自分にとっての
ムーンウォッチ は
唯一無二
であるが、
もう一つ、ムーンウォッチと呼ばれている時計がある。
いや、呼ばれているだけでなく、実際に月に降り立っているので
本物である。
さて、作ったメーカーはどこだと思いますか?
残念ながら誰もが知っている様なスイスの老舗メーカーではありませんから、
よっぽどのマニアでない限りは出てこないでしょうね?
発表しちゃいましょうかね!?
BULOVA(ブローバ)
1875年、米国マンハッタンに創業したメーカーです。
やっぱり、名前を聞いても・・・・・・ ですよね!
ただ、時計マニアでは無くサッカーファンの方が知っているかもしれません。
香川在籍時期に『マンチェスター ユナイテッド』とスポンサー契約を結んでいましたから・・・・
マンチェスター ユナイテッド クラブウォッチ
知名度は、
日本 <<<<<< 海外 のようです!
海外では世界有数の時計メーカーとして知られており、長い歴史を誇りながら常に業界の「パイオニア」として君臨してきました。
「パイオニア」
確かに、正しい言葉かもしれません。
職人の技術力と作りだす品質の高さに定評があったブローバは、世界で初の男性・女性用のフルラインアップ腕時計の生産を打ち出したり、世界初の時計付きラジオの生産、そして世界初の電気時計を開発した会社として知られています。
また、世界初の音叉式電子時計「アキュトロン」を開発したメーカーとして名をはせています。
当時は時計の歴史を変えたとも評され、機械式時計とは比較にならない高精度は世界を席巻すると思われていたようです。
クォーツが出るまでは・・・・・・
ただ、その前例のない精度を誇る技術は、後述するようなNASAの様々な宇宙計画に恩恵をもたらしました。
近年の時計に話を進めると、
ダイヤモンドを施した時計コレクションで業界をリードしたり、
高精度のクォーツムーブメントを開発したり、
(こちらも後述しますが)
従来は職人や技術者に依頼しないと調整できなかった歩度調整をユーザー自身で行うことを可能にした機械式時計《ブローバアキュトロン キャリブレーター》を販売したり
と、革新と技術力の面での成長を継続し続けています。
「パイオニア」に「チャレンジャー」という言葉を追加しても良いかもしれませんね!?
また半世紀ほど話を戻しましょうかね。
NASAの公式時計選定の際にも、ブローバの音叉式時計「アキュトロン」は
ムーンウォッチ本家「オメガ スピードマスター プロフェッショナル」と好勝負を繰り広げたそうです。
↑ 主張し続けますね!
惜しくも公式時計の選には漏れましたが、ブローバの高い技術力は評価され宇宙船(アポロ)や月面着陸機のパネルクロックやタイマーなどの科学機器に使われています。
1969年のアポロ11号が月面に設置した「アキュトロン・タイマー」もその一つで、地球へのデータ送信をコントロールする計時装置だったそうです。
そして、「オメガ スピードマスター プロフェッショナル」好きとしては、
残念な事態が起こります。
以前もお伝えしていますが、
NASAの公式時計は
「オメガ スピードマスター プロフェッショナル」 だけです。
全ての船外活動時には使用が義務付けられています。
1971年の「アポロ15号」が4度目の月面着陸に成功した際も同様でした
が、
なぜか、
船長であるデイヴィッド・スコットの「オメガ スピードマスター プロフェッショナル」にトラブルが発生、
急遽、代用品として個人所有のブローバウォッチを着用して月面探索の任務を達成させました。
ブローバから提供されたモノでした。
新たな「ムーンウォッチ」の誕生です。
後日談があります。
NASAの公式機材がオークションに出品されることはありませんが、個人所有物は別です。
「もう一つのムーンウォッチ」は、2015年10月にオークションに出品され、約2億円で落札され大きな話題となりました。
わりと最近ですが、知っていました?
しかし、本家には底知れぬ余裕が有るんですよね!
自分の様な心狭い所有者レベルだと、
「何? もう一つのムーンウォッチ?」 となると、
心穏やかでは無くなって上記の様な「本家」とかの用語を使って威嚇したり身構えてしまうのですが・・・
何度も見た裏蓋ですが、見直してみると、
ただ、
「First」 と表示しているだけで、
「Only」 の文字は無い!
「Second」「Third」・・・・
どんどん月に行って下さい!
ムーンウォッチどんどん作ってください!
大らかで広い心意気ですよね!
「でも、一番最初はこれだから!」
やっぱり、Ωもそんなに心広くないかも・・・・・・ (笑)
1960年代を風靡した音叉時計、残念ながらクォーツの登場(70年代)で息の根を止められます。
しかし、ブローバは息をし続けます。
(前述の通り)
そして、2008年CITIZEN(シチズン)の傘下に入ります。
ハッキリ言うと買収されたんですが・・・・・
そして、時計事業も復活です。
(こちらも前述の通り)
音叉では無く、「クォーツムーブメント」で・・・・
(実際はシチズンが開発したムーブメントみたいですが・・・・)
UHF( Ultra High Frequency )
UHFは2010年に発表されたブローバ独自の技術によるもので、標準的なクォーツ時計の音叉型に加工された2本の水晶振動子に3番目の水晶振動子を追加することで、標準のクォーツムーブメント(32,768Hz)と比較して8倍も優れた性能を示す振動周波数262kHz(262,144Hz)を実現しました。
振動周波数のアップだけを追求したらマニアックな時計で終わってしまいますが、
振動数向上はダイレクトに精度向上に繋がります。
何と、この時計の年差は、±10秒を実現しています。
繰り返しますが、
月差 では無く、
年差 ですよ!
一般的なクォーツの月差は±15秒はですから驚異的ですよね!
高性能クォーツの代名詞 グランドセイコーの9Fムーブメントは、静的精度を年差±10秒と謳っています。
上には上があります
ザ・シチズンのA660ムーブメントは何と年差±5秒を謳っています。
しかし、どちらも
高性能 = 高価格 路線の品ですから最低でも20万前後になります。
一方、ブローバのUHF搭載機は2万円台からあります。
このコストパフォーマンスは異常ですね!?
そして、UHFの大きな特徴はもう一つあります。
1秒間に16振動という超ハイビートを達成しています。
その結果、流れるように秒を刻む
「スイープ運針」 を実現しました。
機械式時計では無いクォーツ時計なのに・・・
一般的なクォーツは、一秒ごとに針を進める
「ステップ運針」 です。
( スプリングドライブはたしか同じスイープ運針でしたかね・・・・ )
年差±10秒という高精度と、特徴的な流れるように時を刻むスイープ運針を実現したUHF搭載コレクションは、数多くあるブローバコレクションの中でもたった4ラインしかありません。
「プレシジョニスト」
「ブローバ アキュトロンII」
「シーキング」
「ミリタリー」
他の製品との見分けは簡単です。
文字盤には高振動周波数を誇示するように、共通で
「262kHz」 マークがついていますから!
しかし、精度に関してはなぜか共通ではありません。
「プレシジョニスト」には公式精度として「年差±10秒」を謳っていますが、
他のシリーズ製品には、
「一般的なクォーツムーブメントに比べ 6倍の精度を誇ります。」
という曖昧な表現のみ・・・
だいたい「6倍の精度」や「一般的な」って・・・・
そんな中、2016のNEWモデルとして、
「月に降り立ったブローバウォッチの復刻モデル ムーンウォッチ」
が月面着陸から45年の時を経て発売されました。
もちろん、262kHzの高振動で作動するブローバ独自の高精度クォーツムーブメントを搭載しています。
BULOVA MOON WATCH - 96B251 -
なかなか良いですよね!
広い心で「もう一つのムーンウォッチ」を受け入れなければならないと、学んだばかりだし・・・
7万円程ですから手も出し易い!?
いやいや、駄目です!
自分にとってのムーンウォッチは
唯一無二
と、最初に言い切っていますから!!!!!
でも、ほっとけないですよね!
高精度は見た目では分かり難いし固体による当たり外れを覚悟しないといけない。
大体精度自体が公表されていないから当たり外れの判断も難しいけれど・・・
クォーツなのに「スイープ運針」する時計は、変り者好きの自分にはぴったりなんですよね?
あれっ、
この「もう一つのムーンウォッチ」も本家「ムーンウォッチ」と同じクロノグラフタイプ・・・
本家は機械式だから「スイープ運針」にこだわる必要はないけど、
秒針は6時位置のインダイヤルで、文字盤を大きく回る通常位置にあるのはクロノ秒針・・・・・
クロノ秒針 なんて回すことほとんど無いし・・・・・・
全然、ぴったりなんかじゃない!
クォーツなのに「スイープ運針」で
文字盤上を大きく回る秒針じゃないと・・・・
(自分の持っている時計にはクロノタイプでも通常の秒針位置は通常の秒針で、クロノ秒針がインダイヤルに有るものもありますが・・・・)
「スイープ運針」が主目的であるなら、その針の動きがスッキリ楽しめる3針モデルしか選択肢はありません!
そして、どうせ、BULOVA(ブローバ)の時計であるならば生い立ちに基づいて、
音叉式時計「アキュトロン」を復元した
「アキュトロンII」が良いですかね!?
元々「スイープ運針」自体が、「アキュトロン」譲りの特徴ですし・・・・
「ブローバ アキュトロンII」シリーズは、次のように説明されています。
初代アキュトロンからのレトロなデザインと革新的技術を持つ新しいコレクション
オリジナルデザインを尊重しながら、現代風に洗練されたレトロ-モダンなテイスト。
ブロ-バ独自のUHFを採用し、一般的なクオーツムーブメントに比べ 6 倍の精度を誇る。
プレシジョニストと同じムーブメントを採用し、あのクォーツでありながら流れるような秒針スィープ運針が堪能できます。
確かに、ブローバの時計の中で持つべき意義のある時計を選ぶとなると、
(意義とは大げさですね! 実際は物欲を抑えきれない単なる言い訳なんですが・・・・)
・高性能クォーツでありUHF搭載の証である
振動周波数262kHzマーク付
・ブローバの生い立ちと歴史を示す
音叉マーク付 (音叉マークはブローバのロゴ?)
で、一番重要な
・クォーツでありながら流れるような秒針
スィープ運針
が楽しめる三拍子揃った時計は、
「ブローバ アキュトロンII」 以外ありませんね!
という 「ブローバ アキュトロンII」 には更に、
「ALPHA」
「MOONVIEW」
「SNORKEL」
「SURVEYOR」
「LOBSTAR」
のシリーズが存在します。
ほぼ100%私服通勤でスーツは着ない環境(毎日が日曜日スタイル?)、デザインの好みに加えて、先に述べた「スイープ運針」の動きが堪能できるスッキリ3針という条件で選んだものは
「LOBSTAR」 でした。
“ロブスター”は1970年代前半に発表されたスポーツタイプの音叉時計。
2時位置のリューズで操作するインナーベゼルとデイデイトを搭載していました。
当時の製品画像がこちらです。
ロブスターケースと呼ばれたオーバルシェイプのケースフォルム が
最大の特徴になるでしょうか?
その1970年代風のレトロな雰囲気を残しつつ、ブローバが誇る高精度クォーツムーヴメントUHFと
滑らかに運針するスイープ秒針を搭載したのが、アキュトロンIIのロブスターになります。
回転インナーベゼルも残っています。
デイデイト表示はすっきりしたデイトのみに変更されていますが・・・
メッシュバンドも流線型のケースとマッチしてオリジナルのレトロ感をかもしだしていると思われます。
ロブスターにもクロノグラフモデルがありますが、
ムーンウォッチと同じ理由で却下。
そして、スーツに似合いそうな美しいブルーダイヤルの3針モデルも捨てがたかったのですが、
オールブラックモデル を選択です!
ブローバ アキュトロンll ロブスター (BULOVA ACCUTRON II LOBSTER) 98B247
ムーンウォッチよりもお手軽な国内正規価格64,800円でしたが、並行輸入品を購入したため
1/4以下1万円台での購入、コストパフォーマンスはさらにアップしました。
同じ並行輸入品の中でもずば抜けて・・・・
何か裏が・・・・と勘繰りましたが商品は全く問題ない新品でした。
裏つながりで、裏蓋です。
そして、前述した特徴
・UHF搭載の証である振動周波数262kHzマーク
・ブローバの生い立ちと歴史を示す音叉マーク
・クォーツでありながら流れるような秒針スィープ運針
VIDEO
秒針にまでロゴの音叉形状を持たせたのはこれだけですかね?
この形状もロブスターに見えないことも無いような・・・
これで、物欲を満たした上で、唯一無二の「ムーンウォッチ」暮らしを継続できそうです!?
最後に数字マニアからの報告です。
もちろん購入から1年が経っていませんので、年差の実測は出来ていません。
日差、月差、年差の公表数字は、保証する精度の外れぎりぎりの数字です。
本来はそこまで行ってしまったらダメな数字の標記となります。
自ら計測して外れ判定を下すのは辛いことです。
しかし、その数字以外検証対象が無いので仕方が無いですかね?
先ず、クォーツですから日差で数値が出るのは問題外です。
問題外は、余裕でクリアーしました。
元々、通常のクォーツの6倍の精度の確認ですから、こんなところで引っかかっていては駄目です。
通常のクォーツ精度が月差±15秒とすると月30日の換算では、
1日 : 0.5秒
1週間: 3.5秒
10日: 5.0秒
2週間: 7.0秒
20日: 10.0秒
・
・
1か月: 15.0秒です。
年差±10秒だとすると、
1か月: 0.83秒ですから、1か月以内に1秒でも誤差がでてしまってはそこまでの精度がない事になります。
一方、「通常クォーツの6倍の精度」をどう解釈するかが問題になりますが、
ここでの独自解釈は「精度誤差が1/6に減少」と仮設定しました。
月差±15秒の通常クォーツの精度は、年差にしたら15×12=180秒になります。
この180秒誤差を1/6にする、すなわち年差±30秒、月差であれば±2.5秒を基準と仮設定します。
月差±2.5秒の場合、目安として12日間で1秒の誤差が出る事になります。
さて、本日現在、正しく時刻合わせをしてから丸2週間、14日が経過いております。
(実際はもう少し立っていますが計算しやすいので・・・・)
1年52週中の2週間ですから、
年差±10秒レベルであれば、±0.384秒以内
年差±30秒(月差±2.5秒)レベルであれば、±1.154秒以内
もちろん厳密な計測では無く目視での計測ですから、1秒単位以下の誤差は正確には分かりません。
しかし、この期間で1秒を超えているようであれば、仮設定した6倍の精度=年差±30秒の達成は微妙になりますから、以後の検証は止めた方が良さそうです。
もし、1秒以下なら年差±26秒レベルということですから、期待を込めて合格点を与えても良いですかね!?
それでは、2週間前に時刻合わせをした電波時計との検証画像を撮って誤差を確認してみましょう!
果たして結果は?
「うおーーーー!!! (喜)」