
車齢28年。もうすぐ29年に突入する、わがちびくろくん。実に調子よく走ってくれるのですが、そこはやはり後期高齢車。あちらこちらと気になる部分が出てきています。
すぐに整備しないとヤバい状況ではないものの、ふだんの足に使っていていきなり走行不能になっても嫌なので、今回は予防整備をいくつか行うことにしました。
というわけで、
その1のプラグコード、フューエルホース、タンクキャップの交換に引き続いての作業は、ケーブル(ワイヤー)類の交換。
きっかけは覚醒後、クラッチ操作時の違和感。どうも昨年に比べてクラッチが重くなった気がするのです。
もともとが原付なので、クラッチ自体は軽いはずですが、昨年の記憶と比較しても少し重さを感じます。そこでワイヤーインジェクターをかけてみましたが、さして変わらず。
考えてみると、新車からの28年間いちどもワイヤー類を交換していないので、よく今まで切れていないなあと。昔のオートバイなら、ワイヤー類が切れるのはさして珍しいことでもなかったのですが、と、ヲッサンは感傷に浸ります。 ^^;
しかし昨年、初めてメーターケーブルが切れたこともあり、どのケーブルが切れてもおかしくない状況なのは明白。
そんなわけで、さっそく部品を発注。ケーブル類は消耗部品とあって、問題なく出ます。
ちびくろの場合、バークバスターのフレームが付いているので、まずはそれに付いているハンドガードを外し、クラッチレバー根元に引っかけてある、ワイヤーを外し、続いてクラッチ側の根元を外します。これ簡単。

上が新品のケーブル、下が今まで付いていたもの。当然のことながら古いものは曲がり癖が付いていることと、定期的にインジェクターをかけていましたが、さすがにワイヤーが渋くなっていました。
続いてはエンジンコントロール系のケーブル2本。
①はスロットルバルブ開閉用のケーブル。
②はオイルポンプ開閉用のケーブル。
この2本は途中で繋がっており、1本にまとまってスロットルグリップに付けられます。
③はキャブレター内のスタータプランジャに繋がる、スタータケーブル。いわゆるチョークですね。
新品のケーブル単体だとこんな感じ。
まずはスタータケーブルを外してみたところ、キャブのスタータプランジャ側の部分が、錆びていました。
むむむ。これ、よく切れずにいてくれたものです。あまり渋さを感じていなかったので、交換しなくてもいいかとも思っていましたが、冷寒時のエンジンスタートの時しか使わないとは言え、コレが切れるとエンジン始動不能になります。ましてキャブ側で切れられるとお手上げなので、発注したのは正解でした。
続いてスロットルケーブル。
ケーブルが繋がっている先端はキャブの頭で、このフタを外すと円筒状のスロットルバルブに繋がっています。バルブの先はジェットニードル。間にスプリングが入っています。
ワイヤーを引っかけてあるバルブから外せば、フタの部分から抜ける…はずですが、なぜかその上の45°ほどに曲がった部分にワイヤー先端の太くなった「タイコ」と言われる部分が引っかかり、抜けません。
フタの部分もバラしてみましたが、どうも曲がった部分で引っかかっているので、ここが通ってくれないと抜けないのです。
フタと曲がった部分は見たところ一体化していますが、もしかしてバラす方法があるのではと、整備書をめくってみてもそんな記述はありません。困ってネットで検索してみると、同じような症状の方がネットの質問室へ投稿していましたが、どの回答者もバルブから外せば抜ける、としか書いていません。
仕方なく、曲がった部分に潤滑剤を少量吹き込んで、えいやっと引いてみるとすんなり抜けてくれました。
新しいワイヤーは引っかかりもなく、スムーズに通ります。どうもワイヤーのタイコが公差よりわずかに大きめだったのでは、と思っていますが。^^;
バラしたバルブにワイヤーを通すのもちょっと難儀で、ワイヤーをスプリングに入れる→スプリングを縮める→ワイヤー先端を引きながらバルブに通す、という行程を同時に行わなくてはならず、手が3本要ります。(笑
しかもワイヤーは柔らかい上に引っ込みやすく、さらに内部の部品がいずれも固定されていないので、うっかり落としたり飛ばしたりしようものなら確実に行方不明。
なので一考を案じ、タイラップでスプリングを縮めてバルブにワイヤーを通してから、タイラップを切って入れましたが、これは成功。いえぃっ!
次いで分岐してオイルポンプへ繋がるワイヤー。2ストエンジンはガソリンにエンジンオイルを混入する必要があるため、アクセル開度と同期してオイルポンプの吐出量も変える仕組みになっています。
このワイヤーは外した経験がなかったので、単にポンプに接続されているナットを外せば抜けると思っていましたが、どうも中で固定されているのか引っ張っても抜けてきません。仕方ないので、ポンプのカバーを外すと、あーこうなってるのね…。

ワイヤーはポンプの端でかしめられており、しかも奥まっているので固定ボルトをゆるめて、ポンプを手前に引き出しーの、かしめをはずしーの。まあ、めったに換える場所ではないと言うもののちょっとめんどい。
ワイヤー先端をかしめ直してポンプを固定。さくさく組んだはいいものの、はて、ワイヤーの張りってどの程度だったっけ…?
ポンプのレバー部に、マーキングが2箇所打ってあり、アクセル全閉と全開の位置らしい。合わせマークは…とよく見ると、支点のそばに出っ張りがあって、その登頂にうすくマークが打ってあるので、これでしょう。アクセル側を全開にして、マークを合わせるように調整するはず。古いワイヤーよりけっこう張ったのでちょっと不安にもなりましたが、張る=ポンプの吐出量が増える、ので、多すぎたら白煙モクモクになるかもしれませんが、焼き付くことはないハズ。後で整備書をよく確認したら正解でした。^^;

前後しますが、アクセルグリップ部もワイヤーを通すために分解。グリスを塗り込んで組み付けして遊び調整しましたが、さくさく組んだので、写真を撮り忘れました。
ケーブルの取り回しも無理がないことを確認し、キック一発。
エンジンは軽やかに2スト独特の音を奏でます。
試走を兼ねて、近所の農道をちょこっと走ってみましたが、クラッチもスロットルももちろん軽くなっています。そしてなにより、加速力とトルクが向上しています。プラシーボではなく、あきらかに。
新しいプラグの効果もあろうかと思われますが、プラグコードとキャップ交換の効果が大きいようです。排気量がちいさいだけに、ちょっとした違いがハッキリわかるのは、小排気量ならではの楽しみですね。
とまあ今年の飴投入はこれにて終了…にはならず、まだもうちょっといじり残りがあるというか、出てきてしまったというか。時間と気力とお金があれば、手を入れるかも知れません。(ぇ