クルマの教室

福野礼一郎氏の著作は結構好きで、「クルマはかくして作られる」は１, 2, ３巻までと「極上中古車を作る方法」は所有している。

「クルマはかくして作られる」シリーズを通して、自動車メーカーの車両製造について主に部品納入業者の価格と品質維持に対する凄みをまじまじと見せつけられた。
あれを読むと生産終了した車種の純正部品が高いとか手に入らないで愚痴を言うことは私にとっては非常に恥ずかしいという思う様になった。

また、「極上中古車を作る方法」については、DIYで出来る中古車修理についてよくよく考えさせられる本であった。
さすがにキズミを使いながら革のひび割れにボンドや塗料を流し込んだりまでは出来ないが、製法を知って不要なメンテナンス（自動車内装の革製品に保湿クリームとか）はしないことや、純正部品の欠品を自力で探す方針などは未だに影響を受け続けている。

「福野礼一郎のクルマ論評3」も出張時の旅のお供程度に購入していて、写真が少ないのでちょっと読み流してしまっていたが、
改めて最近読んでみるとかっこつけて中身ペラペラの自称自動車評論家と違い、中身が分かった上できちんと良し悪しを伝えているのがよくわかる。
これはある意味メーカの営業には嫌われるだろうが、一番信用のできるインプレだと思う。

この方、本の販売イベントなどでは登場するらしいのだが、なかなか映像にはならず今時のトレンドとしてはちょっと惜しい気もする。
でも、個人の考え方なのだから尊重しないとなぁとは思う。

そんな中、一足遅れで昨年９月にかなりとんでもない本を出版したことに気づいたのだが、
どこを見ても売り切れ。まさに気づくのが遅れて失敗してしまった。
（売れ筋では無いために自らの印税をはたいて価格を下げる努力までしたらしいとのこと）。
それが「クルマの教室」である。

電子版は当然ながら手に入るのだが、やはり紙で書籍をめくりながら直接中身を確認したい。
という訳で、ダメ元で書店を駆けずり回って見るか...

おまけと言ってはなんだが、三栄書房のMotorFan Illustlatedもかなり読み応えのある雑誌である。かなり前になるが、定期購読もしていた。
ただし値段がちょっと高いのだけが玉に瑕（あれだけの紙質でカラーなら当たり前なのは理解できているが）。