
船橋で環境フェアをやっていたので寄ってみました。6月は環境月間であり、あちこちで地味なイベントが開催されます。
三番瀬
東京湾の最奥部にある干潟です。1980年代には既に保全すべき干潟として注目されていました。NPOのブースではラムサール条約への登録申請を呼びかけていて、現在検討されている新湾岸道路の構想には懸念を表明していました。
ラムサール条約は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」です。「ラムサール条約湿地」は国内に53箇所あり、首都圏には葛西海浜公園、谷津干潟、渡良瀬遊水地などがあります。この3地区が登録されているなら、三番瀬を登録申請しても不思議はありません。
船橋市の環境部局もラムサール条約を紹介していたので、登録の課題を聞いてみました。
○鳥獣保護法の下で、鳥獣保護区にしてもらう必要がある。
○三番瀬のまわりには4市あり、千葉県も関係するので、足並みを揃える必要がある。
○漁業が営まれているので、調整が必要。野鳥の保護には、抵抗感があるかも。
・・・いろいろとあるようで、時間がかかりそうに思いました。
海洋プラスチック

市の環境部局の出展で海のプラスチック汚染を取り上げており、プラスチック粒子が展示されていました(写真はイメージ)。1mmの網で濾したものとのことでしたが、近年懸念されているのは、より細かいマイクロプラスチックやナノプラスチックです。
大学の研究室の出展では、マイクロプラスチックと生物の関係を調べた研究を、学生がポスターで紹介していました。海の生物への蓄積や影響を調べる簡素な研究ですが、生物相手なので苦労がありそうです。「測ったら検出された」という研究はいろいろあるので、「生物影響に関する研究成果を期待します」と激励しました。
燃料電池車

トヨタクラウンの燃料電池車が展示されていました。水素タンクの位置を尋ねたところ、トランクルームでなく床下とのこと。セダンでも背が高めなのは、こういう理由でしょうか。カタログ値では満充填で800km超を走行可能なのはまずまずですが、水素スタンドが県内には3箇所しかないというのでは、燃料切れがトラウマになりそうです。
初めてクラウンセダンの現物を近くで眺めました。ファストバックスタイルは、20世紀に全然売れなかった5ドアハッチバックそのもので、6代目スカイラインのハッチバックを思い出します。狭い街中で日常生活を共にするにはちょっと巨大です。
うちエコチェック
県の地球温暖化防止活動推進センターの出展で、「うちエコチェック」を受けました。ネット上の「
うちエコ診断」と同じ内容のようです。毎月の電力や化石燃料の使用量を金額ベースで申告し、さらに大型家電の状況を申告すると、二酸化炭素排出量の内訳が示され、その低減策が提案されます。
毎月の公共料金をきちんと把握していないので、金額は適当に申告しました。わが家の試算結果では、二酸化炭素排出量の約4分の1を自家用車が占めていました。それゆえ「排出削減として効果的な対策」提案のトップは、「燃費のいい車に買い替える」でした。
これは単純なフローに着目したものであり、製品のライフサイクルまで考慮したものでもないので、参考意見として聞き置くことにします。広く受け入れ可能な「環境対策」とするには、買い替え促進を通じた産業振興が必要不可欠なのかもしれません。
それはともかく、こんなところでも「エコ」を濫用しているのは、芸がないと思いました。
静脈側施設

清掃工場2箇所とリサイクル施設1箇所が出展していました。各施設について、処理施設の構造、破砕・分別・焼却・回収の流れ、回収した金属資源や焼却による発電量の活用などの説明を聞きました。3施設はそれぞれエンジニアリング系企業によって運営されているとのことで、近年はこれが一般的のようでした。このような静脈側施設の円滑な運営には頭が下がります。
尾瀬

東京電力も出展していて、尾瀬を紹介していました。歴史的な経緯があって尾瀬の相当の土地を所有しているとのことで、それもあって尾瀬の保護活動を続けてきたようです。電力事業にそれほど役立つ地域でもなさそうに思われますが、公益事業として独特の地位を占めているので、自然保護を続けてもらえるよう期待します。
尾瀬には30年以上前に一度行きました。改めて話を聞くと、再訪を考えてみるのも悪くなさそうです。
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2025/06/18 23:09:20