
スイフトスポーツ、と呼ばれるクルマが誕生してから早いもので、今日で10年になります。
オリジナルの
HT51Sスイフトが2000年2月に発売され、それに遅れること3年4ヶ月後
「スイフトスポーツ」はデビューしたのです。
大ヒットと言える人気を誇った二代目ZC31Sと、それを上回る人気ぶりの三代目ZC32Sに比べると、恐らく一般の方には「そんなのあったっけ?」というレベルの低知名度(笑)な、わが初代HT81S。
ちょうど10年前の2003年から、ZC31Sにバトンタッチするまで、2年3ヶ月でわずか5000台ほどしか販売されなかったと言われています。
過給器に依らず、鍛造ピストンを奢って圧縮比を上げた、純粋にエンジンチューンのみで(わずかだけど)パワーアップされている、専用のM15Aエンジン。
しかも精度を高めるために、あえてコストのかかるダミーヘッドボーリングを採用した量産体制。
「レギュラーでも対応する」のではなく、「ハイオクを入れないと耐久性が落ちる」とメーカー自ら明言してしまうハイコンプレッションのセッティング。
ミッションは5速マニュアルのみ。しかもクロスレシオ。
3ドアのみで、オーバーフェンダー標準装備ながら、1tを切る軽量ボディ。
サスペンションは専用設計で、ブレーキも4輪ディスク。
それでいて、快適装備は基本的なものを除いて省き、keiワークスより安い価格設定。
よくもまあ、これだけ割り切った商品をつくれたものです。
割り切りが良すぎて
吹け上がりはそこそこ良いが、取り立ててパワフルなわけではないエンジン。
補強を入れないと、驚くほど剛性の低いボディ。
ハンドリングはシャープだけれど、やたらと落ち着きのない、細すぎるノーマルのホイールサイズ。
軽さと引き換えに、遮音材もさほど入っていないため、ノイズは盛大に入り、さらにあちこち軋んで快適とは呼べず、なおかつ安っぽい内装と居住性。
忙しいシフトを要求するマニュアルミッションに、距離を重ねれば財布に負担を強いる、ハイオク「指定」。
なんてネガティブ面もたくさんあります。
もちろん、こういった市場の要求を取り入れ、洗練されたからこそ、この後のZC31SやZC32Sが大変に魅力的なクルマとなったのは間違いないところですが、しかしHT81Sのこんな潔さは魅力です。
「操る喜び」と「走らせる快感」、さらには「手を加える楽しさ」をこれだけの低価格で味わえるクルマはそうありません。
…なんてことを言うものだから、HT81S乗りは
変態と呼ばれるんですね。うん。(笑
Posted at 2013/06/12 22:44:59 | |
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