
てなことで、
先日の整備中に見つけた、駆動軸シールの損傷。
まあ、これまで27年触れていなかったので、交換も当然の成り行きですが。
これまた当然のことながら、どうせバラすなら、ベアリングも交換するべきですし、ドライブ側をやるならば、フロント側もやるべき、ということで、再度パーツをリストアップして発注。
オイルシール、ベアリングといった役者も揃いましたので、さっそく公演、という名の整備開始。
まずはフロント側からやっつけます。そのために、フロントタイヤを浮かせなくてはいけないので、最初は、見切れているビールケースにフレーム下部を載せて、ガッツリタイヤを浮かせて外したまでは良かったのですが。
…なんかガソリン臭い。見ると、車体を浮かせるために傾きも大きくなったため、前日満タンにしていた燃料が、タンクキャップのブリーザーから漏れ始めていたのです。
やむなく車体をいったん降ろし、ブロックで高さを調整し直しました。

軽いちびくろで良かった。^^;
外したフロントホイール側には、オイルシールがありません。
いや、ないのではなく、ホイール左側に付く、スピードメーター用のドリブンギア側にオイルシールが付くのです。画像はもうシールを外しちゃってますが。
右側は普通にオイルシール付き。いずれもマイナスドライバーでこじれば、簡単に外れます。
しかし問題はベアリング。
事前に調べた情報で、KSRのハブベアリングを外すためには、SSTが要る、とは聞いていました。
これ、左右のベアリングの間に入っているカラーが、キッチリしてクリアランスがほとんどないため、ベアリングを叩き出すための引っかかりがないのです。
でもまあ、甘く見ていて、カラーの内側をてきとーに叩けば抜けてくるだろう、と、やってみたのですが。
はい。ネタの神様降臨です。やってしまいました。
幸い、叩いたことでカラーとベアリングの間にすき間ができて、工具が引っかかり、無事ベアリングは外れたのですが。
この通り、カラーの内側にガッツリ傷が。(泣
ここには車軸が通るので、傷があるなど言語道断。かと言って、今さら部品を追加発注するわけにも行きません。
てなことで、例の電動インパクト+リューターで傷を修正し、ペーパーで仕上げました。
ちなみにリアのドライブ側も同じことで、しばらく格闘したけれど、マイナスドライバーが引っかかる気配もなく、意を決して同じようにぶっ叩いてすき間を作って外したので、こちらも修正作業。
本来なら、こういうインチキな外し方をするなら、カラーも換えるべきだったのでしょうが、まあ、シャフトの引っかかりさえなければいいわけで、それほど精度を要求しない部位だったのが、幸いでした。
さて、ベアリングは、フロント側に入っているそれは、6201という規格ですが、片面にだけゴムシールが付いている、珍しいものです。

リア側は、少しだけサイズの大きい6301という規格ですが、こちらはシールのない、オープンベアリングでした。

ちなみにどちらも、片側のベアリングには引っかかりがあったので、換えて正解でした。
ベアリングのサイズそのものは、どちらも規格品なので、純正のベアリングより安い、一般工業用を入手。
これは両面に金属シールの付いた、ZZタイプですが、これがいちばん一般的に流通していることから、安かったので。
両面シールということは、防塵、防水性能は、オープンや片面シールより優れているのですが、そのぶん、後から注入したグリスはほとんど入らず、ベアリング内のグリス分のみでしか潤滑されない、という欠点もあります。でもまあ、耐久性はもともと高いものですし、そもそもハブ内でシールで保護されるので、そう影響は大きくないだろう、という判断でした。
が。
やっぱりネタの神2が光臨。
ドライブ側のベアリングを入れる際に、やらかしました。
本来は、ベアリングのアウターレース径に合った工具を使って圧入するものですが、そんな都合のいいものは持っていないので、大きめのソケットのコマを当てて、ハンマーで叩き入れていたのです。が、その途中にコマがずれてしまい、ベアリングのシールをゆがませてしまったのです。
指で触ってみると、鉄板のシールがゆがんで、ベアリングのボールを圧迫して動きが渋くなってしまいました。
さあどうする。そのへんでベアリングなど売っていないし、取り寄せるのを待つ時間も、もちろんありません。
外した古いベアリングのまともな方を使う、というのも一瞬脳裏をよぎりましたが、さすがにそれはなんなので、
インチキ裏技を使います。
ゆがんだシールが悪さをしているなら、剥がしてしまえばいいのです。ということで、即席の片面シールベアリングにして、装着。オープンベアリングを使うべきところに、シール付きベアリングしかない場合に使う裏技です。
そんなこんなで、無事組み上げ終了。
ホイールを外す際に、前後のブレーキキャリパーも外すので、前回なくて塗っていなかったパッドグリスも塗り込んで、仕上げます。
…まあ、本当のところは、ブレーキキャリパーこそ、パッキン類の交換をするべきなのですが、単品では安い部品でも、積もるとけっこうな金額になってしまいます。
昨今、便利なもので、カワサキのHPでパーツの検索と見積もりができるのですが、あれもこれも、と、やりたい部品をリストアップしたら、軽く万単位を超えてびびりました。
どこかを直すと、付随した部分やその近辺が気になってしまい、前述のブレーキ周りや、フロントフォークも直したい、マフラー関係やキャブもオーバーホールしたい、ホイールやマフラー、エンジン周りのサビも気になるので塗り直してやりたい、と、欲望だけは膨らむのですが、現実のお財布は許してくれません。(笑
ので、当面手を付けられるところからやっています。^^;
今回のついで作業。
昨年、トップケースを付けた際に、ベースとキャリアの間に入れた、コンパネの補強板。
ローアングルで写真を撮ると、コンパネの色がまる見えなことに、今さらながら気づきました。(笑

ということで、目立たないよう、黒く塗装。

ま、自己満足です。
組み直して、試走した印象は、心なしか走りが軽くなったような気がします。まあ、ベアリングは新しくなったとは言え、たぶん、プラシーボですが。^^;