毎月定期購読しているカー・マガジンに案内状が同封されていた。
次号から隔月刊に変更するという。
カー・マガジンは当初The Scramble Car Magazineという名称で82年2月の発刊当初は隔月刊でページ数も少なく平綴じというのか真中をホッチキスで止めた製本だった。
本棚を見ると一番古いものが82年9月号で総ページ数は100ページだった。

不思議なことに82年2月に発刊した隔月刊の雑誌だというのに、同じ82年の9月号は第4巻第9号通巻26号と表示があるのが理解できない。
3号雑誌と呼ばれるように新しく発刊した雑誌は継続が難しく、たいていは3号で消えていくという言葉があるので、最初は長続きしないだろうと思いながら書店で立ち読みするだけだったが、スクランブル・カーマガジン(スクランと略して呼ばれた)はなかなかマニア受けする記事なので定期的に購入するようになった。
出版部数も伸びたようで87年3月からは、背のついたしっかりした雑誌になり200ページを超えるようになった。
同時にいつの間にかスクランブルの文字が小さくなり、その後タイトルからスクランブルの文字は消え、カー・マガジンという名称になった。
内容は国産車も多かったが、欧州車についての情報も豊富で、競合誌のカー・グラフィックが表面的な内容なのに対して、カー・マガジンはマニア受けする記事が多いので、10年程前にカー・グラフィックの購読を止めて、それ以来カー・マガジンは購読を継続している。
カー・グラフィックは創刊者の小林彰太郎氏が存命のころは独自のテストを実施して公表し、暮らしの手帳の自動車版を目指すという明確なポリシーがあったが、後継のスタッフはどちらかというと明確な理念よりも単にクルマオタクの集まりのような様相で、今でもよく発行が続いているものだと思う。ブックオフなどに行くと売れ残りと思われる折り目の無い綺麗なカー・グラフィックをときどき見かけるのは売れ残りが多い証拠だろう。
カー・マガジンが今回隔月刊に戻るというのは、記事が無いのではなく、ネットの時代になり印刷媒体が歴史的に低迷していることに関係しているのではないかと思う。
つまり、販売部数が低迷しているのではないだろうか。印刷物は部数が上がるに従い加速度的に原価が下がり利益が上がるが、部数が下がると一部あたりの印刷原価も加速度的に高くなり、人件費や編集費は固定費だからたいへんだ。
単純に考えると発行部数が維持できても隔月刊にすると経費も減るが、売上も半分になる。経費は印刷費が半分近くになると言っても人件費は隔月というわけにはいかないから経営上苦しくなる。よほど上手く経営しないと廃刊への下り坂をまっしくらに急加速することになるのではないかと心配している。
カー・マガジンの最新号はNo.505 2020年8月号だがこの編集後記に新人の社員に「隔月化」という言葉を書かせているが、発行人/編集者の立場から何故隔月化なのかの説明は一言も無い。
やはり廃刊への下りの急坂を下り始めたのではないかと思う。
Posted at 2020/06/30 20:35:11 | |
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