2013年03月20日
保険修理でクルマのオーナーにキャッシュバックという話を聞いた。
本来自動車の保険修理は修理工場の見積を保険会社の査定員(アジャスター)が監査し、妥当な見積金額と判断されたら修理費用を保険会社が支払うものと理解していた。
元来 鈑金塗装業は 元請け業者(ディーラーや販売店、整備工場など)からの下請けで仕事をするのが当たり前で、元請け業者に対し、実際に修理工賃を値引きして請求するのが慣例になっていたが、客が直接「鈑金塗装工場」に修理を依頼してくれた場合は、元請け業者に対して値引きしていた中間マージン部分の金額をクルマのオーナーに「キャッシュバック(値引き)」として サービスするという。
妥当な修理費を保険会社に請求するのが保険の主旨であろうが、修理工場は保険会社が認める上限の修理費を保険会社に請求し、どこかでひねり出した金額をクルマのオーナーにキャッシュバックする仕組みらしい。
そもそも、保険は修理そのものについて支払われるのではなく、損害の賠償として支払われるもので、正規の見積もりで保険会社から支払いを受け、中古部品等を使って安く済まし、その差額をクルマのオーナーがポケットに入れるのも認められるらしい。
「保険修理」 「キャッシュバック」をキーワードにして検索すると保険修理でキャッシュバックする修理工場がいっぱい出てくる。
基本工賃の20%(上限10万)をキャッシュバックするというところが多い。
フロントガラスの交換をする業者もキャッシュバックするという。
こうして自動車保険の支払い総額が増えると、保険の掛け金が上がる。
キャッシュバックを受け取ったドライバーのツケが、任意保険の保険料の上昇につながる。
それともキャッシュバックを受け取らなかったら、修理工場の丸儲けなのか・・・・
元請け業者(ディーラーや販売店、整備工場など)は鈑金塗装業に下請けに出すだけで上乗せして大きなマージンを得ているのか。
キャッシュバックは修理工場の競争原理と理解するのか、商習慣なのか。
保険修理でクルマのオーナーに対するキャッシュバックはどう考えたらよいのだろう
Posted at 2013/03/20 10:22:30 | |
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自動車産業 | クルマ
2011年03月24日
地震の影響で、いろいろな産業の製造が止まり、特に部品メーカーの操業が止まり、海外の組み立て産業にまで影響を与えているという。
サプライチェーンの合理化が最近のトレンドだが、合理化しすぎてリスクに対する対策ができていなかったような気がする。
4年前の2007年の新潟の地震のとき、日本のピストンリングの50%以上を作っているリケンの生産が止まり、各自動車メーカーでは生産ラインを停止さぜるを得なくなった事故があった。
カンバン方式で生産しているために自動車メーカーには組み立てる部品の在庫が無いから、上流からの部品供給が停止すれば、即生産ラインが止まることになる。
生産ラインが止まるということは製品(自動車)の生産が停止することであり、さらに他の部品も必要がなくなるからカンバン方式では他の部品メーカーの生産も止めさせられるから大変だ。
ということは組み立てメーカーのみならず部品メーカー各社の経営にも影響が出るし、働く人に大きな影響が出る。
正社員の給与には影響がなくても、臨時社員や、派遣社員、パートタイマーなどは大きく収入が減るだろうし、解雇されるリスクもある。
同じパーツを複数の下請けに作らせるようにしておくのは危機管理の基本だし、部品の調達先を複数作っておくことで納入価格も競争させることができるはずだと思うのだが。不思議なことに自動車メーカーも電気メーカーはそうではなかったようだ。
2007年のピストンリングの問題から学べば今回の問題も防止できたのに、どこのメーカーも2007年の新潟地震から学んでいなかったことになるのは不思議だ。
Posted at 2011/03/24 22:56:23 | |
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