惰眠のブログ一覧

楽しかった2日間が終わり、名残は尽きぬものの別れの時は仮借なく訪れる。もう少しゆっくりしたかったのだが、日曜の夕方、各高速道路の上りはウンザリするような長距離渋滞に陥る。深夜の帰宅になることをいとわなければ、もう少しのんびりして、さらに渋滞の末尾を追いかけるように休憩を取りつつ帰途につく手だってある。しかし、それをやると月曜日の勤務が辛い。そう思って今回は、まだ日の高い午後2時に現地をあとにした。

　途中まではいたって順調、スイスイ流れて夕方には自宅に着けるな、などと皮算用していたのだが、どっこい問屋がそうは卸さぬ。大月JCTの先で事故、渋滞を抜けるのに約1時間というラジオ情報を聞き、とりあえず手前のPAまで行く。すると今度は、その渋滞の中で3重衝突と衝突事故と自損事故が起きているというではないか。

…カンベンしてくれよ。
車内で一人ごち、ともかく初狩PAに車を入れて、せめて事故処理が終わるくらいまではと思い小1時間の仮眠を取る。目が醒めて、己の行動の無意味さを思い知った。帰宅ラッシュが始まってしまったのだ。事故渋滞が解消しないうちに交通集中による渋滞が重なり、もうにっちもさっちも行かない。
17時過ぎ、覚悟を決めて初狩PAを出発した。ラジオからの情報も、電光掲示（写真）も、人の気持ちを暗くする情報しか伝えてくれない。

　R20も渋滞しているに違いないと判断し、ともかく相模湖ICまで我慢して高速を下りた。南下して厚木方面に向かう途中、ダットサン・フェアレディZ（いわゆるS30型）が3台連なって走っているのとすれ違った。山道を走り下りたのは楽しかったが、結局R246も各所で渋滞、帰宅は21時を回ってしまった。あすまた仕事があるかと思うと、少し憂鬱だ。

帰宅して車から降りる時ふとオドメーターを見ると、ついに8万キロを超えていた。今回のミーティング参加者には、17万キロという最長不倒距離を誇る方もいるので、まだ倍以上は走れるのかも知れない。

天気さえよければ、こっちのものである。
チェックアウトした後、観光拠点に集まり直して車を停め、三々五々、写真をとったり（写真）、エンジンルームを見せっこしたり、別のオーナーの車を運転させてもらったりしていると、誰かしらが「なんだか自動車のクラブみたいだな～」と呟く。
　普段が普段なものでついつい忘れてしまうのだが、もともと僕らが互いに知り合い友誼を結ぶきっかけとなったこのクラブは、自動車のオーナーズクラブなのだった。ことし春のミーティング（自費出版本の発表会と兼ねる）に祝電を下さった、マツダデザイン本部長（当時）福田成徳さんのコメントを思い出す。
やや長いが、引用する。

「ユーノス500では、長く付き合える『友だち車』のセダンを目指した。ロードスターで『友だち車』の世界を知ったユーザーが乗換えで買うのは普通のセダンでも、単にハイパワーなだけの車でもないだろうと考えて作ったのがユーノス500だ。
　私と林（主査・当時）はプライベートでも仲間だったので、俣野（チーフデザイン部長・当時）らの仲間と日頃から車のあり方に就いて議論してきた。その中で、車には二つの種類があると考えるようになった。
　それは、『友だち車』と『足グルマ』だ。『友だち車』はオーナーとツーカーに応答する、オーナーの分身に進化する。しかし『足グルマ』はどんなに良くなっても道具として以上には進化しない。そう言う考えを元にデザインした。
　もしユーザーに『マツダ車は違う』と言ってもらえるとすれば、それは『友だち車』として作ったことが伝わっているからではないかと思う。」

　こうした「読み」の通りにユーノス500を所有するようになり、そして未だに所有している我々は、クルマの好みという部分以外にも何かしらの共通点や共感し合えるものを互いに持っているのかもしれない。
「なかなか買い換えないユーザー」を生んでしまったことは、マツダにとっては痛し痒しかも知れないけれども、ユーザーである僕は、素直にマツダ（当時）に感謝したいと思う。

昨年のミーティングは冷凍庫の中に閉じ込められたような寒さで、夜が明けて車を見るとボディ全体をびっしり氷の粒が覆っていたのだが、今年は幸いにして、夕べの雪が名残惜しげに残っているだけだった（写真）。
　万が一路面凍結が起きて、食事に出られないリスクも勘案して昨晩のうちに一同、朝食は確保していたのでチェックアウトの慌ただしさもなく、割とのんびり朝を過ごすことができた。
　地元幹事を引き受けてくださっている友人によると、今年は冬の到来が概ねひと月早いとのこと。雪が舞うようになるのは、例年なら12月に入ってからのことだそうだ。
　この異常気象、定刻に現われないことで知られる東関東の某氏が時間どおりに集合したこととは、多分無関係だろう。珍しいことがあったとき「雪でも降るんじゃないか？」と言うのだとしても。