
もう一年が経ったんですね!
仕事を早く切り上げ、行き慣れない街まで電車に乗って出かけたことを今でもはっきり覚えています。
永すぎた春 が災いして、
やっと結ばれた時計を手放したということではありません。
「MOON WATCH」
「手巻き」&
「強化プラスティック風防」
というスペックを唯一初代から引き継いでいた
OMEGA Speedmaster Professional
Ref.3570.50.00
が、ついにディスコンとなってしまいました。
Ref.3570.50.00 は、6thモデルになります。
こちら で以前示しましたが、
1957年 1stモデル誕生 ムーブメントはCal.321 針はブロードアロー
≪ 2年≫
1959年 2ndモデル誕生 針がアルファハンドに変更
≪ 4年≫
1963年 3rdモデル誕生 針がペンシル型に変更
≪ 0 or 1年?≫
1963年 4thモデル誕生 NASAの要望を受けリューズガード付きへ変更
≪ 5年≫
1968年 5thモデル誕生 ムーブメントがCal.861へ変更
≪ 9年≫
1997年 6thモデル誕生 ムーブメントがCal.1861へ変更。
≪17年≫
2014年
と、歴代の中でも群を抜いての長期モデルだったのですが・・・・
年初めに入手したのはこの6thモデル(Ref.3570.50.00)でしたが、
“憧れ始めた”のは当然もっと古いモデルでした。
“バーベル”
いや
“バイブル” として、今でも持っている1997年2月発売のこちら、
「 20世紀の記憶装置 オメガ・スピードマスター 」
ムック: 213ページ (ムック:雑誌と書籍をあわせた性格を持つ刊行物)
出版社: ワールドフォトプレス
発売日: 1997/02 ※ 中身変わらずの新装版が2007/11に発売 以後絶版
寸 法: 29.6 x 23.8 x 2 cm
定 価: 3,600円 (消費税は8%でも5%でもない3%時代・・・)
“バーベル”も一概に間違いと言えないかもしれません!
1㎏ちょっとありますから・・・・
穴は開いていませんが、よく見ていたので相当腕は鍛えられたと思います?
情報と写真が一杯詰まっています。読み物というより写真集です。
スピマスマニア以上にNASAマニアが喜んだかもしれません。
オメガ・スピードマスター・ファミリーの製品年表(60個)が記載され、スピードマスターとNASA有人宇宙飛行計画との関連を中心にオールカラーの写真と解説文が掲載されています。
歴史やエピソードの濃い内容(マニアック情報?)が一杯詰まっています。
以前・以後を問わず関連した雑誌や書籍は多々発売されていますが、現在でも最強の書籍ではないかと思っています。(拙い自分の知りえる範囲での感想ですが)
唯一この書籍に欠点が有るとすれば、眺めてるとレアな年代ものスピマスが欲しくなったり、文字盤やら針をカスタマイズしたくなってしまうことでしょうか・・・・・
発売は1997年2月ですが、本文内の製品紹介などは1995年までの製品となっており、残念ながら購入した1997年発売の6thモデルを含め近年の製品についての情報は一切ありません。
まぁ、「MOON WATCH」としての新たな歴史を刻むことは無いでしょうし、ムーブメントがCal.861の5thモデルとCal.1861の6thモデルではメッキ処理からロジウム処理へと変わった程度の違いしか無く、その後製品は17年間変化が無かったわけで、内容を追加したとしても数ページで終わっちゃいますかね!?
ただ、製品紹介は多いかもしれません。
毎年定例化(?)したように「○○、△△周年記念モデル」と銘うって高額な数量限定品が出ていますので・・・・・
(欲しくても自分は買えないので、ちょっと嫌味を入れてみました・・・・)
それでも自分はやっと本物を手に取って眺められる環境になりましたので、全く問題は無いと思っています。
さて、
「MOON WATCH」の歴史は閉じてしまうのか?
気になりますよね!
えっ?
気にならないし、興味も無いって!?
そうですよね!
雑誌の人気ランキングであれば必ず上位にくる製品ですが、メーカー(オメガ)ホームページでディスコン表示されているのに、話題になったり、情報を取り上げているブログなどもほとんどないですからね・・・・・
(さすがに時計雑誌ではしっかり伝えていますが!)
ということで、ここのブログで取り上げてみたんですが、発表しちゃいますか?
「MOON WATCH」の歴史はこれからも引き継がれます。
既に9月から新製品が出ています!
新製品と、Ref.3570.50.00 との違いは、“
3点”あるようです。
① 製品Ref.が、 311.30.42.30.01.005 になりました。
今後はこの番号で流通していくようです。
数字が6個も? 年寄りでは覚えきれません・・・・・
② 価格が、420,000 + 税 → 480,000 + 税 になりました。
ついに税込価格ですが50万円超えちゃいました!
並行輸入品で40万位ですかね?
値上げに伴って“おまけ”が付きました。
自分が購入した 3570.50.00 はこちらでした。
311.30.42.30.01.005 では このようになっています。
おまけの中身は、
・シーホースエンブレムメダル
時計のケース径より大きいサイズです。
・ベルクロストラップ
マジックテープで脱着します。
・NATOストラップ
ブレスより遥かに軽く、付けると印象が変わります。
・ブレスレット交換ツール
バネ棒とドライバー
・ヒストリーブック
と、唯一自分が欲しいと思った(老眼には必需品?)
・ルーペ
文字盤の細かい部分の確認や、調整時に使用とのことです。。
ケースも豪華版(スペシャルボックス)になっていますよね!
そして最後の変更点は、心臓部のキャリバーが・・・・・
では無く、
③ ブレスレット調整方法がCリング式のピンからスクリュー式に変更
Cリングは駒の内側に入っているので割ピン式と違いがはっきりしませんが、ネジ式との違いを撮ってみました。(ネジ式サンプルはバチロレです)
アレ?
変更点はこれだけ?
時計本体 は全く変更無し?
ハイ!そうです!
値上げ政策の一環ですかね?
都度発売されている記念モデルは、既に高額化路線に沿った値付けがされています。
スタンダードモデルだけが「高性能なのに低価格」路線を維持していたので、自分でも購入することが出来たのですが・・・・・
過去にもブレスレットの変更は多々有りますから、
Ref.311.30.42.30.01.005
になっても製品モデルとしては“6thモデル”のままですかね!?
“3570.50”というコードは1990年頃から用いられているPIC(Product Identity Code)と呼ばれる管理ナンバーで、それ以前は“ST145.0022”型式のリファレンス・ナンバーが用いられていたようです。
1990年ということで“6thモデル”と共に歩んだナンバーと言えます。
既に“ST145.0022”ナンバーを知っている人も少ないと思いますが、いずれは“同様に”“3570.50.00”ナンバーも忘れ去られてしまうんでしょうね!
とはいえ、この“ST145.0022”ナンバーの方、実はひっそりと生き残っています。
今でも裏蓋の内側に(数字のみですが)刻印されており、ケース・リファレンスとしてメンテナンス時の発注パーツ特定の為のインデックスとして使われているそうです。(時計屋さんなど限られた人しか見ないようですが・・・)
ということで、完全に消えちゃうのは“3570.50.00”のナンバーだけのようです!
ちょっと寂しいですが・・・・・