等出力線図。 と呼ぶ??
駆動力と速度のグラフ。
このグラフの一番右端を結んだ線は、最高馬力で走れる、速度vs加速度(=力)の線。
馬力が有ると、右上に伸びる。
1)1.8MTとATを見て貰うと分かるが、ギアはこの中のどこを使うかで決まる。
速く走りたければ、ギアを低くして加速度を高くすれば良い。 その代わりそのギアでの最高速度は低くなる。
エンジンの回転数も高くなる。 FITがそこそこ走るのはギアが低いから。
燃費を考えるとギアを高くする。 加速度は下がるが、そのギアの最高速度は高くなる。
エンジンの回転数が低くなる。 白いナニの速度が伸びるのはギアが高いから。
2)軽量化=エンジンチューン
面倒くさいのでグラフは書かないが、生徒が作ってくれるのを期待してます。
軽量化すると、各ギアの速度は変わらないけど加速度は高くなる。
各ギアの線が真上に上がる。 すなわち、等出力線図が右に移るのである。
クルマを2割軽量化するのと、出力を2割高出力化するのは、このマップでは同じ効果。
エンジンにカネを掛けた車が軽量化しちゃう理由です。
トランクから、スペアタイヤを下ろすのも、リアシート取っ払うのも、エンジンチューンと同じなのだ。
3)デルタ地帯
右端に青い三角定規が有る。 もとい、青い三角形が有る。
これは、1.8MTがシフトアップしたときに、エンジン回転数が下がり、使うことのできない領域。
1.8ATはギア比が高く、加速度低いが速度が伸びるので、1.8MTが3速で無いと走れない100km/hちょっと上のコーナーでは1.8ATの方が早く走れる。
レーシングカーがサーキットに合わせてギア比を変える所以である。
4)変速機の特長を考えて考察。
MTを基本に考えると、
AT:
90年代は4速ATしかなかった。 ギアが少ないので考えんといかん。
伝達効率が低い。 変速は手間いらず。「
でギアを高くしてエンジンの回転数を下げる。 パワーが要る時はキックダウンしてもらう。
高速道路は4速は加速出来ないが、キックダウンスイッチ使うのってほぼフル加速。
暖加速したい時には3速に落としたくなるので、O/Dキャンセルスイッチがシフトノブについていた。
現世のATは6速は当たり前、10速まで有る。 アクセルをちょっと踏んだら変速してくれるので、O/Dのスイッチは無くなった。
変速自慢で、暖加速してたら、ずっと変速しててエンジンのトルクをコントロールしっぱなし。
クルマの都合を運転者に押し付ける訳です。
CVT:
嫌いだけど良いとこある。 変速ショックが無い。
(その代わり、エンジンの回転数を上げる時間待ちの違和感がある)
デルタ地帯が無い。
MT車でレブリミットまで回してシフトアップすると、加速度が落ちるのは当たり前だと思ってる。
が、本当はレブリミットのまま、変速して貰えると速く走れる。
これで助かるのが、軽自動車。
車が重いので、パワーが無くてアクセルべた踏み当たり前のNAにはCVTは有効だと思うぞ。
DCT:
ATのクラッチを流体クラッチから効率の良い、MT同様の乾式クラッチに変えたもの。
クラッチが2組あるので、変速時間が早い。 効率が良く、ドライバビリティーが良い変速機。
DCTは変速時間が短いアピールするんだが、MTに乗ってて、自分の運転で変速時間が短ければと思ったことはない。
サーキット走ってタイムを競うことないし、0-100km/h加速の4.8Sを確認する機会も無い。
でそのDCT、乾式クラッチの制御が難しく、ショックが有るのと、不不具合が発生するので、主流は湿式クラッチに変わる模様。
湿式クラッチは、半クラッチ楽なんだが、滑るんで伝達効率悪く、油圧を作るロスが出る。
こうなると、ATが効率上がるとDCTの優位度が下がる。
エンジンのショックが出やすい時には、流体クラッチに任せ、振動を遮断できるATの良い所がクローズアップされ、AudiのA6以上はATに変わり始めた。
VWゴルフでもDCTの不具合多いようなので、VWがATに宗旨替えすると、世の中からDCTは消えてしまう恐れあり。
私は、乾式クラッチで、ガシガシ、スパスパ変速してくれたらいいと思うんだが、世の中の趨勢はイージードライブなんですな。
AMT:
乗ったこと無いので分からん。
5)電気自動車
モーターは一定の馬力を発揮する。
100kWのモーターのクルマの等出力線は、100kWのEUNOS100 1.8の右端の線と同じになる。
モーターの素性の良さは、変速機なしで普通の車と同じように走れるところ。 電池重いけど、変速機は要らない。 当然変速ショックも無い。
で、三角地帯が無い。
リーフが加速自慢する所以。
6)ダウンサイジングターボエンジン
CX-5の2.2LのTDの450Nm、190psのトルクの意味合い。
450Nm有っても、定出力線図190psの中でしか走れない。
ガソリン2.5LのNA190psのエンジンに適切な変速機が有って、適切なギアを選んで運転すればTDと同等の走りが出来る。
ならなんで、コストの高いTDがラインナップされるか?
低速トルクが半端無く有るから。
エンジンが低回転で運転できるのである。 NAでは真似できない。
低回転で運転すると、どんないいことあるか? 運転が楽で、燃費が良くて、エンジンのショックが少なく、エンジンのノイズが低い。
で、アクセルを踏めば450Nm(=NA5L並みのトルク)が、引き出せて、加速度が得られる。
(ホントはターボラグ有って300Nm位で走ってんだろうけど)
燃費良く、なめらかに、力強く走る。
で、運転が楽。
お高く売れる訳である。
前回、酔っ払って「知識をひけらかす」と、ハードルを上げてしまった。
あの後、記事を書いたんだが、読み返すと高回転、高出力のエンジンをMTで回すの最高!って、ぐだぐだ書いてあったんで、2/3位書き直す羽目になった。
事前予告には気を付けることにしよう。
以上、先生はおしまい。