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2006年03月15日 イイね!

耳を疑う地裁決定

耳を疑う地裁決定できることなら、ここでは車の話ばかりをしていたいのだけれども「書くことで発散する」タイプの僕としては、こういうニュースに接してしまうと黙ってられない。

 朝日新聞の見出しを拝借すると「取材源の秘匿、一部認めず 読売記者尋問巡り東京地裁」ってニュースだ。
 梗概を記しておくと、この裁判は読売新聞が掲載した、米国企業の日本法人による所得隠しの記事に関するもの。
 当該米国企業が「米政府が日本の国税当局に開示した情報が読売記者に漏洩したせいで記事になり、当社は損害をこうむった。米国政府は弁償しろ」という実にアメリカ的な話で、東京地裁は米国裁判所からのリクエストを受けて嘱託尋問をしている中での決定だ。

 で、東京地裁の藤下健裁判官の下した決定のナニがスゲェって平たく言うと「公務員には守秘義務がある。そういう情報は、一般市民には知る権利がない。知る権利がない情報を手に入れることは許されないので、取材は正当ではない。よって取材源の秘匿は認めない」。
 いやもう、耳を疑うというか、正気を疑うというか、この国は何時からキタチョーセンになっちまったんだというか……。地裁決定の「結論」は脇に置くとしても、「理由」が無茶苦茶だ。最高裁判例からも著しく逸脱している。判例はいずれ改められる可能性のあるものだとしても、これはヒドすぎる。

 大津事件を思い出した。19世紀の終わり、滋賀県警巡査の津田三蔵が訪日中のロシア皇太子暗殺を謀り、国際問題になった事件だ。
 大国ロシアの怒りを恐れた明治政府当局が、法の則を超えて津田に死刑判決を下すよう裁判所と裁判官に多種多様の圧力をかけたということで司法の歴史にも朱書されるべき大事件である。

 今回の嘱託尋問は、アメリカの連邦最高裁から依頼のあった事案だという。合衆国の司法の最高権威から「コレコレの点、事実確認ヨロシクね!被告は合衆国政府なんで、重々頼むわ」とお願いされちゃったので「いやぁ、お宅さんも分かってますやろけど、それはできまへんねん」とは返答できなかったという感じだろうか。

 公務員の守秘義務によって「国民一般には知る権利がない」情報には、例えば再度問題になっている沖縄返還時の日米密約を巡る問題のように、万難を排してでも世に伝え問わねばならない事柄だってある。
 藤下健裁判官が論拠とする「一般論」を是とするならば、この国は法の建前を盾に取った官僚の専横を、社会が追及し指弾してはイケナイということになる。

 中古家電の売買規制でも思ったことなのだけれども、公的執行機関(司法・行政を問わず)が主体となるような案件であっても、一定の制限条項を付した上で、過誤となる意思決定を行った「個人」に責めを負わせるように改めないとダメなんじゃないかという気がする。
 つまり、例えば中古家電の法改正で言えば、これで古物販売商は少なからぬ損失を蒙るし、一般消費者も無意味に機会損失を受けるわけである。
 現在の法体系では、こういうケースで損賠が提起された場合、被告は国となる。原告が勝訴すれば賠償金は国庫から拠出されるだけで「誤った行政執行」の意思決定を行った当事者個人は、組織内での処分は受けるかもしれないが、法的に(或いは財産上の)責めを負わないでいい。ペロンと舌を出して「オジサン、しくじっちゃったヨ」と嘯いてても一向に構わない仕組みだ。

 本来は、そうでなければ円滑な行政執行はできない。国なり地方自治体なりが持つ影響力に見合った責任を、一個人が負わされるなどということになったら、とてもじゃないが決断なんかできない。
 そうなんだけれども、有限責任で構わないから「個人」の責も問わなければ、組織の威を借りての暴走は、停めることができないんじゃないかという気がしてならないのだ。
Posted at 2006/03/15 14:20:16 | コメント(2) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2006年03月15日 イイね!

切り崩しは簡単じゃない

切り崩しは簡単じゃないもう少しすると2005年度が終わる。
日本の自動車を巡るニュースの中で、レクサス店の登場は一つの画期だったと思う。

 十数年前に、身の程を知らぬマツダが挑んで案の定コケたプレミアム・ブランド専売のディーラーを、手堅い三河商人が乗り出し、少なくともブランドの認知だけはしっかり成し遂げたのだ。
 「ユーノス」が、多くの人の認識において「ロードスター」とイコールであるのに比べると「レクサス」は圧倒的に成功している。

 ただニュースによると出足こそ絶好調だったレクサスも、12月度に対前月割れをして以降ふるわず、当初の目標販売台数比では約半分にとどまりそうとの見通しが随分前に出されていた。当初目標の2万台に対し、1万3千くらいで締まることになりそうだとの話だ。

 堅実なトヨタにしては、随分と予測・実績の乖離が大きいと日経なんかも書いているが、これを単純に「苦戦」だとか「不振」だとか言うのは、僕は違うと思う。
 と言うのも、いわゆるプレミアム車のマーケットでは、レクサスはシェア3割に達しているからだ。
 つまり、言い方としては「メルセデス・ベンツとBMWから客を奪うことができなかった」ので「顧客の取り込みができると目論んではじき出した目標台数の、35%分が未達になった」としたほうが多分妥当なのだろうと、僕は考えている。

 これは、昨年末にレクサス目黒で気さくな販売員のお兄ちゃんから聞いた「近接するボルボやプジョーのショウ・ルームでキャンペーンがあると当店の来客数も跳ね上がるが、メルセデスがやっても客足は伸びない。BMWやメルセデスをお求めになるお客様は、最初からそれと決めていらっしゃることが殆んどなので、中々振り向いていただけない」との話から受けた印象によるところが大きい。

 同じような話はマツダのディーラでも聞いたことがある。
「クラウンにお乗りのお客様は、ルーチェ(センティア)が新型に切り替わると一応来店はされるけども、商談しに来るのではなくて『クラウンのほうがずっといい』ことを再確認しに来るだけで中々取り込めない」と。

 06年度はセルシオがレクサスLSに生まれ変わる。ブランドの頂点に立つ、最大の目玉モデルだ。お値段も半端なくレベル・アップすると聞き及んでいるけども、固定客は掴んでいる。
 堅実なトヨタのこと、05年の反省を生かして、どんな販売戦略を仕掛けてくるものやら、僕の嗜好からは外れるカテゴリーの車だけども、ビジネスという観点からは興味津々でいる。
Posted at 2006/03/15 12:39:58 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記

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何シテル?   07/24 21:51
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