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惰眠のブログ一覧

2010年04月09日 イイね!

ほったらかしの埋め合わせ:4月9日 横浜の日産本社ギャラリー見物

ほったらかしの埋め合わせ:4月9日 横浜の日産本社ギャラリー見物すっかり放りっぱなしにしてしまっていたのを遅ればせながら埋め合わせようと思う。
4月9日はシフト上の休日だった。遠くに出かけるほどの気力も欲求もないけれど、家でごろごろ転がっているのもツマランと思い、ふらりと横浜にある日産グローバル本社のギャラリーを見物に行った。
日産の本社が銀座から移転して以来、初めての訪問だ。

 近年、東急が横浜の旧みなとみらい地区まで乗り入れたので、電車で行くのがマァ楽と言えば楽なのかもしれないが、そこは僕のこと。自宅から電車の駅まで歩くのが億劫で、結局車で出かけることにした。ただ、銀座にあったときもそうなのだけれども、日産ギャラリーには物見遊山の客のためには駐車場を用意していない。

 所在地が横浜の繁華街である以上、民営の時間貸し駐車場も安くないだろうなぁ……などと思いつつ、地図を眺めると都合のいい商業施設が近傍にあることが分った。帰りに何か、それなりの値段のものを買えば駐車料金はタダ同然だな、と皮算用した。

 ともあれ「グローバル本社」のギャラリーである。
車を停めた商業施設の駐車場からトコトコ歩いて向かうと、入り口の前は車寄せになっていて、そこになぜだか三菱のi-MiEV(アイ・ミーブ)が停まっていた。なんでだろうと首をひねったが、そこには給電スタンドが一台すえつけられていたのだった。なるほど、このビルは実験的インフラ整備に一枚噛んでいると言う訳か。



 と、ちょっと感心したりしたのだが、ギャラリーに足を踏み入れた途端「……なにやってんだ、日産」という気分にさせられた。他メーカーの車のために充電場所を供給するのは結構だが、肝心の自分の御店の商材をきちんと宣伝しないで何とするか。
 この秋から市場に投入すると言う電気自動車のリーフが、その現物が展示されていないのだ。あるのは高校の文化祭あたりでほぼ無人の教室にぽつねんと置かれた「研究成果の展示」みたいなパネルと模型だけ。



 まったく……。僕としてはリーフなんぞに興味があるわけでは全然ないのだけれど、モノを作って売る企業の宣伝戦略として、これはあまりにもお粗末なんじゃないだろうか。せめて、動力系はなくてもインテリアとアクセサリー類だけは機能するようにした原寸大モックアップなりを置いて、専門の宣伝要員を置いて商品と技術と取り組みとをアピールするのが普通なんじゃなかろうか。やる気、あるのかよホントに。「エコ・カー分野にも頑張ります」ってふりだけしてるんじゃないのか?と言いたくなってしまう。

 ま、それはそれとして。
流石グローバル本社を名乗るだけのことはあると変に感心したのが、定番の初代シルビアなんかだけではなく、日本には導入してない北米専売のセントラだのローグなんぞも展示してあること。
 展示スペースは流石に広く、初見となるスカイライン・クロスオーバーも屋外展示スペースに飾られていた。しかしどんな客層が買うこと想定してるんだろ?トヨタのハリアーとは商品カテゴリが違う感じだし。

 ……というようなことをつらつら考えながら見物を終えて、帰る前に買い物をしておかないと駐車場代金がかかってしまうんだよな、なにを買おうかな、などと考えながらギャラリーを後にした。
例によって例のごとくフォトギャラリーに少々画像など掲載した。
Posted at 2010/05/27 12:26:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2010年03月03日 イイね!

CR-Zに乗ってきた

CR-Zに乗ってきた既に試乗していた数準倶楽部さんから頂戴したコメントで、スポーティーさを期待してはいけないと前もって釘を刺されていたホンダの新型ハイブリッド車、CR-Zに僕も試乗してきた。
 実際、数準倶楽部さんのおっしゃった通りで、まあなんというか、正調スペシャリティ・カーとでも言おうか、アメリカあたりで言われるセクレタリー・カー的とでも言おうか、ちゃんとよく出来てはいるんだけども、確かにスポーティーな車ではなかった。

 事前にホンダの公式HPで試乗車のある販売店を確認して一番手近な店舗に行ったのだが、その一覧表を見ていてちょっと目眩がした。メーカーはスポーティーさを謳いわざわざ6段の手動変速機搭載のモデルまでラインナップしているというのに、その6MT仕様の実車(試乗車)をおいている店舗が、少なくとも都内には(23区内ではない。東京都内全域でだ)ただの一つもありはしないのだった。ご時世とは言え、なんとも寂しい話である。

 それはともかくCR-Zだ。

 前にインサイトに乗った時、えも言われぬ不快な乗り味に辟易していたので、アレが受け継がれてたらたまんないな、流石に直してきてるんだろうな……などといささか身構えてしまったのだけれども、これは完全に肩透かしだった。
 変な言い方になるが、CR-Zはホントに普通の車だった。そりゃもうびっくりするくらい普通で、信号で停止したときにエンジンが自動停止して改めて「あ、こいつハイブリッド車だったっけ」なんて思い出すくらい普通に走って曲がって停まる。

 確かにアイドリング・ストップにマニアックな情熱を傾けたマツダのi-Stopエンジンと比べると停止&再始動の制御はかなり大雑把な印象だったし、ハイブリッド車としての内燃機関と電気モーターの振り分けは3代目プリウスほど緻密ではない。が、マツダやトヨタほどしんねりむっつりやらなくても、少なくともインサイトで始終付きまとった、あらゆる局面で感じる不自然さや違和感は解消していて一安心だった。

 CR-Zでそれが出来るんなら最初からインサイトでもやっておけよな~と言いたくなるのをグッとこらえて、同乗の販売店員氏に「申し訳ないけどインサイトの乗り味はヒドいもんだったが、CR-Zはあの不自然さがよく消えてますねぇ」と正直な感想を伝えると、先方も正直に答えてくれた。
 インサイトの運転感覚は、ユーザーから非常に不評だったのだそうだ。中には「タイヤ4本が全部てんでバラバラに動くようだ」とインサイトのダメさ加減を酷評した人もいるという。CR-Zは、そういうお客様の声を汲んで、ちゃんとした車に(スポーティーかどうかはさておき)仕上がったというわけだ。
 ついでに書いてしまうと、インサイトは内装も「安物っぽくて」お客さん受けがよろしくなかったのだとか。新作CR-Zは、そうしたマーケットの声を商品に反映させた成果でもある。

 トヨタのプリウスのクレーム問題ではないが、ユーザーからの苦情・不平・不満というものは、販社には本当によく集まってくる。そうした情報を上手く吸い上げ、現行商品の改善や次期商品の開発に生かすのがメーカーの通常業務なんだが、昨今の新聞や一部テレビ(僕の確認してる範囲ではTBSとフジ)ニュースによるとユーザーの苦情を受けて商品改善のための仕様変更をするのは犯罪的な行為らしい。
 とりわけ、それが安全に関わるような部分の変更だと、糾弾されるのが当然であるらしい。まったく無知にもほどがある……いや、話があらぬ方向に逸れた。これはCR-Zについてのエントリだ。

 運転席に座って「実際にこれから運転するぞ」という目で見ると、ショー・ルーム展示車に乗ったときとはちょっとだけ違う感じがしてくる。具体的には、思ったよりも幅が広く感じること。それから、キャビン後方がかなりきつく上すぼまりになっているため、サイド・ミラーで見たときに後輪部分が横方向に無闇に突出しているように感じられる。どっちも、住宅地や狭い道での取り回しで感覚的に扱いづらさを生む要因だ。

 ともあれ出発。ハンドルは――もういまどきの車にこれを言っても仕方ないんだが――薬指で回せるほど軽い。バブル期ホンダのスペシャルティ・カーは「小指で回せるほど」などと言われたくらいだから、それよりは多少マシなのだがスカスカ回るハンドルは、僕は好きではない。
 アクセルを踏んで加速。CR-Zはハンドル右脇に3つのボタンが縦に並んでいて、上から順に「スポーツ・ノーマル・エコ」の3つのパターンが選択できる。順当にノーマルで走ってみると、CR-Zはますます1500ccクラスの「普通の乗用車」だ。遅い車に前を阻まれてヒョイと追い越し車線に出て加速したいときに中々速度が乗らないところなんか、特に。

 流石にいささか物足りなく、今度はスポーツのボタンを押してみる。このモードのときに、ハンドルの両脇にあるフリップ・レバーを操作すると手動変速モードに切り替わり、エンジン回転数がレッド・ゾーンに飛び込むあたりにならない限り自動ではシフト・アップをしなくなる。(ちなみにダウン方向は、車速が落ちると勝手に変速するのでシフト操作を忘れていても一時停止からの再発進で、2速や3速発進になって車が重くて動かない、なんて目には遭わないで済む)

 幹線道路の巡航中にノーマルからスポーツに何度か切り替えたが、概ね4速あたりに入るようだ。そこで調子に乗って……普段の調子で運転すると、タコメーターの針が真上に向いたあたりで、まるで古典的なターボ・チャージャーが作動したようにグッと力感が増す。ハイブリッドのモーター側が、たぶんアシストしているのだろう。

 そういう運転だと、排気音もそれなりに……それなりに、賑やかである。昔のB16だとかH22のVTECと比べては、いけない。ああいう『スポーティ』な味わいを知っている人たちにとっては多分、今度のCR-Zの謳う『スポーティ』は「けっ!なに言うてけつかんねん」だろう。

 速いかどうかで言うと、運転席の視点が比較的高く(スカットルも高いので、低く座らせたら前が見えない)静粛性も高いので体感に直結しづらいのだが、かなり短時間で取り締まり当局からお叱りを受ける速度に、少しの不安もなくあっさり達する。ただ、それが楽しいか、とか痛快か、とか気持ちいいか、となると……やっぱり『普通の車』なのだ。ああ、いや、つまりそれは「よくできている」ということなのだけれど。

 総じて「うん、まぁこれならいいんじゃない?」と思える車ではあった(自分で所有する気になれたかどうかは別論)のだが、運転席から右斜め後の振り返り視界が現行型ロードスターで幌を立てたときと同じくらい絶望的なことと、ルーム・ミラーの視界が(リアの窓の構成があんなだから当然なんだけど)とても悪いことはマイナスだ。

 あと個人的に、添付写真にもあるこのメーター。勘弁してくれ。色が煩いし目盛りも煩い。デジタルの数字表示は指針式と違って「数字を読む」必要があるのに口径の小さい筒の奥まったところに表示されるのでこちらも見づらい。新味を出したかったのか知れないが、僕は好かん。

 ともあれ短時間の試乗を終えて真っ先に思ったのは「CR-Zでこういう『改善』をしてきたんなら、もっとマーケットの需要が多いインサイトを仕様変更して、この運転感覚に近づけるのがメーカーとしては筋だろうなぁ」と言うことだった。
 ただ、そうして筋を通したことが一部マスコミに『発覚』した場合、またしても「ユーザーに黙って変更」だとか「監督官庁に届け出ずに」だとか「苦情を言ってきた客にだけ改善措置」だとか「隠蔽体質か」だのと槍玉に挙げられてしまうのかもしれないけど。
Posted at 2010/03/03 19:44:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2010年02月26日 イイね!

「かっこ悪くなったら、やめるからね」ですか……

「かっこ悪くなったら、やめるからね」ですか……きのう国内で正式発表され、きょう発売日を向かえたばかりのホンダのCR-Zを見に青山まで行って来た。表題は、そのCR-Zの公式ウェブで誇らしげに掲げられている、開発者のお言葉だそうである。

 ……という具合に、のっけから斜(はす)に構えた書き方になっているのは、例によって例の如し。なに言うてけつかんねん、と思ったからだ。去年11月の東京モーターショーで見たティザー・モデルや媒体発表された事前公表の写真を見た限りの印象に基づけば「なぁにが“かっこ悪くなったら、やめるからね”じゃ。やめてぇへんやんけ」だ。

 とは言うものの、立体モノというのは現物をじかに見てみると写真の印象とは存外感じが違ったりするものでもある。特に車のように図体の大きいものは尚更だ。んでもって、現物を実際に見てきての感想がどうかといえば「カッコ悪いというほどじゃないかな」くらいまでには印象が上方修正された。

 僕がCR-Zのカタチの何が好かんといえば、一に後半部の造型(特にヒコーキの垂直尾翼みたいな輪郭線を持つリア・ピラー)の単調さ、二に車体側面部分の面の単調さとそれを糊塗するためキャラクター・ラインを入れる姑息さ、そういったものが醸し出す安手の玩具のようなチャチっぽさあたりだ。

 かねてから僕は、近年のホンダの車の造型を見るにつけ「デザイナーはプレス5回の絞込みで完成形になるよう意図したのに、コスト面からの判断で『3回プレスすれば大体同じような形になるだろ』的な製品で事足れりとしている」という印象を持っている。
 今回のCR-Zに関しても同じだ。似たようなシルエット(と名前)を持つ往年のバラード・スポーツCR-XやCRXに比べても、どうも熟成不足というか煮詰めが足りないというか、きちんと完成形として推敲されきっていないというか……もしくは加えるべき細工の手数が減らされている、そんな風に感じてしまう。

 ま、そんなことも思ってはいたのだけれど、それはそれとして。せっかく展示車があるので中に乗ってみたりもした。運転席の雰囲気は悪くない。チョイとばかり未来っぽい感じを出しているのに、某プリウスのように無闇に現実離れした演出を施さないあたり、むしろ好感した。メーターはすごいことになってたけど。

 しかし何より感心した……というのか、半ば呆気にとられたのが6速手動変速機つきのモデルをラインナップしていることだ。いまどきのエコ・カーなのに。



 レバーのトラベル量も決して過大ではなく動作もブラブラだらしないことにはなっておらず、なるほどスポーツ・イメージにたがわぬ感触なのだが、ひとつどうにもいただけなかったのは4速の位置から5速にレバーを動かそうとすると、3速にダウン・シフトしてしまうのか意図どおり5速にアップできるのか非常に分りづらいことだ。
 運転席側にレバーを引き寄せることを意識して操作すると、今度は一番右の位置――つまり後退ギアに入れる位置――まで何の抵抗もなく倒れてしまう。 「マニュアル6速ミッション」というカタログ・アピールだけが目当てだというなら別だが、これはお話にならない。

 日本国内向けのモデルは2+2のシート構成で、後部に小ぶりな乗員用の椅子が用意されている。+2に過ぎないので大の大人が着席することには元々無理があるのだけれど、試してみたところ本当にムリだった。
 下半身は、運転席や助手席に膝が当たって苦しいにしても、普通に収まった。どう足掻いてもムリなのは上半身。身長176センチ少々の僕が座ると、肩より上が天井に支えてしまう。首を前に折り曲げて屈葬された死体みたいなポーズをとると、今度は首から先を運転席の背もたれより前に突き出さざるを得なくなる。昔のユーノス・プレッソは辛うじて乗れたのになぁ、なんて埒もないことを思い出した。

 そんなこんなで思ったのだが、パッケージングから見た場合、CR-Zこそが初代インサイトの正統後継なんじゃなかろうか。



 実はホンダは「インサイト」の名前をコイツに与えたかったんだけれども、商売上の理由から――よりマーケットの大きい、普通に4人+1人が乗車できるモデルを安定的に販売した上で余技として出すのでなければ、2+2だけじゃ食っていけない――先に出したあっちにインサイトを襲名させたんじゃないか……なんて。

 カタチについては言いたいこと言わせて貰ったが、これでも結構、試乗してみたいなと思っていたりする。まあその、インサイトは乗ってみた結果、チョット辛抱たまんないわ~って感じになってしまったのだけれども。

 フォトギャラリーにも少々関連写真を。
Posted at 2010/02/26 19:49:39 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2009年07月16日 イイね!

レクサスのハイブリッド専用車を見てきた

レクサスのハイブリッド専用車を見てきた何となく“突然発売された”感じのあるレクサスのハイブリッド専用車、HSを見てきた。3代目プリウスのドンガラを着せ替えた姉妹車なんだろうけど、一目見て「不っ細工やなぁ」と思った。

 ウエスト・ラインから下の厚ぼったさに比べて前後の寸が足りてないこと、グリーン・ハウスが相対的に随分と前寄りに見えることが主要因だと思うが、それでも僕の乗ってるユーノス500よりも15センチ半も長く、全長は4700ミリに及ぶ。フォトギャラリーに真横あたりから撮った写真も掲載したけども……コレはないわ。ただ塗装だとかの「仕上げ」は素晴らしい。見た感じのプロポーションは“不出来なコロナ”って雰囲気だけれども、スキン・ケアにかけた執念は恐るべきものがある。



 一方で内装は実に「レクサス」だ。豪勢極まりない。そのくせ、見てくれ一辺倒に終わらないそつのなさがトヨタのトヨタたる所以だろう。後席の膝周りの空間確保のために前側座席の背面を“猪口才”な形状に整形してあったり、頭上の空間確保に怠りがなかったり、全く可愛げがない。

 ところで、運転席に座ってみて真っ先に感じたのは「これ、もう自動車とちゃうわ」だった。そういう印象を真っ先に抱かせる原因になったのが、シフト・レバー(手動変速車)やセレクタ・レバー(自動変速車)など「クルマに乗った人間が運転操作を実行するため」のものを置く“一等地”に「運転操作と直接関係ない」ナビを操作するためのトラック・ボールやエンター・キーを設置したこと。

 確かに操作性は優れているんだけども自動車を「運転する」という行為における優先度で言えば、カーナビを含む情報エンターテインメント機器の操作は、相当優先順位は低い筈だ。
 そりゃね、電気スイッチで「前進しろ、後退しろ、減速優先で走行しろ」とコマンドを出せば事足りる3代目プリウスの制御系なら、インパネ中央に大仰な変速関係レバーにでかいツラさせておく謂れはないのだけれども……道路を走る車という輸送機械の“運転席”の景色としてコレはちょっとなぁ。

 実際に試走したわけでもなんでもないので言い過ぎなのかもしれないけれど、運転席に座った感覚は「これから車を運転するぞ」という意識ではなくて、それこそリビング・ルームで心地のいい椅子に座って寛ぎながらバーチャルなモニターに情報をさまざま表示してのんびりする……そんな感じだった。

 運転席に座った人間の意識が「さあ、クルマを走らせるぞ」という緊張感にさらされないとすると、僕はそれは危険なことだと思うのだ。何でもかんでも「快適」で「安楽」にすればいいってものじゃない、と僕ぁ思うなぁ。
Posted at 2009/07/17 12:23:38 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2009年06月20日 イイね!

ハイブリッド車をハシゴ試乗:その2「トヨタのプリウス3」

ハイブリッド車をハシゴ試乗:その2「トヨタのプリウス3」2代目ホンダ・インサイトに試乗したついでに、3代目トヨタ・プリウスにも試乗してきた。
そもそも僕には、プリウスに対する先入観がある。以前Yukizoさんに聞かされた「2代目プリウスに乗る友人の話」で生じた先入観だ。「生意気なぐらい速い」「スポーツ・カーみたい」「とんでもない加速をする」などなど。正直、最初のプリウスにロクな印象がなかったため、2代目プリウスは一度も運転したことがないままにモデル・ライフが終わってしまっていた。「2代目がそんなにスゴかったんなら3代目はどーなのよ?」という思いもあって、今度は出遅れないようにさっさと試乗してしまおうという思惑もチラッとあったりした。

 前置きはともかくとして3代目を襲名したトヨタのハイブリッド専用車、プリウスである。確か昨日の新聞記事では、発売開始からの1ヶ月間での受注が、想定販売台数の1年半分に相当する18万台になったと報じられていた気がする。割高だとか生産から廃棄までトータルで見れば必ずしもエコじゃないだとか色々ネガティブな話も聞こえてはくるが、車としてはドーなのよ、と試しに乗ってみることにしたわけだ。

 どうしても直前に乗ったインサイト2と比較してしまうのだけれど、プリウス3はあちらと違って「安いんだし、まぁこんなもんか」ということがない。フル・スペック・ハイブリッド、なんでも取り揃えてございます、満艦飾デコレーション。さすが大店(おおだな)の商売だけあって、実に可愛げがない。

 エクステリアの雰囲気は、基本的に先代のプリウス2を踏襲しているので割愛するとして、展示車両を眺めていて「ありゃりゃ」と思ったのが添付写真のインテリア。僕は2代目は、タクシーの客として1度乗ったきりなのだけれども、2代目の近未来SFっぽい(いささか子供じみた)運転席周りが、3代目では随分と常識的な方向に回帰してきている。僕はあのSFの宇宙船っぽい雰囲気が嫌いじゃなかったので、少しばかり期待を裏切られた感じがした。まぁでも、あれは遍く普及させる車でやる演出じゃあないよな……。
 それはともかく、内装のプラスチックの部材には金属表面を切削加工したときにできるヘア・ラインのような紋様がモールドされていたりと、ゼニをつぎ込んだ「立派に見せる演出」がそこかしこに施されている。これが大店の余裕というものか。

 さて実際に走らせて見てどうだったか、なのだが。
まず、始動の段階からして「車って言うより家電製品?パソコン?」という感じ。リモコン式のキーは、車内に置いておくだけでOKで、そこでインパネ上のスタート・ボタンを押すとプリウス3は『作動状態』に移行する。普通、自動車というもんはスタート・スイッチをONにするとエンジンがかかるのだけれども、こいつは違う。停止からのゼロ発進のように効率最悪の帯域ではガソリン・エンジンを使わせない制御をしているので、電源が入っても車内はシーンと静まり返ったままだ。ちょっと怖い。

 メーター・パネルだけが「いつでも走り出せます、ご主人様」と言った風情で点灯しているプリウスの、なんとも奇妙なレバーを運転席側に倒して手前「D」に引くと、車は「前に進め」の状態になる。逆に奥の「R」に押すと「後退せよ」になるようだ。ちなみに運転席側に倒さず真直ぐ後ろにレバーを引く「B」は、ブレーキ・モードとのこと。エンジン・ブレーキと回生ブレーキをより積極的に活用して速度を落とす仕掛けなのだとか。

 で、まぁ「D」を車に命じて(という気分になってくる)敷地から車道に出るのだが、基本的に内燃機関の車にしか乗ってない僕には、静かな電気モーターだけで車が動く状況というのが、かなりおっかない。と言うのも、エンストしてハンドルやブレーキのサーボがなくなった車が、それなりのスピードで動いている状況に感じられてしまうからだ。ブレーキとハンドルがどちらも効かないのは、それはそれは恐ろしいのである。
 運転している「ご主人様」はこんな具合で恐る恐るだと言うのに、この“クルマの形をしたロボット”3代目プリウスは実に静々粛々と、淡々と走る。プリウスは初代しか知らない僕にとっては「げ。プリウスのクセに普通の車になってやがる」という感じだ。初代で逐一イヤだった「普通の自動車と違う」クセの部分が、まるっきり姿を消している。本当に可愛げがない。

 それでも、少し乗っただけでクルマの雰囲気に大概慣れてしまったのは、これがトヨタの製品だからだろうか。「人に優しい」というか「万人受けする」というか、ともかく実に敷居が低い。これが「売れる商品作り」と言うものなんだなぁと密かに感心してしまったが、そんなことはともかく。程よく慣れてきたところで、助手席の販売員氏のセールス・トークに乗せられて、完全な電気自動車モードになる「EV」ボタンを始め、色々な機能を試してみた。
 内燃機関に染まりきった僕にEVモードは単なる違和感を超えて不気味ですらあったが、それにしてもこの車、実にそつがない。同じように空気抵抗を意識して車体が後方に向けてやや絞り込まれた形状を持つインサイト2が、そのため後部座席の頭上空間に顕著な不足があるのに対し、プリウス3にはそういう不手際がない。まぁ、2代目はタクシーにも採用されていたくらいだから当然と言えばその通りなんだけど、やっぱりトヨタ車ってスゲェなぁ。
 というか、インサイトとプリウスを続けて乗り比べちゃったら、全っっ然勝負になんない。「格が違う」としか言いようがない。敢えて例えれば、カローラ・バン(商用)とコロナくらいの違いがある感じだ。正札を見ると価格差はあるが、装備の内容まで含めて対比したら、それだって限りなくゼロに近い。

 それはともかく、僕が密かに期待していたプリウスの「速さ」なんだけど、これは残念ながら「常識的」な範囲のものだった。いや、初代とは違って確かにストレスなく加速して、そのうえ静かなもんで全然実感の伴わないまま制限速度をアッサリ超えちゃったかどうかは明言しないけど、まぁそんな按配なんだけど、少なくともYukizoさんに聞かされたような「生意気なくらい速い」と言うことはなかった。
 あとで販売員の青年にそのあたりの話を聞くと、先代プリウスは最大トルクが49kgf・cm以上あったのだと言う。なんだその大排気量車並みの数値は。そりゃとんでもない加速もするわ。でもって3代目ではその半分くらい、代わりに出力特性をより馬力側に振って、加速よりも最高速度を重視するセッティングに変更した由。
 なんでも輸出先の欧米で、先代は設計最高時速が170Km/hのためやや市場から不満の声が上がり、今回は180まで出るようにしたのだと言う。うーん、意外に最高速が伸びない車だったんだな。

 試乗のあと、ディーラーの店内で営業の青年からプリウス3についてあれこれ話を聞いた。最初のほうにも書いたとおり、もの凄く受注好調なのはいいのだけれど、喜んでばかりもいられないのだそうだ。それというのも、まずは生産が全然追いついていないこと。
 プリウスを製造できる拠点は、日本国内の2ヵ所だけで海外生産は皆無。そこで確か月産6千台だかを作っているのだけれども、うち3分の2は輸出仕様。まもなく北米での販売が始まるので、今は工場をフル稼働させて、北米販売のための在庫をせっせと蓄えているのではないか、との話だった。
 北米で期待ほど売れなければ、国内に振り向けられる台数が増えるかもしれないけれども、現状では今すぐ注文してもらっても納車は来年2月になる……従って利益計上も今上期ではなく下期になってしまう、のだそうだ。しかも台数ベースで見た場合、プリウスは彼の販売会社が売る車の実に65%を占めていて、残り20車種あわせても全体の35%にしかならない(!)という、なんともいびつな構成比になってしまっているのだそうだ。

 そしてなお悪いことに、以前マツダの偉い人が「プリウスやインサイトのような戦略的価格設定をしたら、マツダの経営体力ではもちません」と話していたのを裏付けるのだが、やはりプリウスは大変に利幅の薄い商品なのだそうだ。定価で販売しても、他のモデルで30~40万値引きしたのと同じくらいの利益しか出ないと言うのである。フツーだったら、扱いたくない商品ナンバー・ワンにランク付けられそうだが、その“厄介者”が販売台数全体の65%を占めるとなれば「わずか1ヶ月で18万台受注!」などという華々しい新聞見出しとは裏腹に、ハイブリッド車ビジネスが既にチキン・レースの様相を呈していることを窺わせる。マツダは本気でそんな市場に参入する気かね……。

 内燃機関を積んだ車とはかなり異質な、なんだかロボットっぽい車も面白かったが、それ以上に興味深い話を聞かせてもらって販社を後にした。慣れ親しんだ自分の車が発する、かなり自己主張の強い排気音を聞きながら、つい「やっぱりコレが自動車だよなぁ、クルマはこうでなくっちゃなぁ」と呟いてしまった。
Posted at 2009/06/21 06:41:29 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記

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何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
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