
1969年に公開されて以来「映画は劇場で見て欲しい」との、故石原裕次郎さんの意思により、これまでソフト化されず幻の作品となっていた「栄光への5000キロ」。それがついにDVD化されました。
サファリラリーを舞台に、510ブルーバードが激走することで知られる、この映画の内容については、詳しい解説が数多あるのでここでは書きませんが、競技シーン撮影のため、実際に競技車にカメラを積んで走らせているので、当時の貴重な記録としても一級品の映画です。
というわけで、当然かわねこも買いました。^^
DVDの後ろにあるのは、ハセガワのキット。両サイドにあるのはエブロのミニカーと、チョロQです。
さて、かわねこが幼少時代(そんな時代もあったのよ)、どういうわけか、父親が510ブルーバードのプラモデルを買ってきたことがありました。
遠い記憶を辿ると、たぶんこのブルーバードは人生2台目のプラモデル。
余談ですが、人生最初に触れたプラモデルはホンダN360でした。当時、MS40クラウンのスタイルが好きでそれを望んだのですが、多分に当時の人気車種だったからか、父が買って来たのはN360。子供心には大いに不満だったのですが、プラモデル、というものの珍しさの方が勝っていたのでしょう。当時はまだプラモデルを作る技術など当然なかったので、父親に作ってもらいましたが、その組み立てられていく様子を興味深く見た記憶があります。
さらに余談では、実際に「自分で作った」最初のプラモデルは、この2~3年後、近所の駄菓子屋で売っていた、当時100円のB10サニーのもの。恐らく1/48くらいのスケールで、これはシリーズでE10カローラとかRT40コロナなどもあり、お小遣いで買えたので、何台か買った記憶があります。
閑話休題。そのサファリ仕様ブルーバードも、当然父親に作ってもらいましたが、リアシートにくくりつけられた2本のスペアタイアや、コドラ席の計器類もモールドで再現されており、フェンダー上のウイングランプやヘッドライトの飛散防止ネット、フォグランプなどとも相まって、ラリーが何か、ということもわからないまま、それはもう強烈に子供の心にカッコいいもの、として植え付けられました。
ネット恐るべしと言うべきか、画像検索をかけてみたら、なんと当時のキットを所有しているらしい方が、箱絵の画像をアップしていたので、お借りしました。
あれから40年以上経ちますが、このパッケージははっきり憶えていますね。ブルーバードのボディが、中のモデルも含めて白だったこと、バックにシルエットとなったブルーバードの走行写真が使われていたこと、隅に「栄光への5000キロ」の文字。
恐らくは、映画とのタイアップ商品と思われますが、それにしてはなぜボディが白だったのかは謎です。
画像を見るまで、このモデルはタイトル画像にもある、現在でも販売されているハセガワのキットだと思っていましたが、実際は永大グリップのキットだったということがわかりました。この会社は後に倒産していますが、ハセガワのキットが永大の型を買い取ったものか、新たに作られたものなのかはわかりません。ただ、ハセガワのキット内容を見ると、リアシートのスペアタイヤがないなど、微妙に違う部分があるので、新たに型を起こしたのかも知れません。
このキットは比較的新しく、2009年頃に限定で発売された後、昨年秋に再発されたようです。
ともあれ、これのおかげで、このすぐ後に来たスーパーカーブームにもまったく乗らず、唯一ランチア・ストラトスを除いて、フェラーリもランボルギーニにも興味なし。好きなクルマは?と聞かれると「サファリ仕様のブルーバード」と答える、超偏屈な小学生が形成されたのでした。(笑
そしてこれが今のラリー好きに至る、まさに原点なのです。
当時プラモデルから入ったので、映画を見ることは叶わず、ずっと見てみたいと思っていただけに、嬉しい思いです。
サファリ関連でもうひとつ持っているものは、映画の原作になった、日産チーム監督の笠原剛三さんが記したこの本。
映画の原作本があることは知っていましたが、これを読むまで510時代ではなく、410時代の話であるとは知りませんでした。
これをいつ頃手に入れたのか、もう忘れてしまいましたが、20年近く前の一時期に、昭和初期文学にちょっとだけ凝っていたことがあって、地方出張のたびに古本屋巡りをしていたので、その時に偶然見つけたものです。見つけた時の衝撃と嬉しさはひとしおでしたね。
内容的にはプロの作家が書いたものではないので、やや読みづらいところもありますが、当時の模様がリアルに描かれています。
そんなわけで、未だに510ブルーバードとか、サファリラリーとかのキーワードには、やたらと反応してしまうのは、文字通り三つ子の魂百まで、ってヤツですね。^^;
Posted at 2013/03/27 23:12:45 | |
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