41分か、81分かの違いは表示(状態)から見分けることはできませんが、1~2分ならまだしも40分ですから、感覚的に間違えようがない気がします。
それよりも
40分位置から1分位置まで約280度のジャンプ、いわゆるレトログラードの動きは変わりモノ好きを刺激するには十分なギミックです。
そして、実際タイムを計測する機会は少なくても、
計測針(4針)の動きを楽しめるデモンストレーション機能はそれだけでも十分なギミックです。
(これは“7T59”時代から?)
と、褒めちぎってきましたが、最後に告白です。
実はこの1/100秒計測、スタート時から3分間の限定機能です。
(再計測、継続計測すればそれぞれそこから3分間稼働します。)
消費電力の問題もありますからやむを得ないですね!
まぁ、見る度にくるくる回っているのもうっとうしい様な・・・・
それ以上に、毎日2時間クロノ計測しても3年間持つ省エネの方に感心しますが・・・・
それに、3分間って結構長い時間ですよね?
怪獣だって倒せるんだから!
憧れ2

また、後日・・・・