
愛車のアクセラの数少ない弱点。
国内仕様の国産車に特有の、安全装備をケチること。
アクセラの後席には、ベースグレードでも定員分のヘッドレストと三点式シートベルトが標準装備されています。
またシートのバックレストも、きちんと背中全体をカバーするたっぷりしたサイズがあります。
同クラスの他の国産メーカーでも、トヨタ・オーリスや日産・ティーダでは、ベースグレードではオプションでも選べない装備。
スバル・インプレッサは昨年6月の一部改良ではようやく標準装備化されましたが。
この点ではアクセラは他の国産車より優れていると言えるでしょう。
しかし、そんなアクセラの数少ない弱点…それは、標準装備されているヘッドレストの高さ調整幅!!
引き伸ばすことは出来るのですが、引き伸ばして一段階、高さの調整が出来ないのですねぇ。
残念なんですが。ヘッドレストの足の部分(ステー?)。そこに刻みをつけるとその数だけ、高さの調整幅が増えると思われます。
そんな刻みをケチるなんて…。クルマ素人の意見で恐縮ですが、そんなにコストがかわるとは思えませんが。
複数の調整が出来るステーにすると、ステーの長さ自体が変わってしまうのでしょうか?!
高さ調整が出来れば、幅広い体格の人が席に座っても、ムチウチ等を緩和するように頭をカバーすることが出来るはず。
しかし、そんな調整幅を付けないというのは、安全装備のケチりですよね。
特に、クルマに興味を持たない多くの人は気に留めないであろう、見えない部分。
そして見えない部分なだけに、メーカーや販売サイドの、安全性に対する姿勢の差が見える気がします。
定員分のヘッドレスト、三点式シートベルト、サイドエアバッグやESC…徐々に標準装備化されたり、オプション設定の幅が広がったりしています。
でも地味に地味に、なかなか「当たり前」にならないのが、幅広い体格の乗客の体をしっかりカバーする後席と、調整幅のあるヘッドレスト。
昨年、フルモデルチェンジされた日産・キューブ。
Bセグメントの国産車で、定員分のヘッドレストと三点式シートベルトが標準装備化されたのはやっと進んだ一歩だと思います。
しかしながら、幕張のカレスト幕張に展示してあったキューブにいざ座ってみると、がっかりしちゃいました。
身長167センチ・胴長短足の自分の背中はカバーしてくれませんでした。
シートバックの高さは足りず、肩甲骨の中程までしかカバーしてくれず、ヘッドレストも一段階引き伸ばせるだけで、調整幅無し。
他方、輸入車はどうかと言うと、たとえばフォルクスワーゲン。
Cセグメントのゴルフはもちろん、その下のBセグメントのポロのヘッドレストもさも当然のように、何段階も高さを調整出来ました。
日欧の彼我の差はまだまだ縮まらないのか…と嘆きたくなります。
しかしながら、このクルマはやはり違いましたね。スズキ・スプラッシュ!
実質ドイツのオペル車の、クルマ好きには話題の(?)、スプラッシュ。
なかなか出会えませんでしたが、今日初めて、近所のディーラーで実車を見ることが出来ました!
残念ながら、ナンバー付いていたものの試乗は出来なかったのですが。
でも室内は確認することが出来ました。
スイフトベースのコンパクトカー!なのにヘッドレストはしっかり調整幅がありました。
確認したところ、左右席は三段階。中央席は、ヘッドレストのサイズは小さくなってるんだけど二段階の調整が出来ました!
もちろんシートバックは背中全体を受けとめてくれるサイズ。
そりゃ膝まわりのスペースはキューブなどより狭いし、カップホルダーも少なめ。
しかし、席ごとの安全性の差を小さくすること。
それが、常に衝突等のリスクを有する自動車の、追求すべき本質だと思います!
またシートはさすがドイツ製。座った瞬間に、ワーゲンみたいだ!と思えるような固さ。思わず1人、「おお!」と声を出してしまいました(笑)
還暦近くになる両親のクルマ買い換え候補、その最右翼に躍り出ました。
両親+祖母の三人を基本とする使用形態。年々運動性能が衰えていくであろう運転者。
そんな条件を考えると、5ナンバーサイズの横幅に国産車離れした安全装備。そして、本体価格約130万円という現実的な価格。軽自動車のトップグレードより安いでしょう!
中を観察して気になった点と言えば、「ステアリングのテレスコピック(前後)調整機構がつかないな」「シートリフターの調整幅はあまり広くない?」「後席開口部はやや狭め。サイドシルは邪魔じゃないけど祖母の乗り降り大変かな?」という三点。
しかしいずれも、同クラスの国産車などと比べれば問題にならないレベルと思います。
しかしナンバー付いてるのに試乗出来ないのはたいへん残念でした!
自動車は置物じゃないんだから、走らせなきゃ評価出来ないですよね。
あ、気になった点の四点目。「ディーラーに売り気がない?」というもの。
いいクルマ感はムンムンでしたが、うーん沢山は売れなさそうだなあ…。