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2025年01月18日 イイね!

フォードの礎の上に

フォードの礎の上に わがアテンザの礎(いしずえ)はフォードであったと、改めて認識しました。

背景
 国内で20世紀に販売されたフォード車の多くはマツダのOEMで、印象に残るのはこうしたものばかりです。1980年代からマツダのクルマをアジア太平洋地域向けフォードに仕立てていましたが、1990年代になるとフォードグループとして別の形の協業に向かったようで、順次消えていきました。
 1990年代にマツダはフォード傘下となり、幹部はフォードから来ていました。経営を立て直すため、その下でコスト削減、車種の整理、人員削減などが敢行されていたようでした。
 この時期に進められた初代アテンザの開発ストーリーは、困難な中での開発陣の奮闘の物語として描かれています。一方で外国人幹部に対するインタビューをまとめた記事もあり、フォードから来た経営陣が敷いたお座敷の上で動いていたとも言えます。1990年代に採用されたフォードグループの協業スタイルが、アテンザ開発の大前提であったようです。

エンジン
 歴史を紐解くと、2Lクラス直4エンジンの基盤開発をマツダが担うと決まったのは、フォード傘下入り前でした。フォードはコストに厳しかったこと、まずはシンプルな「素うどん」を目指したことなどが語り継がれています。2000年登場のフォードモンデオにDuratecエンジンとして搭載されており、国内では2002年に初代アテンザとともに本格デビューしました。この系列は後に米国モデルでも使われています。
 わがアテンザの初期型2Lエンジン(LF-DE型)は、可変吸気などがつかないシンプル版で、「素うどん」に近そうです。普及型としては今どき珍しいショートストローク(87.5mm×83.1mm)なのは、1.8~2.3Lエンジン一括開発のためだったのでしょう。シンプルで丈夫、タイミングチェーン交換不要などは、一般ユーザーには利点です。当時「コスワース鋳造法」の採用も宣伝していましたが、その利点は理解できておりません・・・。

プラットフォーム
 初代アテンザのサイズは欧米のDセグメントより小さかったようで、フォードではCD3プラットフォームと呼ばれていました。開発時期の制約からか、サイズが近いモンデオとは共有されず、後に少し拡大して米国のセダン(フュージョン)で使われました。そのWikipediaには次の趣旨が書かれています。
・プラットフォームのほか直4エンジンや5速変速機もマツダ製で、これらがハンドリングや信頼性で有利に働いた。
・自動車誌読者による比較では、スタイル、信頼性、ハンドリング、fun-to-driveで(米国で人気の)カムリやアコードより上位だった。

 このフュージョンには、2007年にレンタカーで乗りました。アテンザと同じ2.3Lでしたが、少し大きく、アテンザとの近似性はわかりませんでした。

ブランドの性格付け
 1990年代に種々のメーカーを傘下に収めたフォードは、各社にブランドの性格を明確化するよう求めたようです。マツダでは1998年ごろ、ブランドのDNA(ブランド資質)を「センスの良い、創意に富む、はつらつとした」の3つと定めました。これだけでは「一体何?」で、英語のStylish、Insightful、Spiritedの方がまだわかりそうです。
 これを受けたプロダクトフィロソフィー(商品特性)は次の3つで、こちらの方がイメージしやすいです。
○際立つデザイン(Distinctive Design)
○抜群の機能性(Exceptional Functionality)
○反応の優れたハンドリングと性能(Responsive Handling and Performance)
 初代アテンザの開発では、このブランド戦略の体現に腐心したとのこと。私がこのアテンザがよいと考える理由もこの3点に集約されるので、図らずも意見が一致しています。これもフォードが率いたブランド戦略の成果と言えます。

結び
 2000年代前半に登場したBセグメント(デミオとフィエスタ)やCセグメント(アクセラ、フォーカス等)では、日欧のモデルでプラットフォームを共有していました。味付けの違いは当然あったものと思いますが、Dセグメント(アテンザとモンデオ)も含め、両社ともリーズナブルで合理的なモデルながら走りの良さを訴えており、イメージが重なります。
 その後マツダは異なる設計方式を追究し、結果としてフォードグループを離れました。それゆえフィエスタとの遭遇を「その後は別々の道を歩んだ二人」の再会と感じました。SUV、クロスオーバー化が進む近年は、残念ながらこれら3セグメントからの撤退が進みつつあります。
 長年愛用するわがアテンザは、かつてのフォードの礎の上に体現された成果であったと、記憶に留めたいと思います。
Posted at 2025/01/18 02:12:35 | コメント(4) | トラックバック(0) | クルマ
2025年01月13日 イイね!

20世紀のフォード車の印象

20世紀のフォード車の印象 先日のフィエスタとの遭遇をきっかけとして、フォード車に対する私的な印象をまとめてみました。当時もマツダ車ユーザーであり、輸入車や海外ブランドには興味がなかった、という視点で眺めた範囲です。知識が足りないところは、日本語版と英語版のWikipediaで補いました。

マツダの姉妹車
 初代フォードレーザーは、2台目マイカーだったBD型ファミリアの姉妹車でした(冒頭写真の左上)。ハッチバック、セダンともエクステリアスタイルはそのままで、フロントとリアのデザインだけ変更されていたので、遠くから眺めるとファミリアそのものでした。
 2代目のレーザーはBF型ファミリアの姉妹車でした。ジャスコ店内の展示を見て、ハッチバックのデザインがファミリアとは少し違うと気付きました(冒頭写真の右上)。シンプルですっきりしたファミリアに対し、少しグラマラスなボディでした。セダンは全く同じサイドプロポーションです。
 3代目のレーザーは3台目マイカーだったBG型ファミリアの姉妹車で、ファミリアとは異なるエクステリアでした(冒頭写真の下半分)。セダンはファミリアと同様のプロポーションながら、だいぶ肉厚でした。クーペはセダンと同様の全長を有する3ドアハッチバックで、ホイールベースが短いファミリアHBとは全く違いました。バブル期ゆえにこのような作り分けができたのでしょうか。
 フォードテルスターはマツダカペラやクロノス系列の姉妹車で、エクステリアはフロントとリアだけ変更されていたようです。
 フォードモデル間ではフロントデザインの近似性を感じたものの、「どうせマツダの姉妹車」と思っていたので、個性として認識することはありませんでした。

フェスティバ
 背が高い初代フェスティバはマツダ主導の開発のようで、エンジンもマツダのB型でした。国内ではマツダ車として販売されなかったので、「なぜ(アメリカの)フォードが小さいモデルを売るのか?」と疑問でしたが、次のいずれかの理由だったのでしょうか。
○フォードのアジア太平洋地域向けモデルとして開発されたものであり、その前提で販売すればよかった?
○1980年代のマツダには、ファミリアより小さいモデルを国内ラインアップに加える気がなかった?
○新しいオートラマ販売網の育成のため、フォードモデルのみとした?
 背が低くなった2台目は、英語版Wikipediaによれば韓国起亜自動車により開発されたとのこと。国内では不評だったらしく、あまり見ませんでした。トールボーイの初代が売れ、背を低くした2代目が失速したという点では、ホンダシティに似たパターンです。
 そのあと登場したフェスティバミニワゴンは、初代デミオそのものでした。


プローブ
 フォードプローブにも2代あり、いずれもメカニズムはマツダによるものだったようです。
 初代はジャスコ店内で実車を見ました。3ナンバーで左ハンドル、FFの3ドアクーペ、中途半端な排気量(2.2L)、直4低回転型エンジンなど、素人ながら「国内で売れる要素がない!」と思いましたが、路上ではたまに見かけたようでした。
 2代目はバリエーション過多であったマツダ・クロノス系列の時期でした。マツダのエンジンを載せ、MX-6の姉妹車と言えそうですが、デザインはいかにもアメリカンです。国内ではほとんど見なかったように思います。

米国にて
 ミレニアムをまたいで米国に滞在しました。フォードで一番目についたのは、オーバルデザインのトーラスでした。1990年代後半には国内でもトーラスワゴンを見ましたが、堂々たるステーションワゴンでありながら、妙に有機的なデザインと感じていました。あちらのトーラスはセダンが多く、ライトのデザインが少し違います。日本国内のトーラスのライトは、姉妹車であるMercury Sableに似ていました。このデザインはあまりに個性的だったため、米国での販売は低迷したとのことで、途中で大きくデザイン変更されたようでした。
 2000年にはレンタカーでトーラスに乗りました。コラムシフトの4ATで、大きなサイズながら豪華さとは無縁でした。200kmほど離れた街まで往復しましたが、特に癖もなくリラックスして運転できました。

 米国で見た初代フォーカスはセダンが多かったようです。ニューエッジデザインは個性的で、1990年代までのクルマを見慣れた目には違和感が残りました。
 クーペモデルは、数多く見たはずのマスタングより、プローブの方が印象に残っています。もとはスリムなMX-6の方が好みでしたが、米国で見ると少しグラマラスなプローブがよさそうに思えました。

結び
 国内で遭遇したフォード車の大半はマツダが関係したものだったので、特に注意を払いませんでした。経営危機に陥ったマツダがフォードの傘下に入ったことは聞いていましたが、その後の経過はフォローしていませんでした。米国滞在中は多くの車種を目にし、ビッグスリーのいずれも多くの車種を出しているのでメーカー間のテイストの違いはわかりませんでしたが、トーラスやフォーカスのデザインは個性的と感じました。なお、欧州フォードについては、ほとんど認識がありませんでした
Posted at 2025/01/13 17:03:28 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2025年01月11日 イイね!

健康寿命とは

健康寿命とは 平均寿命と比べると、健康寿命はずいぶん短いものだと思いました。一方、健康寿命の定義を見てみると、寿命などと大げさに呼ぶべき指標なのか疑問に思えてきました。

 12月24日に、「厚生労働省が健康上の問題がなく日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2022年は男性72.57歳、女性75.45歳だったとする推計値を発表した。」との報道が各方面からなされました。厚労省の報道発表資料サイトを見ても何も載っておらず、この日に開催された厚生科学審議会第4回健康日本21(第三次)推進専門委員会の資料「健康寿命の令和4年値について」として報告されたものでした(冒頭の図はこの資料から抜粋したもの)。社会的な関心が高い情報を積極的に公表するのでなく、公開の審議会に報告したことで公開扱いとしているのは、社会に対する情報共有の手法としていささか疑問ですが、現時点では報道機関が機能しているのでよしとしましょうか。いずれ議事録が公開されればここでの議論の様子もわかりますが、発言の一言一句を忠実に記録した形なので、時間の余裕と根気がないと読む気にはなれなそうです。

 ここでは「日常生活に制限のない期間の平均(年)」と「日常生活に制限のある期間の平均(年)」を推定しており、前者を「健康寿命」と称しています。そして、この2者の合計を「平均寿命」としています。実際には、平均寿命と健康寿命をそれぞれ推計し、その差が「日常生活に制限のある期間の平均(年)」なのだと思いますが、そのような説明ではありません。

 今回公開された2022年(令和4年)時点の推計では、平均寿命は男性81.05歳、女性87.14歳であるのに対し、健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳でした。健康寿命は平均寿命よりずいぶん短く、10年近い開きがあります。平均寿命までの年数はまだそれなりにあると思っていましたが、健康寿命までに残された年数が意外に少ないと感じました。

 では健康寿命とは何なのか。厚労省のe-ヘルスネットに「健康寿命の定義と算出方法」の解説がありました。「健康寿命とは、ある健康状態で生活することが期待される平均期間を表す指標です。これは、算出対象となる集団の各個人について、その生存期間を「健康な期間」と「不健康な期間」に分け、前者の平均値を求めることで表すことができます。」としています。実際には「国民生活基礎調査(大規模調査)」の中で行われるアンケートに基づくようで、次の2つの指標により健康寿命を評価することにしているようです。
(1)「日常生活に制限のない期間の平均」(主指標)
「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に対して、「ない」という回答を「健康」とし、「ある」という回答を「不健康」として、サリバン法により算出します。
(2)「自分が健康であると自覚している期間の平均」(副指標)
「あなたの現在の健康状態はいかがですか」という質問に対する、「よい」「まあよい」「ふつう」という回答を「健康」とし、「あまりよくない」「よくない」という回答を「不健康」として、サリバン法により算出します。
・・・ということでした。

 それなりに意義のあるデータと思いますが、大規模調査とは言え限られた対象者による主観的表明をもとにした推定でした。このような性格の情報なので、厚労省自らは大々的な報道発表を行っていないということなのかもしれませんが、そうであるなら「健康寿命」などと大げさに呼ぶのは疑問に思えます。個人差も大きいと思われるので、この数値を過大評価せずに健康の維持に留意するのが重要と思いました。ただ、自由に運転できる時間は限られていると改めて認識する材料にはなりました。
Posted at 2025/01/11 21:48:00 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2024年12月31日 イイね!

6MTとしての選択

6MTとしての選択・「普段使いのMT車」に相応しいスペックであり、ドライビングポジションと6MTの操作感は最上と言えます。
・軽い身のこなしと高速安定性が両立しており、実用的なMTドライバーズカーとして優れています。
・足回りがもう少ししなやかなら、「プレミアムコンパクトMT」と呼べそうですが、ちょっとバンカラです。
Posted at 2024/12/31 19:49:39 | コメント(0) | クルマレビュー
2024年12月27日 イイね!

改良型MAZDA2-MT変速比に変更はなかった!

改良型MAZDA2-MT変速比に変更はなかった! MAZDA2のMTギア比に関する第3報です(こちらに第1報第2報)。
 改良型は12月25日から発売とのことだったので、さっそく諸元表を確認しました。その部分を切り出して拡大したのが上の画像です。

 変速比の欄の数字(赤で囲んだもの)は、従来から変更なく、15MBがワイドレシオでそれ以外(SPORT系)はクロスレシオのままです。
 この表の欄外(青で囲んだもの)には、2つのMT変速比を入れ替えた数字が並んでいます。諸元表に修正シールとして貼りつけるための数字が並んでいるようにも見えますが、説明なく数字だけが載っています。

 11月29日のニュースリリースの際に公開されたMAZDA2 Technical Informationのpdfファイルでは、変速比の欄にこの欄外の数字が載っており、「MT車(15MB)」にクロスレシオの変速比を示していました。これは、第1報の冒頭画像で示しました。しかし、同サイトから改めて同じTechnical Informationのpdfファイルをダウンロードしてみると、変速比はこれまでと同じ数字(ワイドレシオなのは15MB)に戻っていました。

 改めてこのニュースリリースのサイトを見ると、下の方に赤字で「※2024年11月29日11時30分、本ニュースリリース発信時の主要諸元に誤りがありました。お詫び申し上げるとともに、以下の正誤表のとおり訂正いたします。」との記述があり、12月6日付けの正誤表が示されていました。一番下に載っていたので、いままで気がつきませんでした。

 すなわち、「MT変速比に変更はなかった!」ということでした。メーカーが公開している諸元表の欄外の数字(冒頭の画像で、青で囲んだもの)は、削除すべきでしょう。私のブログの第1報第2報には、変速比に変更がなかった旨を追記しました。

[2025.1.24追記]諸元表の欄外の数列(冒頭画像では青囲み)がずっと残っていたので、1月13日にメーカーのホームページから指摘したところ、数日後には削除されていました。
Posted at 2024/12/27 01:52:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ

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