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ディーラー整備納車中の代車として、初代プリウスを1日半ほど運転しました。さすがに平成14年度モデルの車両だけあって、ハイブリッドシステムの燃費の良さ以外は不満な点が満載になってしまいました。
勿論、年式が古い部分を割り引いて考えなければなりませんが、クルマとしての魅力には乏しい車体です。
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フロントドアを開いたところ。
内装仕上のグレードは1.5リッターの一般的ファミリーカーベースグレードといったところです。前席シートのアジャスターは全て手動。
一方、フロントウィンドウやサイドウィンドウ、ダッシュボードの配置・高さを見て頂ければ解るように、ドライバーからの前方視界は非常に良いです。フロントエンドの見切りも不安がありません。
自分の意思より制動力が強さを増すブレーキ
ブレーキを踏むと車速が落ちていくに従い、自分の思っている制動カーブよりどんどん制動力が増していく感覚なので、終速近くになるにつれてそのブレーキタッチの調整が難しくなります。ブレーキを少しずつ放して帳尻を合わせようとしますが、微妙な調整が追い付きません。クルマが停止する最後には、ガクン!となってしまいます。それを避けようとしてブレーキペダル踏力を必要以上に抜いてしまうと、逆にスーっと車体が前に出てしまいます。
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ごつごつ振動が響くシフトレバータッチ
これは年数が相当経っているから仕方無いのかも知れませんが、まるで旧い大型バスのように「ガゴガゴ」ってなります。コラムシフトのような長大なシフトレバーに手を挙げていないといけないので、左腕が結構疲れます。
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乗り心地最悪ですぐ疲れるシート
夫婦で前席に乗って、走っている途中から「何か疲れるね」「ちょっと腰が痛い」を連発。乗用車のシートと言うより、遊園地のアトラクションに良くある乗り物のプラスチック製の椅子が、似たような感覚だと言ったら言いすぎでしょうか。
やはり、ハイブリッド草創期に広く拡販するためコストダウンを徹底した、という事では無いかと想像してしまいますが、そうであっても、本当に仕方無かったのかな・・・と考えてしまいます。
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車重が軽く、EV走行にあたってハイブリッドシステムへの負荷が少ない
クラウンハイブリッドとの比較では、まず車重の軽さが挙げられます。停止状態からアクセルオンで、まず電動モーターのみで走り出しますが、車重が軽いのでバッテリーチャージが充分であれば速度が45km/hを超えてもまだ4気筒ガソリンエンジンを始動しないまま引っ張ります。この状態が相当長いのが特徴で、一気にEV走行距離を伸ばしてしまいます。
また車重が軽いため、極く緩い登坂路でもガソリンエンジンを始動せずかなり頑張ります。
バッテリー充電回復の早さ
クラウンハイブリッドと比べて、バッテリー出力設定の違いによる最大容量と、充分に充電するために要する時間にかなり違いがあると思います。この車体サイズは燃費優先のハイブリッドシステムには丁度バランスが良いようです。今回、実際走行してみて、容量と出力は小さいけれど、短時間で充電回復し、長くEV走行が可能になっている事が良くわかりました。
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乗り心地最悪ですぐ疲れるシート
前席も同様ですが、このクルマのシートは・・・。
最初この初代プリウスの内装を初めて見たとき、結構狭いと感じました。そして暫く距離を走って行くと、腰が段々辛くなってしまいました。ドライバーだけでは無く、パッセンジャーも同様でした。
然し、販売がぐんぐん伸びている現行のプリウスは、きっとこんな事は無いのでしょう。
ただ、車高が1,490mmと腰高で、ルーフデザインも角ばったセダンタイプになっているので、きちんと座ってみると見た目ほど狭い訳ではありません。でもリラックスして長時間着座するような旅程ですと、このシートでは家族から苦情が出てしまうと思います。
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ドライバー正面、ハンドル周りに計器が無い
特に夜間走行をすると一般的内装車との違いに気が付くのですが、普通はどのクルマにもあるドライバー用のメーター計器類が、このクルマの場合、ハンドル周りに何も無いのです。スピードメーターに相当するものはこの画像左中央のLED文字計だけです。
実際に走行して見て、この場合前方視線を僅かにずらすだけで現在速度/ギヤシフトポジションが読み取れますので、考えとしては非常に合理的です。・・・然し、個人的にはハンドル周りの速度計、エンジン回転計、油圧計、油温計が無いと、クルマの状態を逐一把握しながら走る感覚が半減してしまう気がして、つまんないです。
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ハイブリッドシステムの燃費の良さ。
代車利用ですが、1日で約65km走行後の燃費は23km/Lでした。プリウスユーザーからは、これでは並以下だと不満の声があがりそうですが、今回走らせている間、燃費を特に意識しなかったので、それでもこの成績が無理なく出てしまう実力にはびっくりさせられました。この画像は直前30分間の期間燃費実績ですが、見てください。直前の10分間は、連続で40km/Lを超えています。これだけ年数の経った旧車なのに。
SPECIFICATIONS
【S"ナビスペシャル"(CVT_1.5)】
平成15年2月登録
車台形式ZA-NHW11
車重1,220kg
車両総重量1,495kg
全長4,310mm
全幅1,695mm
全高1,490mm
ホイールベース2,550mm
原動機形式1NZ-2CM
最高出力72ps/4500rpm
最大トルク11.7kgm/4200rpm
Posted at 2010/06/01 17:14:25 | |
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代車の試乗レポート | クルマ