
翌朝は4時に起床し、ターミナルへ向かいます。
7月もそうでしたが、マニアとしてはこの狭い秋田港に、1万8000トンのフェリーが、転舵一発で入港する職人技を見ずにおれないのです。(笑
到着すると、ちょうど「らいらっく」が入港し、転回しているところに間に合いました。
ここでもトラックの乗下船が多かったのは、時期的なものでしょう。船会社としては書き入れ時なのでしょうね。
ターミナルには工場を出荷してきたらしい、大型重機も下船していて、輸送用のトラックを待っているようです。
帰路も同じ船ですが、さらにケチって船室は二段ベッドのB寝台。早朝6時半に出港し、当日夕方17時半に着港するダイヤのため、ほぼ半日過ごしますが、だいたい午前中は爆睡して、午後からはサロンなどの公室でゆっくり読書することが多いので、個室ではなくとも、そこそこつくろげるので。
7月もそうでしたが、秋田港外に出ると、日本海らしく風が吹きすさんでかなりうねっています。
これはこのチャンスにと、波打つお風呂を楽しんでから、Tシャツでベッドに横になると、即座に爆睡。
フェリーはだいたい沖合を航行するので、携帯の電波は圏外なことが多く、しかも2等船室などは船によっては船体中央部にあったりするので、なおさら。今回の2等B寝台は西側の窓付き部屋でしたが、どうせ電話などかかってこないだろうとのんきに寝ていたら、昼前にまさかの着信があり、起こされました。昨今は、海岸沿いにもアンテナが増えたのでしょうかね。
電話を終えるとちょうど昼で、レストランオープンの船内放送がかかったので、さっそく昼食に向かいました。
新日本海フェリーでの昼食は、いつもラーメン。
7月は醤油ラーメンだったので、今回は塩ラーメンをチョイス。あっさり系で、美味しいラーメンでした。最近はついついミニチャーハンセットにしてしまいます。(笑
食後は、船体横の通路に設けられているプロムナードで読書。大きな窓があって、外が見られるのと明るいので、お気に入りのスペースです。
ふと目を上げると、大きな山と岬が迫っています。
いつの間にか津軽海峡に入り、あれは白神岬でしょうか。後部甲板に出ると、東側には竜飛岬と大間崎らしきものも見えます。
さらに進むと、恵山岬も見えました。
この航路が楽しいのがこの景色。意外なほど陸地に近いところを航行しますが、7月の時は、濃霧に覆われてほとんど見えなかったので、今回は景色を堪能できました。
持ってきた本を読み終えてしまい、と言って、入港までに読み終えられそうにないので、別の本に手を付けるのもなんだかなあ、と、思ったその時、フォワードサロンのことを思い出しました。
これ、船の最前にある横長な部屋で、30名は余裕で入れる広さ。特徴は前面に窓が付いていることで、甲板と水平線を見られるので、マニア的にはたまりません。(笑
3階と4階の2箇所に設けられており、3階のそれは喫煙室になっていました。4階は操舵室の直下なので眺めも良く、意外と知られていないので、いつもほとんど人はいません。今回もわずかに3名ほどしかおらず、静かに過ごせました。
この部屋は新日本海フェリーならではで、苫小牧~八戸航路のシルバーフェリーとか、苫小牧~大洗航路のさんふらわあにはありません。
ちなみに苫小牧~仙台~名古屋航路の太平洋フェリーは、特等室を取ると、この部分が個室船室になり、部屋に居ながら前方と甲板が見えるので、ものすごく得した気分になれます。(笑
これまでは年末年始に乗船していて、冬期はこの窓に鉄板で覆いがされてしまい、中が暗くて閉塞感があるので、これまであまり利用していませんでした。覆いを付ける理由は、かつて時化の時に大波をかぶったら、窓が割れてしまったことがあったからだそうで、冬の日本海の厳しさがわかるエピソードです。
そんなわけで、久しぶりにかわねこ的特等席でくつろぐことができました。船は恵山沖からは、もう陸地は見えませんが、眼の前に広がる水平線を、ただぼーっと見ているだけでも楽しいのです。キャンプの焚き火もそうですが、波も常にかたちが変わることから、見ていても飽きることがない、ぜいたくなひとときを過ごせたのです。
結局、着港直前までフォワードサロンを離れずに過ごしましたが、やがて前方に苫小牧の街が見えてきました。
今回は往きと違って、5分ほど入港が遅れるとのアナウンスでしたが、船好きにはむしろもっと遅れてもいいくらい。(笑
まだまだ乗っていたかったけれど、やがて船は苫小牧東港に入港。
苫小牧東港では、秋田港のように転回せず、オモテ(船首方向)から着岸します。
最後に後部デッキに出てみると、7月の着港の際は、タグボートがいて着岸補助をしていましたが、今回は自力着岸です。たぶん、7月の時は強い東風が吹いていたので、自力着岸が難しかったのでしょう。
そんなこんなで無事入港。楽しかった船旅も終わりです。
今年はイレギュラー的に、船に乗る機会が多かったのですが、今後は帰省する理由もあまりなくなったので、激減するでしょうね。
さて、次回はいつ船旅ができるでしょうか。
-おわり-
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Posted at
2023/11/25 21:36:26