
2022年の春に、あまりの安さに思わず手を出した、
ワークマンのミシックツーリングテントAG。
当初はネタものと捉えていたのですが、実際に展張してみるとどうしてなかなか、これが1万円以下とは、という出来でした。
もっとも安かっただけあり、いくつかアップデートが必要な部分があったのは、御愛嬌。
1シーズン限りでダメになっても仕方ない価格でしたが、荒天での使用はほとんどなかったこともあり、今季で3シーズン目に突入したものの、まだまだ使えそうな感じでもあります。
しかし、安さや軽さと引き換えにポールの細さはいかんともし難く、強風だと折れるのではという不安がつきまとう、フライシートの後部が塞がれているので、風が通らず暑い、形状から出入り口が狭いので、かなり身体をかがめないと出入りや着替えがしづらい、ポールを追加してフライシートを入口で上げると、簡易的に屋根ができるものの、前室スペースが狭過ぎてそこで食事を摂ったりはできない、など、いくつかの欠点も見えてきました。
仲間内での幕営時は、寝る時だけ使うのでともかく、ソロキャンだと風除けのために前室で過ごす事も多く、ここが狭いのは、ちょっと厳しいのです。
思えばその昔、メインで使用していたオガワのアルバーゴ23は、かなり大きなテントだったので、ひとりで使うのにはじゅうぶんすぎる前室の広さがありました。
しかしそれこそがアルバーゴを選んだ理由であり、ソロキャンならばタープ要らず、高さもあるので余裕で立って着替えができたものです。
また、別に持っている同じオガワのクローカー12は軽量コンパクトで、以前は年越しとキャンプツーリングに活躍していましたが、こちらはフライシートがないシングルスキンのため、防水性や結露など快適性の問題と、コンパクトさと引き換えに前室そのものがほとんどない設計なので、ゆったり幕営向きではありません。そのため現在は(行けてないけど)、オートバイでのキャンツー用と位置づけています。
ちなみに、エスクにベッドキットを常備していますが、あれは長距離ドライブでの仮眠と、悪天候でテント設営が困難な場合のシェルター的位置づけで、涼しい春秋ならともかく、ことに夏は暑くて実用的ではないので、テントの方が快適なのです。
そんなわけで、次代の新幕購入に踏み切ることにしました。
条件は、基本はソロキャンですが、余裕が欲しいことから2~3名用モデルで、なにより前室が広いこと。タープも持っていますが、いちいち張るのが面倒なので、フライを上げると、タープ代わりになる構造であること。設営、撤収が比較的簡単にできること。そして相変わらずびんぼーなかわねこなので、そこそこのお値段。(笑
キャンツーの場合は、積載性を重視するので快適性は目を瞑れますが、前述の理由から、オートバイへの積載は考えていないので、収納時の軽さや大きさはあまり気にせず、快適性を優先することにしました。
そんな中から、好みも含めて候補に上がったのが、ふたつ。
ひとつは、オガワキャンパルのロングセラーかつ人気モデル、ステイシーST-Ⅱ。
実は十数年前にアルバーゴを購入した当時も、これとかなり迷ったのですが、価格は高かったものの前室高に余裕があり、川遊びの際に着替えがしやすいのが決め手となって、アルバーゴを選んだのです。
ちなみに現在、アルバーゴは既に廃盤で後継は「ヴィガス」のようですが、さすがに値段も高く、もう少しコンパクトでも良いので、今回はステイシーが候補に上がりました。
そしてもうひとつの候補は、モンベルのクロノスキャビン。ベースとなったクロノスドームはご存知、人気のコンパクトテントですが、これの前室を広げたモデルで、かわねこの使い方にはピッタリ。
モンベル製品は、ムーンライト3を約30年愛用して、その耐久性と使いやすさをよく知っているので、こちらも有力候補に。
実用面のほか、デザイン面でも双方魅力的で、以前はサックス系の薄青色が人気だったことから、ステイシーもクロノスも青のイメージがありましたが、現在はグリーン系のアースカラーが主流で、ステイシーに設定されているオリーブグリーンは、赤の差し色もオシャレで、実にカッコいいのです。
そして対するクロノスキャビンも、サックスから、モンベルテントと言えばこれ、のライトグリーンになっています。個人的にも長年使った、ムーンライトにイメージが近く、こちらもカッコ良さでは負けていません。
蛇足ですが、クロノスキャビンにはフライシートがサックス色で、ホンダのウイングマークがプリントされている、ホンダ2輪の純正モデルもあるそう。
さらにクロノスキャビンは、2と3があり、ステイシーは、サイズ的にはクロノスキャビン2と、価格的にはクロノスキャビン3がほぼ同じなので、悩みに悩みました。
そしてこれに決めたのです。
モンベルのクロノスキャビン3。
前室の広さと、高さの余裕、建てやすさが決め手となりました。これまで20年近く、オガワを3張愛用していて、気に入ってはいましたが、ひさしぶりにモンベルを使ってみたくなったこと、モンベルの場合メンテナンスサービスがあり、モデルチェンジしなければ、修理しながら長く使えることも、選んだ理由でした。
クロノスキャビンでも2か3にするかでかなり迷ったのですが、3は収納状態がそこそこに大きく重いものの、これをオートバイツーリングで使うつもりはなくクルマ用なので、それよりも展張した時の快適性を取りました。もっとも、これでもアルバーゴよりかなりコンパクトなのです。
前室は、同じクロノスキャビンでも2とは長さで20㎝、高さで15㎝広いぶん、ソロではかなり余裕があるので、風の強い時などに重宝しそう。
フライを上げて庇にするための、ポールとガイロープが標準装備なのも嬉しく、雨の日でも雨水が溜まらないようデザインされています。
もちろん椅子とテーブルを置いても余裕で、これなら天候が悪くなっても、ここで過ごすのにそう不便はなさそうです。
居室は3人用なので、ソロだとだだっ広いほど。前室がこの広さで、居室は2のサイズでもいいくらいですが、それなら2にしろよ、と言われそう。(笑
まあ、広いぶんにはなんら問題ないわけで、これなら着替えも楽だし、ごろごろゆったり過ごすのにも快適。
天井にはオプションで小物を置けるラックが付けられるよう、ループがありますが、かわねこはランタンを下げたり、タオルを干す細引きを付ける予定です。
メインポールは、センターのコネクタに差し込む方式で、これはモンベルの特許だそうです。
テント本体は、前後に出入り口があり、3は正方形のシンメトリーデザインなので、建てやすく、どちら向きでも出入りできるのもメリット。
実際、購入直後に試し張りをしてみたのですが、取説を見なくても一見で建てられた設営のしやすさは、さすがモンベル。
ぜんたいが大きめで高さがあるぶん、クローカーのように瞬時には張れませんが、それでも設営、撤収がしやすいのは美点です。
昔のポールはアルミ地肌の銀色でしたが、ちゃんとイメージカラーのグリーンでアルマイト処理されていて、商品性が上がっているのは時代だなあ。
万が一ポールが折れた時の、応急修理用スリーブが付属しているのも、モンベルらしい細かな配慮。
ムーンライトの時代に標準装備だったのは、安っぽいプラペグでしたが、現在はアルミのV字ペグが装備されているのも、お得感があります。
ちなみに、フライシートのグリーンは、ムーンライトと同じライムグリーンかと思ったら、少し濃い目の色合いになっており、落ち着いた感じで、これもグッドポイントのひとつ。
ちなみに画像の右に写っているのは、ムーンライトに付属していた、フライシートと同じ素材のペグケース。標準ペグは使っていないので、ずいぶん前から箸やスプーンなどのカトラリー入れとして便利に使っています。
フライ3ヶ所のベンチレーターを開け、居室前後をメッシュスクリーンにすると、夏のこの時期でも、ほどよく風が通って涼しく快適。さっそくシュラフを持ち込んで、ちょっとごろ寝と思ったら、1時間近く爆睡してしまいました。(笑
もともと幕営は大好きでしたが、ここ最近、友人たちと幕営会を重ねるにつれ、幕営熱も少しずつ戻ってきたようです。
これでこの盆休みのソロキャンも、ゆったりと楽しむことができました。
さてこんどはどこへ行こうかなあ。