
前回、
いや、いつの間にか随分前になっちゃいましたが、
ネタ晴らしをしていますから、堂々と
BULOVA 140TH ANNIVERSARY
PRECISIONIST CHRONOGRAPH Watch 96B241
の購入報告を始めたいと思います! (笑)
「プレシジョニスト」は、先にご紹介した通りBULOVAが開発した高精度クォーツムーブメント UHF( Ultra High Frequency )を搭載した4コレクションの内の一つです。
(他は「ブローバ アキュトロンII」「シーキング」「ミリタリー」)
他コレクションの精度が曖昧な「通常のクォーツ時計の約6倍の高精度」におさめているのに対し、
年差±10秒
を公式表明している(いた?)唯一のコレクションになります。
曖昧な表現の公表精度ではあっても先の
月差 一か月検証 にありますように十分な精度を出してくれる固体に当たることもありますしその逆もありますから、運という得体のしれないモノに左右されるのですが・・・・・
しかし、もう一つの大きな特徴である「スイープ運針」は精度に関わらず、堪能出来ます!
いや、出来るはず?
いやいや、堪能までは・・・・・
と、曖昧な表現を残して、横道に・・・・
「プレシジョニスト」のコレクション名は「精密さ」を意味するプレシジョンprecisionから由来しています。
コレクションロゴは頭文字の「P」をもじったもので、
秒針はその形が付加されています。
ロゴだと色が分かれているので頭文字「P」を認識し易いですが、秒針は色分けが無いので一見ハサミに見えたり無限大記号の∞に見えたりしますのでデザイン意図については憶測で語られたりしています。
ちなみに、ブローバの時計でも秒針にロゴデザインが付加されているモノは稀で、手持ちの「アキュトロンII ロブスター」の音叉マークと合わせ、手持ち3個のうち2個がその希少タイプになります。(笑)
さて、クロノグラフタイプでの『スイープ運針』についてですが、
ブローバには大きく分けて2種類のクロノグラフがあります。
一つ目は、スモールセコンドが秒針の機能を果し、通常位置の大きな(秒)針は普段動かず、クロノグラフ作動時のみ稼働するというものです。
このような動作がクロノグラフとして一般的な仕様となりますから、ブローバのムーンウォッチ(もう一つのムーンウォッチ)だけではなく多くのメーカー商品がこのタイプになります。
しかし、この仕様だと通常位置の大きな(秒)針はクロノグラフ時しか動きませんから、たとえスイープ運針の時計だとしても普段は流れるような秒針の動きが見られないというのは前述の通りです。
尚、スモールセコンドはスイープ運針では無く、ステップ運針となります。
そして、もう一種類は・・・・・
「UHF」を搭載し驚くべき高精度と美しいスイープ運針を可能にした「プレシジョニスト」の中でも、フラグシップモデルである「シャンプレーン クロノ」だけに与えられた仕様となります。
何と、「シャンプレーン クロノ」にはスモールセコンドがありません!
8時位置のボタンが時計とクロノグラフとの切り替えスイッチになっていて、秒針の機能(動き)を変化させます。
通常は秒針として機能しますから「スイープ運針」を堪能でき、必要時にはクロノグラフ秒針としても機能するという優れものです。
違いを画像で説明すると、こちらの様に3時位置の竜頭に追加して、2時と4時位置にクロノグラフ用のスタートとストップの2つのボタンを持つのが通常の配置になります。
「シャンプレーン クロノ」モデルは通常配置に加えて、3つ目のボタンが8時位置に用意されています。
こちらボタンが、時計とクロノグラフの切り替えスイッチになっています。
さて、秒針はどの位置に有っても切り替えボタンを押されると、12時位置に移動してスタンバイに入ります。
そして、2時位置のスタートボタンを押すと、クロノグラフとしての“時を刻み”始めます。
ここで「時を刻む」とわざわざ加えたことには、大きな意味があります。
本家「ムーンウォッチ」は、秒間に4つの目盛が入っており、0.2秒間隔で針の状況を示せます。
機械式時計ですからクロノグラフ作動時でも針は流れるように進んで、ストップ時にはそのどこかで停止します。

目盛は0.2秒間隔ですが中間で止まればその半分と解釈できますから、大まかには0.1秒単位の計測が可能となります。
ところが、
「シャンプレーン クロノ」の秒針は、時計として時を示している時は滑らかに流れる「スイープ運針」でしたが、ストップウォッチとして時を測るクロノグラフ作動時には「ステップ運針」に切り替えます。
そこには、秒だけ示せばよいという割り切りがあります。
でも、勘違いしないでください!
「秒以下を測らない!」
という割り切りでは無く、
「秒単位の計測表示だけに専念する!」
という割り切りですから・・・・
決して、秒単位しか測らないクロノグラフと開き直っているわけではありません。
それどころか、1/1000秒まで計測できるハイクオリティークロノグラフなんですから・・・・・・
このスペックレベルになると機械誤差よりも計測者の動作差による違いの方が大きくて実際はあまり役には立たないでしょうが、変わったモノ好きを満足させることができるギミックであることは間違いないです!(笑)
実際、過去には1/10スペックの「
アナログクオーツ1/100秒クロノグラフ」に釣られていますから・・・・・
繰り返しますが、秒針は文字通り「秒」単位だけ計測表示することに専念します。
その場合、中途半端な秒間に停まることを避けなければなりませんから、流れるのではなく刻むが必要となります。
そして、1/10秒と1/100秒は12時位置にあるインダイヤル部分の2本の針で計測表示します。
この仕様は、先の1/100秒クロノと同じになります。
消費電力を抑えるために時間経過で回転を止めるのも同じ仕様ですが、数十年前の1/100秒クロノはウルトラマンが戦える3分間だったのに、たったの30秒と極端に短くなってしまいました。
元々「ステップ運針」に比べて消費電力が多いと言われている「スイープ運針」に果敢に攻め込んだのに・・・・
加えて、クロノ計測時は消費の少ない「ステップ運針」になっているのだからもう少し長くても・・・・・
と、愚痴も出ますが、実際の計測機会より見せびらかす方が多そうですから30秒あれば十分なんですけどね!?
あっ、 1/1000秒の単位 が残っていました!
1/1000秒単位は、6時位置にあるインダイヤルで表示します。

さすがにこの単位では回転計で表示させるのは難しかったようで、ストップ時点だけレトログラード表示させる仕様になっています。目盛が1~10まで切ってあり、針が止まった位置で数字を示す仕組みです。
ちなみに1/10秒、1/100秒も30秒を過ぎるとスタンバイ状態になり、ストップ時点でそれぞれの針が数値を示すようになっていますが、こちらは時計らしく円形表示です。
加えて、最大12時間までの長時間計測が出来る仕様となっています。
一般的には計測時間60分というクロノグラフが多いので、比較すれば確かにハイスペックです。
表示は、3時位置が時間、9時位置は分となっています。
更には300m防水も・・・・・
この様な機能持つわけですから、どちらかというと、

気圧や高度表示が出来る
「アナログ表示PROTREK MANASLU(マナスル)」
「還暦仕様G-SHOCK(デジタル表示無し)」
クォーツ「グランドコンプリケーション」 (同じシチズンムーブメント)
と同じ多機能時計の分類に入るのでしょうか?
とは言え、どんな付加機能や多機能よりも、クロノグラフフェイスでありながら常時「スイープ運針」する秒針を見られることが一番重要 且つ、お気に入りと言えるでしょう!
「シャンプレーン クロノ」モデルが登場してから結構時間が経っていますしアイテムを広げる販売手法の為か、基本形態は同じでも、ケース・ベルト、そして秒針の色違いモデル(型番)が把握出来ない位存在します。
自分が当初気に入っていたモノは、文字盤がカーボン調で秒針色が黄色のタイプ(96B175)でした。
この黒と黄色の組み合わせ配色は自分の感性とマッチしている様で、先に紹介した「ロブスター」ブラックモデル、そして度々登場している SEIKO Mechanical SARB049 も同じ嗜好傾向のようです。

物欲の少ない方からの「一個あれば充分じゃん!」という声が聞こえてくるような気がしますが・・・・・
更に、同じ型番でも生産時期によって文字盤デザインが微妙に違う製品が存在しています。
違いは、12時位置にある音叉マークの有無、6時位置にあるUHF搭載を表す振動周波数「262kHz」マークの有無等。 自分の認識では以下となります。
旧 音叉マーク付 → 「262kHz」マーク無し → 「262kHz」マーク有り 新
ということで、商品を選ぶ時、特に現物を見ないネット購入の際には十分な確認が必要となります。
しかし、
自分が購入したのは「ブローバ創業140周年記念の限定品」、
一種類しかないので大丈夫!
と、高をくくっていると、大きなしっぺ返しを食らいます。
まぁ、自分は十分検討した上で購入に踏み切りましたので納得していましたが・・・・
ネット販売店は、特にこだわりが無ければ細かい部分の記載はありません。
それどころか、必要な不可欠な部分の表示が無かったり、誤情報を載せている所さえあります。
今回の「ブローバ創業140周年記念の限定品」に関しては、
・ケースサイズのスモール化 ( 従来品48mm → 44mm )
⇒ 小柄な日本人にとって付け心地改善
・「ブローバ」のコーポレートカラーであるグリーンを用いた秒針
⇒ 希少な限定カラー製品
という情報提供が唯一と言っても良い状態です。
商品写真を見て判断してくれというスタンスですかね?
ただ、その画像が正しければ問題は無いのですが・・・・
限定品を初めて知って購入に進む方は、これでも支障が無いと思います。
しかし、従来品と比較してどちらにしようかと悩む場合は問題ありです。
たまたま、自分は自分なりの比較検証を行い、多くの部分で限定品の方が良いという判断を下したので購入に踏み切りましたが、従来品デザインの方が気に入っていた方だと購入後に不満が出るかもしれません。
そうは言っても自己責任ですが・・・・
自分が比較に使った画像がこちらです。
もちろん、比較時には赤マークは付けていません。 今回のアップ用に作成してみました。
順不同で相違点を上げてみると、
・ クロノグラフのスタート・ストップボタン&リューズガード形状
・ リューズのサイド形状
・ ベゼル留六角ボルト形状(六角穴の有無)
・ ケース形状 (微妙ですが・・・)
・ 時針・分針の形状
・ インダイヤル針の形状(太さ)
・ 防水表示デザイン(こちらは従来品でも新版表示もあり)
・ 日付表示部分の形状
・ インデックスデザインや文字サイズ、配置など (一番はタキメータの150表示が無い)
・ ベゼルの目盛スミ入れ有無 等々
10項目ほどあげてみましたが、結構違うでしょう?
その他にもケースの艶有無や、ラグ幅(24→22mm)違いなど・・・・・
まぁ、自分としては意識している為か異様に目立つ12時・6時位置インダイヤルの光モノインデックスが上下合わせて8の字に見えて鬱陶しかったのですが、目立たなくなって落ち着いたダイヤルに変わったことがサイズ以外では一番良かったですかね?
と思ったら、
この比較画像自体がフェイクだった!
「販売系で使っている画像はほぼ全て」と言っても良いくらい氾濫している画像なのに・・・・

もちろん実物画像も見つけていたが、少なすぎてこちらがフェイクかと誤解してしまい・・・・
しかも、上記のトップに挙げている「クロノグラフのスタート・ストップボタン&リューズガード形状」が誤りとは何とも情けない・・・・・ (まぁ、構成上の演出と言えないわけでもないが)
そのほかにも、インダイヤル針の形状に追加して塗り分けなど細かい部分の違いが・・・・
現在進行形で
「年差±10秒の精度検証」
「年差±10秒 と 通常のクォーツの6倍の精度 との違い検証」
「実年差検証」
を実施中です。
実質、1年間秒合わせをしないというだけですが・・・・・
しかし、これが思った以上に厄介!
機械式時計のゼンマイ巻き上げと時間合わせが装着時の癖になっていて、電波時計でないクォーツ時計も秒合わせするのが朝のルーチンワーク、ついついリューズに手が・・・・
更に、オートカレンダーでは無いので2ヵ月に一回はリューズを一段引いて日付合わせが・・・・
強く引きすぎると二段目(停止:時刻合わせ状態)まで行ってしまうので、必要以上に気を遣うし・・・・