2024年06月24日
近年直噴エンジンが増えている。直噴エンジンでは空気のみを吸入して圧縮するため、圧縮比を高くしてもノッキングが発生しない。そのため、高圧縮化にすることができるので理論熱効率が向上するという利点がある。
さらに燃料を直接燃焼室に吹き込むので燃料の気化熱により、気筒内温度を下げノッキングを抑えることが可能であり、高い馬力と省燃費性能を発揮することができる。
一方デメリットとしては燃料を噴射してから燃焼するまでの時間が短いため、局所的に燃料が濃い部分ができやすく、不完全燃焼によるスス(カーボン)の発生に繋がる。
中古車でマフラーの出口を見たときに真っ黒になっているのは直噴エンジンだと思って間違いない。もし、直噴エンジンでなくてカーボンが溜まっているならその車両はどこかの不具合があるので購入するべきではない。
マフラーの出口がカーボンで真っ黒な直噴エンジン車は調子が良くてもエンジンの内部ではインジェクターのノズルがスス(カーボン)で覆われている場合が多い。
普通の燃料噴射の場合は燃料ポンプの圧力のみで燃料を噴射ノズルまで送り込むが、直噴では高い圧力になっている気筒内に燃料を直接噴射するために高圧の燃料ポンプが追加されている。
つまり、普通の燃料ポンプ+高圧燃料ポンプという二段構えになっている。
燃料タンク内の燃料ポンプより供給された約 0.6MPa(6bar/87psi)の燃料を 高圧燃料ポンプが20MPa(200bar/2901psi)まで加圧して高圧の燃料を燃料パイプ(コモンレール)に送り出す。
高圧燃料ポンプは機械的なポンプでカムシャフト上のカムによる機械的なメカニズムで圧力を加えている。
この高圧燃料ポンプは機械的に高い精度で作られているためなのか破損すると高額の部品代が必要になる。
ベンツなど高圧燃料ポンプの部品代だけで30万もするし、ミニクーパーなども25万、BMWで20万、ゴルフでも10万円と部品代が高額でさらに交換工賃が掛かる。
社外品(OEM)だと純正品の定価の70~20%くらいの実勢価格で入手できるが信頼性はわからない。
高圧燃料ポンプは補機としては最も高価な部品となる。
安いからといって直噴エンジンの中古車を購入したら、高圧燃料ポンプの交換で車両の購入金額を超える修理費が掛かるということもあるかも知れない。
中古の直噴エンジンはリスクが大きいと思う。
Posted at 2024/06/24 20:32:04 | |
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