
疲れもあって、21時過ぎに寝たというのに、6時前まで爆睡。しかし、ルーフを叩く雨音で「うわあ、やっぱりか」と思いつつ、目が覚めました。
天気予報では、夜半から降る予報ではありましたが、明け方には上がっていると踏んでいたのですが、思った以上の降り方でした。
オートバイでテント泊だったら、げんなりしてすっかりやる気を失くすところですが、ここはクルマだったのが幸い。もうすぐ上がるはず、と、シュラフの中でぐずぐずしていると、30分ほどで雨音が止み、陽も差し始めました。
外へ出てみると、海の上に連なる雲がきれい。雨で空気中に塵が落とされ、対岸の青森の風景も昨日よりはっきり見えています。
西の方には、岩木山も姿を見せてくれました。
そして陽が差すと、セミ達もいっせいに大合唱を始めます。^^;
そんな朝食は、昨日のハセガワストアで仕入れたパン。いちおう、ガスコンロも積んではきたのですが、暑いので今回は使わず、ペットボトルのコーヒーで済ませましたが、ロケーションがいいだけで美味しい朝食になります。
朝食後は撤収、と言っても、歯磨きと洗顔をして椅子をしまうくらいなのですが、それでも急ぐ旅ではなし、慌てたくもなく、このロケーションを楽しみつつのんびりやって8時出発。
2006年の時がそうだったように、白神岬を抜けて日本海側へ出ると、本格的に晴れてきたのが嬉しい。
海がきれいなので、海沿いを走るだけでも楽しいのですが、時間があるのでところどころ国道を外れ、海辺の町並みの中を走ってみました。
松前では、前回は寄らなかった弁天島へ行ってみます。と言っても、ごくごくちいさな岬のようなもので、地図で見ると、もともと小島だったところに堤防をつくって、陸伝いに行けるようになったところのようです。
漁港が隣接していて、漁から戻って休んでいる、イカ釣り漁船がたくさん停泊していました。そんな中、奥にはこんなものが。
消波ブロックの製造現場です。ブロックは巨大で重いので、工場で作ると輸送費がかかりすぎてしまうため、敷設する現地近くで作るのが一般的だそうで、茶色いのは、コンクリートを流し込む型ですね。
そばには、敷設船も停泊していました。なかなか見ることがないのものなので、興味深い。
港内に掲げられていた標語が、超絶ローカルで楽しい。^^
その後もちいさな集落へ抜ける脇道を見つけては、入ってみます。
こういう、海辺の集落の雰囲気って好きなんですよ。特に道南のこのあたりは、昭和感もあるので。
北海道らしからぬ道の狭さから、長い歴史を感じます。なにしろ江戸時代から栄えていたのですから、内陸とは歴史が違います。
中にはおじいちゃんとかおばあちゃんが店番をしているのであろう、ちいさなちいさな商店とかもありました。ぜひ寄ってみたかったのですが、とてもクルマを停めるスペースがなく、断念。
東の高台を通る、国道を見上げます。これまで見ていたのと、逆の光景なので、新鮮なかんじがします。
上ノ国町にある、日方泊岬灯台と、小砂子という集落。海の町、という雰囲気がすごくいいかんじでした。
さらに北上。大成から国道は内陸に入りますが、もちろん海沿いを走りたくて、道道740号に入り、海を堪能します。
遠くに見えるのは、奥尻島。島に渡ったのは、もう28年も前になりましたが、もういちど行ってみたところのひとつです。
なにしろ海がきれいで、これだけで、山住まいのかわねこはテンションがあがります。(笑
ちなみにこの道道740号は、全面開通したのはわずか9年前。ちょっと前までこの景色は拝めなかったのです。
そしてなんどか来たことのある、大田山神社にも寄ってみました。
ここは本殿ではなく拝殿で、本殿は山を登り、さらに岩をよじ登った先にあるという、エクストリーム参拝が必要な神社で有名。
この海沿いの道には、飲食店はおろかコンビニもほとんどありません。大成でコンビニに寄っておけばよかったかな、と思いつつも海沿いを堪能して、せたな町に入った時には、とうに昼を過ぎていました。
なのでやっと現れたセイコマでおにぎりを買い、せっかくなので、近くにある立象山展望台へ登ってみました。
この絶景で、道内でもわたしが好きなポイントのひとつです。
キャンプ場にもなっていて、なんどか泊まったことがあり、気持ちの良いキャンプができますが、さりとてここで泊まるにはまだ時間が早すぎるし、今はテントも10張りほどしかありませんが、もしかすると夕方にはいっぱいになってしまうのかも。
さてここからどうするか。
休みはまだあるので、もう一泊してもいいのですが、ちょっと昨夜の寝苦しさで疲れてしまいました。それに明日は、残念なことに雨が降るのは間違いない予報。
ならば帰投する方向か。ルート的にはせたなから国縫に山道を抜けて、国道を北上するのがまっとうです。(びんぼーなので高速は使わない)
しかしせっかくの天気なので、もう少し海沿いを走りたい。紙地図でルートを確認し、マップアプリで距離を計算してみると、寿都まで走って、蘭越へ抜けても大幅な回り道にはならなさそう。
蘭越到着が16時前くらいか…と、考えて気づきました。蘭越を16時出発ということは、例年のラリーカムイからの帰路とほぼ同じではないか。ということは、のんびり走っても、じゅうぶんに日付が変わってしまう前に帰着できるはず。そんな計算で、帰投決定。
海沿いの景色にも後ろ髪を引かれましたが、たぶん岩内から先、積丹、小樽は渋滞必至、という予想もありました。
ということで、ここからはひたすらに走る、走る、走るの爆走モードになったので、写真はありません。
先月のラリーカムイの時には、土砂崩れで通行止めになっていた美笛峠も開通しており、問題なく通過。思えば、こんな馬鹿っ走りをしたかったのが、帰投を決めた要因だったのかも。(笑
そんなこんなで、雨にも当たらず22時前に、無事帰投完了。
ひさびさの、目的のない一気走りはやっぱり愉しかったのでした。
了