昨日の守谷店バックヤードで見つけたレーザー・クーペ、ごく一部で静かに反応が認められる?ようなのでブログ本編へ昇格させてみます。
おそらく我がブログで歴代最少のイイね!レコードホルダーとなりそうですが(笑
このレーザー・クーペと、種車たるファミリアNEOに関しては、謎に思える点がいくつもあります。まず根本的な疑問として、当時のマツダはなぜNEOのような、日本でまず受けそうもないかたちの車を、よりによってファミリアという最量販ブランドに持ち込んだのか?そもそもファミリアNEOは、マツダのかつてのヨーロッパデザイン拠点(MRE)から提案されたデザインを土台に開発されたもので、日本市場の実情や国内ユーザーの嗜好性などはあまり顧みられていなかったといえます。
果たして当時のマツダにとって、ファミリアはMazda 323としてヨーロッパで売っていくことが大命題だったから、日本市場にはそのおこぼれを入れておけばよかったという判断だったのでしょうか?仮にそうだったとしても、あまりのNEOの不評っぷりに、急きょ同じシャシーベースでオーソドックスな3ドアハッチバックボディを開発して日本では後からNEOと差し替えたくらいだから、決して国内市場が二の次だったということでもなさそうです。
NEOはヨーロッパではMazda 323の3ドアクーペモデルに位置付けられていて、ちなみに同じ323の5ドアハッチバックが日本でのランティス・クーペでした。このランティス・クーペも出自はNEOと同じくMREです。おそらく両車のデザイン開発は、当初から同時期に並行して進められていたはずです。しかしながら双方の出来上がりのレベルは段違い・・ランティス・クーペの引き締まった体躯と、NEOの弛み切ったそれとはまったくの別物です。私は当時発行のマガジンXの総括で、NEOのスタイリングが酷評されていたのにものすごく納得したことをよ〜く覚えています(^^;
そんな車をベースにしたレーザー・クーペの顔も不思議なポイントです。いわゆる日本フォード車として、国内やアジアパシフィックエリアなどで販売されていたマツダベースのフォード車の顔つきは、初代フェスティバを除き、同時期の欧州や北米フォード車のフロントエンドの造形をモチーフにする流れが続いていました(私が乗っていた初代テルスターTX5のグリスレスな顔も、同時期のシエラやSVOマスタングのイメージを反映させたものと理解できました)。
ところがこのレーザー・クーペは、範となる顔が欧州系・北米系にも見当たりません。セオリーを破って突然変異のごとく現れてきた実に奇妙な顔で、あえてイメージが近い事例を探せば、ほぼ同時期の1993年にアメリカで発表されたコンセプトモデル「シンテシス2010(SYNTHETIS 2010)の顔を意識した部分はあったのかも?
(SYNTHETIS 2010 / Car Crushers Forumのサイトから借用)
結果として、根本的に日本受けしそうにない存在であったところへ、さらにこれまた到底理解不能な表情が上乗せされたこの1994〜レーザー・クーペ、まず本気で日本で売ろうとしていたとは考えられない1台として、極々少数の真性マニアの間でのみ語り継がれる(のか?)カルトな存在です。その数少ない個体がおそらくこうしてまたひとつ消えていこうとしているからこそ、あえて話題にしてみました。
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Laser | クルマ
Posted at
2022/08/21 11:00:26