昨日3月29日(月)に、マツダとトヨタがハイブリッド技術の供与で合意した、ということが正式に発表されましたね。
時間軸をさかのぼると、昨年2009年7月には日本経済新聞が、トップニュースにて「トヨタがマツダへハイブリッド技術の供給する」と報道したことが端緒だったと記憶しています。
そして半月以上の時を経て、マツダとトヨタの両社にて、外部に正式公表できる段階へいたったということですね。
さて、マツダ党。マツダを愛する自分ですが、このニュースをとても好意的に捉えています。
理由はずばり1つ。「マツダ車のコスト競争力が向上すると考えられるから」。
2つ、補足します。
(1)「ハイブリッド技術という金の掛かる仕組みを自社開発せず外部から調達することで、トヨタ・ホンダ・日産よりも企業規模が劣るマツダが、自社の限られたリソースを内燃機関自動車に効率的に振り向けることが可能となるから」。
(2)「そして、車種構成が限られるマツダ車は、ハイブリッドユニット以外の部分にリソースを投入することが可能となり、結果としてマツダ車の魅力向上・製品力向上に繋がると考えられるから。」
長くなりますが、この2点が、この決定を好意的に捉える理由、マツダの判断を支持する理由です。
2009年7月の日本経済新聞のスクープ以降、マツダファンの間では賛否が分かれていたと自分は認識しています。
自分はミクシィもやっていますが、マツダ関連のコミュニティでは、「マツダが汚れる」というような反対意見をけっこう目にしました。そのような意見は、率直に言って感情的に過ぎると自分は思います。
ハイブリッドユニットの供給を受けたところで、マツダ車はトヨタ車のようになるのか?
否。
そのような考えは短絡的と言えると思います。
自分は自動車業界からは門外漢ですが、自動車という工業製品が、数万点にも上る部品により構成されていることは理解しているつもりです。
そして、ハイブリッドユニットとは、数万点にも上るという自動車の構成部品のうち、何%かを占める要素に過ぎない。
マツダ車の魅力と自分が考えている、キビキビとしたハンドリングは、ボディ(それぽっく書くと「ボデー」?)、サスペンションとダンパー(どれほどの剛性の部品を使い、どんな形状・配置にするか)、ステアリングユニット(油圧・電動等アシスト方式、その制御方法)など、ハイブリッドユニット以外の多くの多くの要素によって達成されると考えています。
ハイブリッドユニットとは、おそらく搭載するマツダ車の車重増には繋がるでしょう。
ボンネット内に搭載するモーター、リア車軸付近に搭載されるバッテリー、そしてその前後をつなぐぶっといワイヤー系。
しかし広島の熱き漢(おとこ)達は、ボディ、足回り、ステアリング系もしくは内装などの各担当が気概を持って、ハイブリッドユニット搭載による車重増に対する対抗策に血道を注ぎ、そして「マツダらしい」キビキビとしてスポーティーな製品を市場に出してくれるはず!
これはファンによる偏った意見ではありますが(苦笑)、世界的に絶滅寸前のロータリーエンジン搭載車を世界で販売し、国内でオープン2シーターを販売し続ける気骨のあるメーカー、それがマツダだと思います。
そしてマツダ自身も、自らの規模に応じた戦略・戦術を取れる企業であると、自分は思います。
バブル時代の「5チャンネルによる過剰な拡大」の失敗も、身にしみているはず。→これは「身にしみていてほしい」という願望でもありますが。
またすでに、マツダは重要な戦術を発表済みです。
昨年2009年10月の東京モーターショー。ショー自体は散々でした。でもマツダは、きわめて重要なことを発表しています。
「車重の軽量化を進める」「既存の内燃機関エンジン(ガソリン=SKY-G、ディーゼル=SKY-D)の高効率化を進める」「トランスミッションの高効率化を進める」
そう、ハイブリッドユニットが重くても、ボディ軽量化は既に対策を進めているようです。
そして、ハイブリッドユニットにはエンジンは含まれないと思われます。
高性能バッテリーとモーターが搭載されても、エンジンそのもの、トランスミッションそのものの効率が悪ければ、「ハイブリッドカー」というカテゴリーにあっても、それほど燃費が良いとも限りません。
しかし、SKY-G、SKY-Dおよび新型トランスミッション「SKY-DRIVE」という3点の開発に、マツダはリソースを注いでいます。
東京モーターショーでは、ワールドプレミアのコンセプトカーは無く、(※コンセプトカーの「清(きよら)」はジャパンプレミア)、目玉をそのSKY-G、SKY-D、SKY-DRIVEにした位ですから。
マツダは相当に、気合を入れているはず。
そして、マツダらしく魅力的なハイブリッドカーが仕上がるはず。
自分はそのように思っています。
2013年に市場投入とか・・・。うーんとっても遠く感じます。それほど、「マツダらしいハイブリッドカー」が世に出るのが楽しみです。
そして「マツダらしいハイブリッドカー」は、トヨタのプリウスが構築しているような、「ハイブリッドカー=おとなしい」みたいな世間の風潮に一石も二石も投じてくれるような期待を抱かずにはいられません。
がんばれマツダ!!
など手前味噌ながら、2009年7月当時に、自分はミクシィでこのように投稿しました。
今もこの思いは変わりませんね。がんばれマツダ!
(以下、引用。長いです。すいません。)
自分も、この報道はポジティブに捉えています。
開発に遅れを取っているマツダが今からガソリン・ハイブリッドを自社開発するよりは、限られたリソースを他の環境向上の投資に振り向けられるので、合理的だと思います。
水素ハイブリッドはまだま実用化は先の話でしょうが、ガソリンエンジン自動車向けでも、車重軽量化や高効率ATの開発をやっているようなのですし。ハイブリッドユニットというパワートレーン開発に今から金を割くよりは、クルマ全体の高効率化に金を割いて、ハイブリッドユニットはトヨタから買って「イイトコ取り」をできれば、長期的にはマツダ車の環境性能が上がるんじゃないかなと期待します。
あわよくば、これを機にトヨタのハイブリッド技術から吸収するものがあり、i-stopの性能に磨きがかかれば良いなぁ、なんて期待したり…(笑)
気になるのは二点。
新しいマツダのハイブリッドカーの、ハンドリング性能と、コスト競争力です。
一点目は、ハイブリッドユニットはトヨタのものを買ったとしても、出来上がるクルマが、他のマツダ車と同様にキビキビしたハンドリングを備えたZoomZoomなクルマであればマツダ党としては良し!
「マツダのハイブリッドカー」の魅力として、市場での武器になるでしょうし。
二点目のコスト競争力は、ただ売るだけじゃなくて、利益を生むクルマじゃないとマツダ自体にメリットが少ないと思われること。
ハイブリッドユニットは、トヨタの虎の子で高く売りたいでしょうし、買う側のマツダは、プリウスの価格に対抗しなきゃいけないから安く買いたい。でも、売る側のトヨタの立場が断然強いでしょうから、ちょっと心配です。
そして、ハイブリッドユニットのコストが高くなれば、一点目のハンドリングなどに振り向ける余力が削られてしまい、結果マツダ車らしくないハイブリッドカーが出来てしまう…なんてのを危惧します。
買う側の立場だから、マツダにはいろいろ厳しい場面がありそうですね。
しかし、コストなどの厳しい状況に負けずに、ZoomZoomで魅力的なハイブリッドカーを売り出すように、開発や購買の方々を応援したいと思います。
頑張れマツダ!
(引用終わり。長くてすいませんでした。)