姫の発表会

姫は覚えがはやい。

歌詞とか、振り付けとか。きっとシナプスがウキウキして手を取り合って踊っているのだろう。脳内で。羨ましいかぎりである。





そんなわけで発表会である。

”ころなか”なので保護者の参加は１名に制限され、３密回避などいろいろと対策されてなんとか開催に漕ぎ着けたようだ。





姫。どこ？

ぎりぎりが身上の嫁が１５分前に参上したのにこの位置。しかも周りは三脚にビデオで完全武装。こちとらオリンパスの手振れ防止で勝負だというのに。





踊る姫。

あややの”桃色片思い”の曲に乗せておどるおどる。ひとり振り付けが完璧で、愛想を振りまく余裕を見せる。さすがです姫。





たたく姫。

完全なリズムをとって”どんないろがすき”を着実に刻む。人間の耳と脳では判別不可能なミリセカンドの音ズレをも許さない真剣な表情。この視線の前ではシャリバンも変身できまい。





終わりのご挨拶。

ひとり正面を向いたままアタマをさげる姫。地平に対して９０度の角度をキープした挨拶は一見して失礼にもとられそうだが、どうどうと直立不動のまま微動だにしない悪ガキどもよりは数段丁寧だ。





そして幕がおりる。

ゆっくりと降りる緞帳が気になって気になってしょうがないのはご愛敬。しかしお顔は地平に対して９０度をキープしたまま、目だけでチラチラ追うのがとてもお可愛いのだが、面が割れるわけにはいかないので特注のビバンダムくんで再現。





というわけでなんとか閉幕だ。

姫のおどりの出番は”桃色片思い”と”虹”だけだったが、実はほかのお子達が出演したすべてのお遊戯をすべて完コピしていたりする。本番は見に行けなかったが、ここ数日ずっとお立ち台と言う名のソファーを占拠して練習されていたのを見ていましたので執事は知っていますよ。