カヤバ(KYB)はショックアブソーバーの開発製造の大手です。以前には
工場を訪ねるチャンスもありました。
ショックアブソーバーってクルマでは四隅にあるサスペンションを支えるスプリングに帯同して、スプリングの撓みを制御する”筒”っぽいパーツとして知られていますね。
もう少し知っているかただと、スチール製の筒のなかに油が入っていて、それを水鉄砲みたいにピストンが押したり引いたりして油の粘性を使ってピストン軸の動きを制御してやるもの、というところでしょうか。
いずれにしても結構単純な装置という認識かと思いますが、実はその”筒”の内部は今ではかなり複雑で凝った代物なのです。
簡単に示すとこんなに多くのパーツで構成されています。結構凄いでしょ。
スプリングの伸び縮みで押したり引いたりされるピストンが作りだす内部の油の動きを細か~く制御するためにこれだけのパーツを組み込んであるんですね。これらのパーツの形状の違いにより、クルマの各モデルが希望する動きの差を作り出しています。
今回の勉強会ではショックアブソーバーの模型を組み立てて、油の代わりに水を入れて実際にチカラを加えてみることもできました。
そしてこのショックアブソーバーというパーツ自体もどんどん進化しています。
昔のは上でお見せしたパーツも少なかったのですが、今ではパーツも多くなり、さらにはその油の通り道をステッピングモーターやソレノイドを使って電気的に形状変更させるものも登場しています。電子制御サスペンションと呼ばれるものにはこれが使われています。
さらにそのKYBがいま開発しているのはその油そのものです。
油の粘性や温度特性を理想的にするために、油メーカーに特注していたのですが、数年前からはKYB側がレシピを作成するまでに至っていたようです。
そして今回はそれにプラスして環境に優しい天然由来の合成油の開発を進めていて、来年から実用化されるそうです。
その合成油の名前が「サステナルブ」。
油を始めとした潤滑剤を英語で lubricant と言いますから、その「ルブ」と環境に優しい「サステナブル」をかけて「サステナルブ」ですね。いかにもオヤヂっぽい命名は社内製だとのこと。なんだかシンパシー感じちゃいました。
Posted at 2025/08/25 11:56:33 | |
トラックバック(0) |
その他 | クルマ