Z4が
車検・修理に出ている間、脚として使わせて頂いたBMW 320i。グランド・ツーリングのようなロングランをしたわけではないですが、週末のデイドライブでの雑多な所感をインプレッションとして書き留めておくことにします。但し、Z4に乗り慣れている身であるとともに、セダンは久しぶりの運転だったので、ニュートラルな表現にはなっていませんが、何卒ご理解下さい(伏)。
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1.思っていたよりも大きい
F30 320iのサイズは、全長4,625×全幅1,800×全高1,440mmで、数字的にはZ4より一回り大きいのですが、実物を見ると更に一回り大きく感じました。特に全長はZ4と比べて400mmも長く、月極駐車場に停めた時にお尻がはみ出る感じです。久しくセダンに乗っていなかったので、これが標準的なサイズなのか、はたまたトランク容量を増やしたいがためなのか、真相はわかりませんが、とにかく最初はこのサイズ感に慣れるのが必要でした。きっと、320iにずっと乗っていてZ4に乗り換えたら、小さいなぁと感じるのでしょう(笑)。
因みに、車両後方のトランクルームの容量は約480Lとなっており、メタルトップを格納した場合のZ4の容量が約180L、クーペスタイルの時でも約310Lである事と比較すると、その差は一目瞭然でありました。
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(C)per
2.思っていたよりも俊敏
これは1で述べた「思っていたよりも大きい」を踏まえた上でさらに、「(そんな大きさにも関わらず)思っていたよりも俊敏」と感じました。
車重は1,500kgなのでZ4と全く同じなのですが、車高はZ4よりも高いにも関わらず、ずっしりとした安定感があります。足回りはラグジュアリーパッケージだからなのか、かなり柔らかめに設定されており、大きく弧を描くコーナーではロールアンダーが発生しやすく、速度域の高いワインディングではやや不向きかなと思いましたが、クイックな動きが求められるスラロームでは、その巨体に似つかぬ俊敏な動きを発揮。ハンドル操作に対し素直な反応でノーズが向きを変える印象があり、慣れてくると取りまわしは思いのほか良いと思いました。
オープン機構のZ4は車体下部のみで繋がったボディ構造であり、ちゃんと上下で繋がった320iのフレームワークなので剛性はある程度高いのではないかと推察します。ワイドターンを繰り返すとさすがに不安定な挙動を見せる兆候が現れますが、回頭性は大柄なセダンにしては思いのほか良い事に驚きました。
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(C)per
3.低回転域からのパワフルな加速感
ボンネットに収まるN20B20B型直列4気筒ターボエンジンは、270N・mのトルクを1,250〜4,500rpmという回転域で生み出す、トルクバンドが幅広なパワーユニット。コーナーの立ち上がりで低回転のままスロットルを開けても、図太いトルクで後輪が蹴り出してくれるので、FRらしさもしっかりと出ており、運転のし易さはピカイチだと思います。対してZ4は、250N・m / 2,750~3,000rpmの出力性能となっており、街乗りや回転数の落ち込んだコーナーの立ち上がりでは、明らかに320iの方が立ち上がりがスムーズでした。
ただし、高回転域で加速が鈍る頭打ち感は否めず、この点は上記のメリットを享受するための犠牲になっていると思います。実際、6,000回転でのトルクを比較すると、Z4・320i共に220N・m程度であり、トルクの絶対値こそほぼ同一ですが、トルクの伸び具合・落ち込み具合の違いがそのフィーリングに繋がっているのではないかと推察。まぁ、そんなに回さなくていいのでは?と言われればその通りなのですが、聴覚を刺激するエンジンサウンドはドライビングプレジャーを高める重要な要素の一つと捉えており、加速感とエンジンサウンドが調和し踏んだ分だけソリッドに吹け上がるN52B25A型エンジンの素晴らしさを再認識しました。
それでも、環境性能と動力性能を兼ね備えた320iのエンジンは決して引けを取るものではなく、ターボラグを殆ど感じさせない技術の進歩には脱帽です。前車のトヨタ・スープラもターボエンジンでしたが、タービンが回り過給を始めるまでの時差はどうしても発生してしまい、爆発的なトラクションを発揮するまでの僅かな時間のずれは否めませんでした。サイズはコンパクトでトラクション性能も向上、ターボラグまで解消されているとなれば、自然と潮流はダウンサイジングターボへと向いていくのは納得出来ますねぇ。
唯一気になったのは、イグニッションオンの際のテールエンドから放たれるガラガラ音。アイドリングが安定すれば解消されるのですが、もうちょっと良い音がすると、ドライブスタート時のモチベーションも上がるのになぁと、要らぬお節介をかけるのでした。
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(C)per
4.上質な乗り心地
この項目をZ4と比べるのはお門違いかもしれませんが、乗り心地の良さは秀逸でした。街乗りにおける低速走行では、高級サルーンさながらの静粛性であり、正直エンジン音は僅かしか聞こえません。ランフラットタイヤを4輪に履いているものの、柔らかめに設定されたサスペンションのおかげか、路面の凸凹を拾った際の突き上げ感は弱く緩和されております。元々硬い足回りのZ4にランフラットタイヤを履かせていた時は、荒れた路面でお尻を蹴られるような衝撃を受けましたが、320iは実に快適な乗り味であり、非常に上質なクルージングを楽しめるキャラクターでありました。これなら、後部座席に座ったパッセンジャーからも十分満足を得られると思います。
ただ、サスペンションの伸縮の収まりが悪いのか、時々揺れが長く続くように感じる事があったのは唯一の欠点かもしれません。
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(C)per
5.設備性能の向上を実感
私のZ4は2009年製、今回の320iは2012年製と、製造年としては3年の違いがありますが、iDrive ナビゲーションの操作に対する応答性が格段に向上している事に驚きました。Z4に搭載されているiDriveシステムは手元の操作に対してワンテンポ遅れて反応するのですが、320iの方はその遅れが解消されており、ストレスなく操作出来ます。たった3年で設備は進化するものですね。
その他にもUSBジャックにiPhoneを挿せば、充電と音楽再生が可能であったり、ナビ情報をオンボードコンピュータに表示してくれたりと、至れり尽くせり。特に、タコメーターのすぐ傍に簡易ではありますがナビの進行情報を表示してくれるのは、非常に優れた機能だと思います。
日頃からセンターコンソールに位置する液晶画面を見るのに慣れていると目から鱗であり、視線を逸らさずに情報を取得出来る事は安全性向上にも繋がると思われます。ヘッドアップディスプレイになれば、ドライバーはより安全に情報を得やすくなる事でしょう。
この中にはオプションでの装備もあるのでしょうが、車の快適性・利便性強化の恩恵は素晴らしいものです。
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(C)per
総論
と、適当な所感を書き連ねましたが、時代の潮流のダウンサイジングターボエンジンを載せた320iは、街乗りからワインディングまでそつなくこなせるオールラウンダーのDセグメントであり、ドライバーもパッセンジャーも幸せになれる実用的かつ素晴らしい車でした。2台体制が許されるのであれば、購入検討車両の1つとして名前を挙げても良いかと思います。
とは言え、現ラインナップの最新モデルの販売価格はベースラインで4,270,000円となっており、そんな夢物語を描いても仕方がないので、今後もオープン・エアを楽しめるZ4でのドライブに専念する事にします。
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(C)per
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2016/07/02 22:13:54