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惰眠のブログ一覧

2006年01月24日 イイね!

牛の首

牛の首須田剋太という画家がいる。15年ほど前に亡くなっているから「いた」とするべきかもしれないが、週刊誌に連載されていた司馬遼太郎の『街道を行く』に挿絵をつけていたので、名前はともかくとして多くの人が彼の絵を目にしているはずだ。

 その須田画伯が神戸に住んでいた頃…というと晩年近くになるのだが…どうしても牛の頭蓋骨の絵が描きたくなった。そこで画伯は、近くの食肉解体業者(だった筈)の門を叩き、牛の頭部を丸ごとひとつ譲り受けてきた。
 もちろんそのままでは、牛の生首の絵は描けても頭蓋骨の絵は描けない。そこで画伯は煮たり土に埋めたり晒し首にして肉の部分を腐り落としてしまおうと考えた。
 しかし肉というものは、腐敗すると猛烈な悪臭を放つ。近郷近在から激烈な苦情が寄せられたと、生前の画伯は笑いながら語ったと言う話を、父から聞かされたことがある。

 筒井康隆という小説家がいる。彼のエッセイにも、牛の首の話が出てくる。ただしこちらは怪談のほう。同じSF小説家の小松左京の著した短編をネタに「『牛の首』と言う恐ろしい怪談がある。どれほど恐ろしいかと言うと、その話を聞いたものは恐怖のあまり気を失い、数日寝込んだ後に衰弱して死んでしまうほどだ」云々と書いている。

 まあ、これらはそれぞれ一種の笑い話ではあるのだけれども、先日報じられた米国産牛肉の話は流石に笑っている場合じゃない。嗤い話、と言う表記ならば当たらなくもないけれども。

 政府が米国産牛肉の輸入再開を決めたとき、僕は正直言って憤慨した。なにせ、アメリカ国内の専門家ですら「制度は作っても適正な運用が為されていない」と、危険部位の除去が事実上徹底されないことを認めていたのだ。
 それにもかかわらず、またぞろイラク戦争に追従したときのような上っ面の米政府の要求を鵜呑みにするような形で、あちらサンの要求を受け入れるなんてナニシテヤガンダ…と言うわけだ。

 しかし今回の極めて迅速な再禁輸措置を見て、僕は考えを改めた。これは古来日本に伝わるところの「肉を切らせて骨を断つ」ではないか。
 本邦の霞ヶ関官僚は世界屈指の有能さで知られる。その彼らのことだ、米国産牛肉がこれっぽっちも安全じゃないことなど先刻承知だったのだろう。言って見れば、車に強力なブレーキを装着したまではいいが、ドライバーがブレーキ操作の仕方をろくに知らない、あるいは端からブレーキを踏む気などないようなやつが運転していると。

 それでも外交上の力関係から、ブレーキをつけたと向こうが主張する以上は何時までも輸入Noと突っぱね続けるわけには行かない。
 となれば「奴らが近々に大ポカをするのは間違いないのだから、その敵失を待って切り返せば、どんなに奴らが厚かましくても、流石にぐうの音も出るまいよ」と。やるじゃないか、農水省。柔よく剛を制す、だ。

 ま、ホントにそうかどうかは知らないけども、人ン家の食卓にまで手を突っ込んで引っ掻き回すような奴らに一泡吹かせる結果になったのは、なかなか痛快だった。僕個人に関する限り、それほど牛肉を食べてるわけじゃないし。
Posted at 2006/01/24 12:12:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2006年01月24日 イイね!

雪の後はこれが怖い

雪の後はこれが怖い土曜日に降った雪は週明けの月曜日にはほぼ融けて消えていたのだけれども、うちの目の前の道は写真のように凍結した圧雪が微妙に残っている。
 戸建ての家よりもマンションや町工場が目立つ地域のため、率先して道路の雪を何とかしようと言う意識が(僕を含め)薄いことが原因なので人のせいには出来ないが、これが怖い。
 ここに差し掛かる手前100メーターほどのところまでは、もう完全に乾いたアスファルト路面になっているので、そこに済んでいる我々は兎も角として、ここを抜け道に使っているトラックなどは虚を突かれる形になるからだ。まあ、あと2日3日はこのままの状態なのだろう。

 それはそれとして昨日の月曜日は、屋根に10センチほどの雪を乗っけたままで出勤する車が結構いて、ちょっと腹が立った。気温が上がってきた中で、そんな状態の車を運転すれば走行中に雪が振り落とされるのは自明である。
 そうなると、完全な乾燥路面に突如として積雪スポットが出現することになる。事実、恵比寿の手前の高速コーナーの頂点辺りには、それが原因としか考えられない圧雪アイスバーンが出来ていて、トラックなどが急ブレーキ急ハンドルをしていた。危ないことこの上ないのである。

 東京はあまり雪が降らないので、対応に慣れていないドライバーが多いのは当たり前なのだけれども、もうちょっと車を運転する人間としての心構えってモンを考えてもらいたいよなぁと思った。
Posted at 2006/01/24 10:34:05 | コメント(2) | トラックバック(1) | 身の回りの出来事 | 日記
2006年01月23日 イイね!

出た杭が打たれた?冗談!

出た杭が打たれた?冗談!東京地検特捜部が、ライブドアの堀江貴文氏に任意の事情聴取を始めたとNHKが報じていた。民放各社もテロップで速報を入れていたが、貫太郎さんのブログをたどって知った会計士の分析(ホリエモンの錬金術)が正しいとするならば、ことは単に「人気者の起こしたスキャンダル」なんて程度の話では済まない。
 ベンチャーの皮をかぶった、大掛かりな、一種のペテンである(僕がここで「詐欺」と書かないのは、刑法に同じ名詞を用いた犯罪が規定されていて混同しかねないからで、流石に今回事案が刑法で言うところの「詐欺」の構成要件に合致するとは思えないため)。

 先日僕は、本命はライブドア本体の粉飾決算にあったのかと書いたわけだけれども、先の会計士事務所代表の解き明かしたことが事実であるならば、同様の手口で日本の証券市場が食い荒らされ放題になりかねないと言う点で、非常な大問題だ。
 その延長上で、らっきぃさんの記事にコメントした「金融政策的な意図」は、寧ろあって当然だろうと思えてくる。

 実務経験30年とはいえ、在野の会計士が公表されている資料を丹念につき合わせただけで見破ってしまったカラクリを、経済事件を摘発することをお仕事にしている、司直を初めとする当局が、見抜けないはずがないのである。

 ま、なんと言うか。大事件になったもんだねぇと思うし、これだけのことなら報道が大扱いするのもマァ当然ではある。堀江氏個人のバック・グラウンドを追いかけたくなるのも理解できなくはないけれども、放送の公共性がどうだとか大見得を切った皆様方に置かれましては、是非ともゴシップ的な興味に走ることなく、事件の本線の取材・報道にこそ血道を上げていただきたいと切に願う次第で御座ったりする。
Posted at 2006/01/23 17:31:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2006年01月23日 イイね!

それはホントに谷崎だったのか

それはホントに谷崎だったのか受験シーズンである。
この季節になると、19年前に大学の入学試験で読んだ、800字程度の文章読解の出題文を思い出す。問題用紙に印刷された出典も筆者も明かされていないごく短い文章に、僕はひどく興味を掻き立てられた。
 文章の筆者は、しきりと朝顔が如何に美しいものであるかを切々と説いている。ただ、その描写は妙に偏執的かつ妖艶で、いやにべちょっと湿気っぽい独特の雰囲気を持っていた。ひとことで言って、ちょっと普通じゃない感じなのだ。その大学には合格したから結果オーライだが、試験そっちのけだった。

 読んでいるうちに、どうやら谷崎潤一郎の書いた文章らしいとわかってきた。しかし、どうも変だ。朝顔の話をしているのに、陶器の地肌がどうとか釉薬の艶がこうとか情熱的に語っている。朝顔で、陶器だって…?

 受験生の僕は思った。「いや…たしかにあれも朝顔だけどさぁ。これって入試問題だろ。まさか、そっちってことはないよなぁ」と。けれども文章を一通り読み通してから設問を見て、静かな試験会場で吹き出しそうになった。設問には、こうあったのだ。
「本文中で言う『朝顔』とは何のことか」と。
 僕は、どう書けば採点者が誤解しない表現になるか少し思案してから、解答欄に「男性用小便器」と記入した。

 受験シーズンが来るたび、僕は「朝顔の美」に思いを馳せてきた。あの問題の出典は『陰翳礼賛』に違いあるまい、いつか確かめてやらねばなあ、と。
 それでこの週末、19年越しの宿題にケリをつけようと本屋に赴き、『陰翳礼賛』を手に取った。「厠のあれこれ」という、いかにもそれらしい副題をつけた章があることを事前に確認していたからだ。

 さて、これで長年のもやもやにケリがつくと思っていたのだが、ことはそう簡単には運ばなかった。谷崎はもっぱら大きい用事の話しばかりを書いていて、朝顔の話は殆どしていないのである。
 こうなったら仕方がない、次は赤本のバックナンバーでも探して見るしかないだろう。それにしても出題者は、一体どんな顔してこの設問を考えたのだろう。
Posted at 2006/01/23 12:26:18 | コメント(3) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記
2006年01月22日 イイね!

通電はしていたのだが…

通電はしていたのだが…以前、うちの2号機はシガー・ソケットに通電していないのかもしれないと書いたときに、NCLapinさんから「(このモデルは)接触が悪いようなので…」とのアドバイスを戴いた。
 それで、しばらくガチャガチャとやってみたのだけれども矢張り効果がない。こりゃ下手をすると接触不良じゃなくてホントに電気が来てないのかも知れないぞ、と心配になってきた。まあ、車載のパンク修理キットについてる電動ポンプを突っ込んで作動するかどうか確かめてみればよかったのだけども、それは面倒なので今日まで放置していた。

 今日の天気は、昨日の雪が嘘のような綺麗な晴天だった。降りしきる雪の中に放置された赤い後輪駆動車の上にはたっぷり雪が積もっている。気温もそこそこあるようで、表の道からもほぼ完全に雪は消えていた。それならば日がかげって気温が下がる前にと思い、駐車スペースの隅っこにある蛇口にホースを繋いでバシャバシャと水をかけて積もった雪を洗い流す。
 雪の層の下には細かい砂埃の層が出来ていたから、下手に雪かきをするといらぬ傷を作りそうな気がしたので、洗車とまではいかないまでも水で除雪することにしたわけだ。

 そうして走れる状態に戻してから、いつもの久が原のディーラーに出かけると、工場に赤い3rd Generation Limitedが一台入庫していた。何だかちょっと珍しい絵柄に思えたので、僕のクルマを診てもらっているタイミングで写真を撮ってみた。

 で、結論から言うと「通電は、している」。
ではなぜライターが使えないかと言うと、以前「まさかそんなことは」と考えた想像が実は正解で、接点の位置がシガー・ライターを使うのにはよろしくないのだそうだ。
 どこまで喫煙者を虐げれば気が済むのだろう…とは思わないけども、煙草を吸うには色々と余分なコストを強いられる世の中になってきたことは間違いない。んでまあ、その余分なコストを負担することにした。来週末に施工の予定だ。
Posted at 2006/01/22 21:19:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 幌つきの方の赤い車 | 日記

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