
そんなわけで、次はどこへ向かおうか。南へ降りて、知床横断道路を越えて納沙布岬方面を目指すか、北へ上がるか。
天気予報を見ると、どうもオホーツク側は天気が思わしくなく、今夜は雨の予報です。さらに日中は今日明日も曇り。せっかく海沿いならば、晴れたところが良いので、調べると太平洋側は全般に台風の影響が残って天気が悪く、道北の日本海側は曇のち晴の予報です。
どちらにせよ、道北を目指すほうが良さそうなので、まずは北上することに決め、さっそく撤収。
まだ8時前と言うのにすでに暑く、撤収の30分で汗だくになってしまいました。
網走を抜け、佐呂間を過ぎたあたりから海霧が出ているらしく、ガスって気温も下がってきました。涼しいのはさて、これではどうも夏らしくありません、などとワガママなことを思いつつ、北上。
雄武でちょうど昼だったので、昨年タッチの差で閉店してしまったお店で、ラーメンの昼食。
しかし走れども予報どおりとは言え、どんにょり天気のままで、気温もどんどん下がって窓を閉めるほどに。当初は、状況が良ければ枝幸あたりで幕営も考えていたのですが、これではむしろ寒いキャンプになりそう。
そこで、枝幸から内陸に入り、日本海側へ抜けることにしました。
山道はそこそこに楽しく、歌登なんてGSFでのツーリング以来、十何年ぶりに走るので既視感が薄く、楽しめました。
案の定と言うべきか、音威子府を過ぎたところから、雨が降り始めます。まあこれも海沿いに出れば上がるはず、という期待も虚しく、遠別に入っても霧雨のまま。
これは想定外。さて困った。テントは新しいので雨中でも問題はないけれど、雨の中展張作業をするのは楽しいと思えず、せめてこの霧雨だけでもなんとかならないものかと、南下してみると、南の空は少し明るいのです。
これはいい兆しだと、初山別まで走ると、やはり霧雨は上がり、路面も乾いてきました。
良かった、これなら幕営できそうです。
さっそく、みさき台公園のキャンプ場に行ってみました。
初山別村のみさき台公園には、キャンプ場がふたつあり、天文台近くの高台とその一段下に、バンガローと無料のフリーサイトがあります。
昨年の道北旅の途中で寄った際に、ここは激混みなのを知っていたので、その手前の国道側にある、もうひとつのオートキャンプ場を覗いてみました。
こちらは、オートサイトとフリーサイトがあり、オートサイトは満杯のようでしたが、フリーサイトは7割程度と、まだ余裕がありそうです。
さっそく受付に行ってみると「予約はされていますか?」と聞かれたので、今は要予約なのかとぎょっとしましたが、予約が必要なのはオートサイトだけで、こちらは既に満杯。しかし、フリーサイトは見えている通り、まだ空いているので大丈夫。ここは有料ですが、サイトが広々としているのと、トイレがきれいで、なんとウォッシュレット付。手洗いにはハンドソープまで置いてある充実ぶりなので、ひと張り500円の料金は安いものです。
幸いに、サイト横の駐車場も、1台ぶんだけ空いていました。ここが空いていないと、近隣の駐車場は徒歩3分くらい離れているので、かなり不便です。
手前では、4人家族が設営を始めており、かわねこはその奥に陣取りました。
少し前までこちらも雨だったらしく、草地が濡れていて、設営で靴下とスニーカーがびしょ濡れになってしまいました。横着しないでトレッキングシューズに履き直せば良かった。(笑
設営が完了して少し落ち着き、周りを見渡してみると、装備から、ここはどうやらある程度キャンプ慣れした方が多いよう。それにしてもコールマンテントの保有率高いなあ。
ここ、10年ほど前の盆にも来たことがありますが、その時はキャンプブーム前だったので、オートサイトこそ混んでいたものの、こちらのフリーサイトはガラガラで、静かな幕営を楽しめたものです。
もっとも今回もテント数こそ多いものの、雰囲気は良く、そう騒ぐキャンパーはいなさそうです。
さっそく夕食の買い出しに出かけることにしました。と言っても、初山別村にはAコープとセイコーマートしかないのですが。
帰りには、すぐ近くのホテルで温泉に入りました。キャンプ場で受付をすると、朝湯の割引券がもらえるのですが、さすがに今日は風呂に入りたかったので。17時前のこの時間ならと読んだ通り空いていて、ゆったり温泉に浸かることができました。
そして温泉に入ったなら、当然ソフトなうです。ホテルの向かいが道の駅になっており、そこでソフトを売っています。普通にレストランなので、その気になれば食事をここで済ませることも可能なのです。
さっぱりしてテントに戻ると、なにやら空からぽつりぽつりと落ちてくるものが。
次第にそれは強くなり、とうとう本降りになってしまいました。あれおかしいな。今日の天気予報だとこの後は回復傾向では、と、雨雲レーダーを見ると「しばらく雨が降る見込みはありません」と大嘘の表示が。
仕方ないので、前室に椅子を置いて、ここで夕食となり、図らずも新幕の前室の広さが活躍してしまいました。
ちなみに今日の夕食は冷蕎麦とおにぎり。え?昨日と同じじゃないかって?いえいえ、今日はとろろ蕎麦で、おにぎりもしっかりホットシェフなのです。(笑
クロノスキャビンのフライシートは、このフックを止めて張りを持たせることにより、雨を左右に流す設計になっているので観察してみると、少し溜まった雨は、うまいぐあいにフライの端に流れていきます。
雨量が多いと、立ち上げた庇に溜まりますが、これはどんなタープでも起こるので、こんなものでしょう。
そして居室が広いので、マットとシュラフはこんなふうに斜めに設置し、空間を贅沢に使っていました。実に快適。
今回、テントの他に新調していて活躍したのが、クーラーバッグ。これまではコールマンの中型クーラーボックスしか持っていなかったのですが、さすがにソロキャンプだと大きすぎて持ってくる気になれません。100均のクーラーバッグもどきを使っていましたが、クーラーショックという良い保冷剤を手に入れたので、バッグも新調しました。
ネットで評判の良かったチルキャンピングというブランドです。
22Lと、ソロだとちょうどよいサイズ感に、ブラックというクーラーバッグらしくない色合いが気に入りました。
もちろん、さしものクーラーショックでも、2泊目となると溶けてしまいますが、コンビニで氷を買ってきて入れておくと、ひと晩くらいは冷たさを保ってくれ、今回の旅では活躍したので、買って良かった。
日が暮れてもここは近くに天文台があることもあり、うるさい水銀灯はなく、通路にところどころぼんやりした灯りが灯るのみ。トイレこそ灯りが点いていますが、水場にも灯りはありません。そもそも日の長い時期の9月までしかオープンしないキャンプ場なので、明るいうちに夕食を済ませるか、ランタンで照らせば良いのです。
そして予想通り、わりと穏やかなキャンパーが多く、後方の3~4家族くらいのグループの子供たちが、ゲームに興じているらしいけれど、まだ時間も早く、うるさいではなく、賑やか程度。
その子供たちも約束だったのでしょう。親の掛け声とともに22時で静かになってくれ、雨も上がると実に静かな夜になったのでした。
つづく