
年明けすぐの
台湾出張は、5泊6日の行程で、しかも仕事用の作業着やら道具やら、果ては先方に頼まれた土産物までいろいろ持って行くものが盛りだくさんでした。
最初はもう20年来使っている、L.L.Beanで買ってきたツーリストバッグ(バックパッカーがよく使ってるやつね)で行こうと思っていましたが、前述のようにやたらと荷物が多いのと、今回いちおう仕事なのでジャケット着用にアレはないだろう、とスーツケースを使うことにしました。
と言ってもわたしは海外旅行なぞほとんどしないので、そんなもの持っていません。
なので、実家に帰った折に、父が使っていたものを借りてきました。
生前の父は、仕事で東南アジアと南米を数多く旅したひとで、昔は状況に合わせて、さまざまな大きさのスーツケースが実家にごろごろしていたものでしたが、さすがに鬼籍に入ってしまった後、ほとんどが処分されていました。
残っていたのは、開けたらAK-47アサルトライフルと手榴弾でも入ってるんではなかろうか、というほどゴツいジュラルミンの、まさしく「箱」と、この古ぼけたサムソナイトでした。
箱はでかすぎ、重すぎで論外なので、このサムソナイトを借りてきましたが、実はこれ、33年前に父が初めての海外赴任でインドへ持ち込んだものでした。
以降東南アジア圏への旅に使われ、ご覧のように各航空会社のラゲッジラベルでいっぱいです。
33年前に日本より各国へ旅立ち、そしていま、息子がまたその役割を引き継いだ…なんて、これだけ見ると、どんだけ海外旅行慣れしているひとなのか、という感じでカッコイイのですが、実際はそんなにいい話なハズはなく。(笑
まず、持ち帰ってよくチェックしてみると、外装の樹脂は経年変化で傷んでおり、けっこうヒビも入っていました。これはまあ、手持ちのエポキシで補修したものの、内装のやつれはどうしようもなく、汚れと異臭をカバーするために、インナーにビニールをひいて使用する始末。
とどめは、点検ではなんともなさそうだったキャスターがダメで、いっぱいに荷物を入れて重量をかけたら、空港どころか出発前に職場の事務所内で外側のゴムが砕けました。(泣
なので、同行の社長と常務が真新しいスーツケースを、音もなく軽やかに引く中、わたしのそれは「ごっとん、ごっとん」と異様な音を立てつつ…。(汗
現地でのホテルも、社長同行とあってそれなりのクラスだったため、ベルボーイが運んでくれるのですが、ホテルの豪華な内装で浮くこと浮くこと。
極めつきは、古いのでスーツケース自体が重く、重量超過に引っかかりはしないかと、行き帰り空港カウンターでひやひやしたこと。
幸い今月予定だった渡行はお役ご免となってホッとしていますが、いつまた行けと言われるかわからないので、諦めて新しいのを買いました。
まあ、父のスーツケースは、最後にEVA-AIRのラベルが追加され、アジア圏を旅させることができたので、引退しても満足でしょう。
帰国報告で電話をした時、母からは「使えないなら捨ててくれ」と言われましたが、こんど帰省の時に持って帰ります。
だってこれ、
粗大ゴミにすると処分料かかりますから。(笑
Posted at 2011/02/10 23:33:43 | |
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