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2007年12月08日 イイね!

ファセルが見られると知って衝動的に愛知まで

ファセルが見られると知って衝動的に愛知まで8日の土曜日は、ちょこめいももさんのご発案で、もつ鍋を囲んで忘年会が行われた。忘年会は夜やるものと大体相場が決まってるわけで、集合は都内の某駅に19時。さて日中はどう過ごすかなと考えていた金曜日の午後、ふと思い出したのが同じ8日から来年の3月まで期間限定で行われる、トヨタ博物館(愛知県)の企画展のことだ。

 同博物館としては本邦初公開となる6台と、昔ちょびっとだけ公開した1台の計7台を仰々しく勿体つけて展示するとのこと。正常な精神状態だったなら「なんだかんだ言っても名古屋は決して近くないし、3月までやってるんだから、そのうち機会もあるだろう、そん時にでも行けばいいや」となるのだが、今回に限っては何の弾みか「よし、行こう」と即断即決状態になってしまった。どうしちゃったんだ、俺。

 乗り換え案内系のサイトで向こうを出発するデッドラインを確認し、そこから逆算して日程を組む。こうやってフラリと思い立って出かけるときに、こんな具合にスケジュール管理をしたことがなかったので、いま乗っている電車の到着時間や乗り換え電車の時間、目的地への着時刻などの「未来」が予め分かっているのは、ちょっと奇妙な――まるで攻略本片手にプレイステーションのRPGをやっているような、規定の手順を淡々となぞっているような――感じがした。
 それはそれで新鮮な感覚ではあったし、先々の時間が読める(正確な時刻で運行される日本の鉄道事業、万歳)のも便利なんだけど、なんか、こう、微妙に、リアル(現実)の世界を無理矢理ヴァーチャル(仮想)化して、その枠組みに合わせさせられてるような違和感が始終付きまとっていた。

 ところで、先々週ユーノス500の仲間内で集まったときに地元の感じの皆さんが口々に「リニモは遅くてイライラする」と言っていたのが不思議だったのだが、今回始発駅から乗って、それがよく分かった。



 確かに、トヨタ博物館がある芸大通駅と杁ケ池(いりがいけ)公園駅の区間は、立って乗っている乗客にはフレンドリーでない加減速をするのだけれども、地下鉄との乗換駅である藤ヶ丘から杁ケ池公園までの区間は、通勤ラッシュ時間帯の西武池袋新宿線もかくやという徐行状態で、これはイライラするなと言うほうが無理だ。ただ、そこが地下から地上に出て、高架に上がる区間だということと、藤ヶ丘に向かっているときにはスピードが乗っていたことから考えると、もしかしたらリニアモーターカーは、上り坂に弱いのかもしれない。

 さて、そんなこんなで1時半ごろトヨタ博物館に到着し、先々週来たばかりの館内を改めて見物して回る。あの時、歌謡曲に登場した乗用車を展示していた一角が入れ替えになっていて、7台の特別(?)展示車が置かれていた。
 コーナーの入り口すぐにはビュイックのF型、これからレストア(修復)が行われるであろうスクラップ同然のフランクリンとその空冷エンジン、ダンボール・モノコックMDFというパルプ繊維を圧縮したパネル(※註)を車体外板に使ったトラバント、国際ラリーで活躍したサーブ96の直系の先祖に当たる92、ブルーバードSSSのクーペ……フンフンと眺めながら、一番のお目当てのファセル=ヴェガ・ファセリアに近づいていく。(フォトギャラリー参照)

 ファセルは、1950年代の終わり頃から60年代の半ばまで高級車を作っていたフランスのメーカーだ。元々は一種のコーチ・ビルダーだったがクライスラーから調達したエンジンを搭載した高級高性能車の製造にも乗り出している。文豪カミュが自動車事故で死んだときに乗っていたのが、このファセルの車だった。
 ところで、展示されていた「ファセリア」は、実は営業不振に陥っていたファセル社に止めを刺した問題児なのが、ちょっと皮肉だ。このモデルから採用した自社開発のエンジンがすこぶるダメで客離れにつながり、もう一度クライスラー製のエンジンに戻したけれども失った信用は取り戻せず、そのまま自動車製造からは撤退せざるを得なくなった由。

 しかしナカミがどうであれ、カタチだけ見ている分には、こいつは中々素敵だ。カロッツェリア・トゥーリングのボディを載せた曲面基調のアルファ・ロメオ1900SSと表現の技法は違うけれど向いているベクトルは同じと言うか、昔の映画なんかでお金持ちのヒロインが南仏あたりの別荘地を白いサマードレスを身にまとって運転していたら、それはそれは絵になりそうな雰囲気がよく似ていると思う。でもって、僕は結構そういう車が好きなのだ。
 いいなー、いいなーと思いつつシャッターを切っていたら、このクルマだけで100枚近く撮影していた。銀塩カメラじゃ、こんな野放図な撮影は有り得ない。デジカメ万々歳である。(ついでに言うと100枚のうちには結構撮り損じもあった。それをあまり気にしなくていいのもデジカメの美点)

 2時間半ばかりを博物館で過ごし、忘年会のためにとんぼ返りで東京に戻る。集合場所で「今日は名古屋から来ました~」と経緯を話すと呆れられてしまったが、そりゃ呆れる。自分でも馬鹿だなあと思うもの。
 ただまあ、いつかそのうちに行こうと思っていると、結局その「いつか」は会期が終わるまで来なかったりすることもあるわけで、思い立ったが吉日とも言うし、たまにはこういう勢い任せの日があっても悪くない。

 晩は、予定通りの忘年会。しばらく会っていなかった懐かしい人、この前の豊田ミーティングでもご一緒した人、お初にお目にかかる人、しょっちゅう会っている人などなど、もつ鍋を突きつつ大いに楽しく過ごした。
 ただ残念なことに、発案者のちょこめいももさん(の旦那さんのほう)が体調を崩されたとのことで、参加できなくなってしまった。ここは一つ年明けにでも改めて、快気祝いを兼ねつつの新年会をやらねばと、衆議一致したのだった。



※註:パラパラとトラビ関係の記事をネットで調べているうち、ベルリンで実際にトラビを解体・加工した人物(文化庁の推薦で留学している新進の芸術家さん)のブログに行き当たりました。
そこに『車体は圧縮した紙(MDF)でできてる。強化プラスチック(FRP)でできてると、なんかのサイトに出てたけど、実際見てみると、これはまさしくMDFです。FRP工を何年もやってたオレが言ってるんだから間違いない。』と記されているので、それが正解なのでしょう。
或いは、年式によっては植物繊維FRPだった時期もあるのかもしれませんが。)
Posted at 2007/12/10 12:47:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車関係のイベント | 日記

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