バンクーバーオリンピックで日本中がフィーバーしていたらしい13時頃。
フィギュアスケート女子のショートプログラムで、日本の浅田真央の演技。日本のサラリーマンの昼休み合わせたの?!っていうくらい見事に13時前に採点が終わりましたね。
後半戦=明日のフリーが終わって結果が出るまでは一喜一憂してもしょうがないと思うので、日本の選手の順位は個人的には今日時点では特に興味なしです。
が、帰宅して19時半からNHKのオリンピック番組でSPのVTRを見て、「浅田真央とキム・ヨナは軽量小型ミッドシップスポーツカーのようだなぁ」という感想を持ちました。
こんな風にクルマの連想ばかりする自分は、バカなのでしょうか(笑)。
19時半からのNHKの番組では、6人の選手の演技が流れました。
すなわち、浅田真央、キム・ヨナ、鈴木某、カナダの選手、アメリカの選手、安藤美樹の6名の選手。
そのうち、1位2位となったキム・ヨナと浅田真央の二人の選手の動きは、なんか一段飛びぬけてスポーティーだと感じました。
1.スピードが早い。
スケーティングって言うのでしょうか?ひとつの演技から次に移る間も、ひとつひとつのターンだかの演技も、全てスピードレンジが1段高いと感じました。
なおかつ、スムースに繋がっていく。
あたかも、ピックアップの鋭い、小排気量・ターボエンジンかのように、一気にレスポンス良くスピードに乗っているなぁと感じました。
なおかつ、ターボながら高回転までスムースに回りきる、みたいな。8,000rpm以上までスムースに回るみたいな。
なまじっか最初にこの二人の演技という順番だったので、残る4選手は動きが遅く、まるでアクセルレスポンスが良くない、排気量大き目のエンジンのように見えました。
2.回転(スピン)に芯が通っているように見える。
スピードに加えて、1つの場所でくるくる回る演技も、回転ジャンプも、なんか芯が通っているように見えました。
絹のように滑らか=シルキーシックスと喩えられるという、BMWの直6エンジンのように、完全バランスな回転みたいな?
1.の比喩と重なりますが、スムースに8,000rpm以上まで回るエンジンみたいだーと思いました。
やはりほかの4人の選手は、アクセルを踏み込むと振動が生じる、(世界的ハイレベルなんでしょうが)二人の選手と比べると仕上げに粗さがあるエンジンみたいだなぁなんて。
そして上記の2点いずれも、アジア人の細身の体躯ながら、アスリートとして鍛え上げた体に拠るものなんだろうなぁ、と想像。
高いスピードレンジを維持し続けられることも、鋭いピックアップを維持し続けられることも、芯が通った回転を続けられることも、インナーマッスルまで鍛えたことが下支えになっているのでしょう。
コンパクトで軽量・高剛性な素材のボディを持つスポーツカー。
クルマに喩えれば、ロータス(アルミニウムボディ)の過給エンジンでしょうか。
アングロサクソンの選手と比べれば、明らかにスリムな体躯を持つキム、浅田両選手は、軽量高剛性ボディといっても、カーボンファイバーのSLRマクラーレンや、オールアルミニウムのジャガーXK程サイズは大きくない。
あくまでスリムで、コンパクト。
或いは、たまに自動車雑誌で取り上げられる「ラディカル」という、ロータス以上のスパルタンなスポーツカーでしょうか。
さて、「軽量小型」という点に加えて、「ミッドシップ」の「スポーツカー」みたいだと思った点について。
マスを回転軸の中心に集める、よく自動車雑誌で言われるところの「Z軸周りの慣性モーメントが低減されている」、と感じました。
上記の2.のスムースな回転、とも重なるのですが。
そして、本棚から引っ張り出したのが、写真の雑誌「NAVI」です。
4年前の2006年5月号。題して「マイ・ファースト・ミッドシップ」。
そう、ちょうど前回のトリノ五輪の後に出たNAVIです。
荒川静香が金メダルを取りましたが、このNAVIの特集はミッドシップカー。
特集のはじめにこう書いてありました。
「真央ちゃんは、ミッドシップ・スポーツカーだ。」
「女子フィギュア界でただひとり、浅田真央選手が連続した美しいトリプルアクセルを跳ぶ秘密は慣性モーメントにあるという。もともと細身(=軽量コンパクト)なうえに、ジャンプ中は腕をピッタリと体に引きつけて(=重量物をできるだけ中心に集約)回る浅田選手は、ほかのライバル選手に比べてはっきりと慣性モーメントが小さいらしい。まさしく、切れ味鋭いミッドシップ・スポーツである。」
引用終わり。
はい、今日の自分のブログは、まさにこのNAVIからネタを拝借いたしました(苦笑)。
4年前の浅田真央は、年齢が問題となってオリンピックに出られなかったんでしたねぇ。懐かしい。
あっという間の4年でしたが、読み返すとNAVIは相変わらず面白い。
そして、今日の浅田真央、そして4年前は現在ほどライバル関係にはなかったキム・ヨナの二人のアスリートの動きは、Z軸周りのヨー慣性モーメントを低減しつつ、高性能なパワートレーンにシャシーを持った小型軽量ミッドシップ・スポーツカーだったなぁ、と改めて思いました。
NAVIの最終号は、いよいよあさって2月26日(金)発売。
その前に明日のフィギュアスケートのフリーの結果を待ってみようか。
テレビの前で応援しようがしまいが、結果は選手本人のみが生み出すので、特に応援はしませんけれども、明日また、夜のNHKでスポーティーな動きを見るのが楽しみです。