朝日新聞の朝刊の1面の記事が目についた。
連休に入り、パンクに注意の記事のつもりなら良いのだが、本文に気になることが記載してある。
「車のパンク件数が増えている」とあり、JAFの出動件数は10年弱で1.5倍とある。
ガソリンスタンドのセルフ化でタイヤの点検機会が減っているからである、とも結論つけている。
本当にそうだろうか。
最近は昔に比べて路面が良くなり、建築にも釘の使用が減ったためか実感として釘が刺さるパンクも極めて少ない。タイヤのトレッドにスチールが使われているタイヤも多く、サイドにもリムガードなどがついているタイヤも多く、一昔前よりパンクが発生しにくい対策が取られている。
自動車台数の増加、1台あたりの走行距離の増加、JAF加入者の増加などの要素があり、単にJAFの出動件数の増加だけでパンクが増えていると結論つけることはできない。
パンク回数と走行距離の比率の推移をみないと結論は出ないはず。
さらに最近はスペアタイヤ搭載の無い車両も増えており、昔なら自分でタイヤを交換したのが、パンク応急修理キットの使用に慣れていなのでJAFを呼ぼうという人もあるだろう。
しかもパンク応急修理キットを使用するとタイヤの修理が困難になるのでJAFの積車で運んで貰おうというケースもあるだろう。
いろいろなファクターがありながら、JAFの出動件数が増えているとか、セルフスタンドが増えているというだけで短絡的にパンクが増えているというような結論に結びつけるのは科学的な考え方ではない。
日本自動車タイヤ協会のデータが引用されているが東名高速道で98台を点検したところ42台で空気圧不足が見つかったというが、わずか98台の統計では有意な結論を引き出すのは無理である。
しかも「タイヤの空気圧は1か月で5~10%も下がる」という。
1か月で5~10%も下がるのは すでにどこか不具合のあるタイヤだ。
頻度はともかく安全のためにパンクの注意を訴えることは重要だが記事の内容はデタラメに近い内容だ。
1面にこんな記事を掲載すると朝日新聞の信頼性はますます損なわれる。
Posted at 2019/04/29 18:27:29 | |
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