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2025年03月23日 イイね!

無題

無題amazonでフィギュアを予約購入してはいけない。
そんな言説が一部界隈にはあるのですが(1敗)、自動車部品もkonozamaだった。

ここ数年、地元の整備工場がやたらと忙しくなってきて部品注文に行くのも憚られるようになっており、特に現在のビートのように一か所ずつ変化を確かめながらメンテをするような流れでは猶の事頼みづらい。

そこで割高とはいえ、ネット通販を利用するようになっていったのは自然な流れであるのですが、ここに来てこれである。


お前さぁ…ひどいよ

在庫はあるって書いてたもんな?
なのに何で注文確定から9日も経ってこんな真似すんの?

もう頃すしか(


…まあ通販あるあるっちゃそれまでなんですが。



さて、そんな足止めを食らうビートを尻目に、手に入る予定じゃなかった部品が手に入ってしまうミニカ。

キャブ仕様DOHCの3G83が丸々一基。


これはもちろん、91年8月MCでのNAエンジンのブロック変更に関する件なのですが…
(以降、これを便宜的に後期型と呼称します)

あれからの動きとしては、一応2024年12月に調べた時点でキャブDOHC用の後期型オイルパンは当然のように生産終了の上欠品。

新品ブロックassyについては、どうせ先立つ物も無いのでH22系後期の部品番号の物が供給可能かすら調べていませんでしたが…
DOHCヘッドが載るか載らないかだけで考えれば、例えばH40系の物でも恐らく載るだろうとは思います。

ただ厳密にはH22系当時ですら、SOHCとDOHCとでブロックの基本構造は同じながら、シリンダー内径部とアッパーデッキ面との角部分の加工寸法が異なる、一部スタッドボルト長さが異なる等の非常に細かい違いがありました。

ましてや車両型式からして全く違うブロックを流用するなら、H22系DOHCの部品群とはどこで折り合うのかをぶっつけ本番か、当該年式までのミニカ全年式分のモデルチェンジ資料を手に入れて確認しなければならず、さすがに単体で十万から掛かるであろう新品でそんなリスクと手間を取る気にはなれません。


…そんな折に出てきてしまった、93年式ピアチェLの中古エンジン。
その車両情報に間違いが無く、以前のオーナーによって積み替えられていなければ、確実に後期ブロックが使われていると断定できるキャブDOHCエンジンです。

部品の整合性リスクを回避した上で、既に新品入手不能の部品を含む全ての部品一式が安価に手に入る可能性が非常に高い訳で…



…今度は俺も早々に企画倒れのつもりだったのによお
なのに何でたった2か月かそこらで出てくんの?

…もう買うしかなくなっちゃったよ

そんなんで入手したエンジン、オイルパンを見た瞬間に後期ブロックである事が無事確定。



当たり前ですが、本当に資料通りの物体が出てきました。

このビーム付きブロック自体はH40系でも使用されているので、2025年になったとは言え3G83のこの姿はまだそこまで珍しい物ではないのですが、30年以上前のH22系後期用としてドナー車輛の素性がはっきりしたエンジンが解体屋から出てくる機会が今後どれだけあるかと考えたら…

しかもこの個体は走行距離が8万キロ程度で、スラッジも少なく比較的程度が良さそう。

…これは結構とんでもない引きだったかも知れません。


また、キャブ仕様でなければならない理由はオイルパンにもありました。
同じDOHC用オイルパンでもインジェクション仕様のNA用にはブリーザーパイプ、ターボ用にはリターンパイプが付いているためそれぞれ専用品で、キャブ仕様にはそれらが無いためやはり専用品となっており、必然的にキャブエンジン限定で探さざるを得ません。

それら今となっては収集不能に近かった部品が、冗談半分で思い立ってから1年もせず一気に揃ってしまいました。


そして一応、シリンダーの中も覗いておくと…

一部に縦傷が有るっちゃ有ります。今使っているリビルトエンジンよりはるかに少ないですが。
そして何より、シリンダー壁面に錆が出ている事の方に驚きました。
ラインオフから三十余年で8万キロと言う走行距離がどういう事なのかを如実に物語っています。


しかし解体直前まで普通に実働エンジンだったようなので、エンジンオイルを入れ、シリンダーにはプラグホールからベルハンマーを吹き込み手動クランキングしてみたらちゃんとスルスルと動きます。

当~分この状態で時々クランキングしながら保存するつもりなので、今の所これ以上分解する予定はありません。

いわゆるモスボールと呼ばれる状態には遠く及ばず、虫が入り込まない程度のメクラと鋳鉄ブロックへの防錆剤塗布、外装のブルーシートまでを含めて3重に包装してカーポート下での保存となるので、しばらくは保存方法の検討の為にも注視する事になると思います。


後はこの流れで、以前から持っているエンジン部品群も久々に梱包を解いてチェックしてやらんとですね。
Posted at 2025/03/24 06:52:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2024年12月15日 イイね!

無題

無題10月にホンダの燃料ポンプとダイハツの燃料フィルターを流用してから、何かやたらとエンジンが超絶好調なミニカ。

流用カムとターボ用純正マフラーだけのライトチューンも相まって発進から8,000rpmまでバランス良くパワーが出るし、中回転辺りから一気にアクセルを踏み込んでキャブの加速ポンプを効かせればシートに押し付けられる程の加速力。

しかもミッションまで謎にサクサク入るようになる等良い事づくめで、快適過ぎてめっちゃ楽しい。



さて、そんなミニカのエンジンですが、昨年に気付いてからオイル滲みがじわじわと広がってきていたオイルパンを修理する事にしました。

リビルトエンジンに積み替えてから2年、走行距離にしたら恐らく1万㎞程度で滲んでいたであろう前回の同様の修理からは約15年6万㎞。

3G83のオイルパンガスケットは液体ガスケット塗布のみで、15年前は車検時に修理作業をお願いしましたが、液ガスの製品の差なのか塗り方の差なのか、随分と寿命に違いが出たものです。


で、今回のガスケット塗り直しに関しては、どうせなら自分の目で確かめておきたかった理由が一つ。



このリビルトエンジンは一体何者なのか。


…と言うのもこの3G83というエンジン、ミニカの車系で言うと1990年2月のH22系デビューから約1年半程の期間のNAエンジンにのみ、その後の物とは一部寸法に互換性が無い初期3G83特有の腰下部品が使用されています。

で、ウチのミニカは1990年式のNA車なので、正にこの初期エンジンを搭載しているはずの車体になるのですが…

エンジン全体のASSY交換であれば互換ですし、リビルトエンジンへの積み替えに当たってエンドユーザーには仕様違いなんて説明されませんので、正体不明になってしまいます。

なので、現状のままでは今後の再オーバーホールを検討する際の部品調査に不都合がありますので、まずは一旦そこをクリアにしておきたかったという訳です。



その腰下部品の、初期とそれ以降との分かれ目となる変更の直接の原因となったのが、1990年8月の3G83ターボのデビュー(ダンガンZZシリーズの660cc化)。

この際、3G83ターボには従来の3G81及び3G83に対して、クランクシャフトのメインベアリング軸受け部の振動による騒音対策として別体式のビームが追加されました。


それに当たり
・ビーム回避の為、メインベアリング4番付近のブロック本体形状の変更
・従来よりも突出するベアリングキャップボルト回避の為、オイルパン形状と取り付け穴位置の変更
・オイルパンの穴位置変更の為、リア側オイルシールケース下面のネジ穴位置の変更

…と、3部品の形状及び寸法変更が行われ、これが後に1991年5月のマイナーチェンジにてNAエンジンにも適用。DOHCエンジンには全て同ビームが採用されるようになりました。


また廉価版のSOHCエンジンにはビームの採用が無く、資料にも明記されていないものの、このブロック形状変更は鋳造時の中子形状から変更されているものであり、各部品番号の変遷やH30系以降の後継SOHCモデルのブロックやオイルパン形状を見ても、恐らくSOHCもこの91年次に共通の形状変更が行われていた可能性が高いと推測されます。



そしてこのブロック形状は、3G83末期のH82系eKシリーズやU60系ミニキャブまで踏襲されながら車種やグレードによるビームの有無があった為、仮に今OH用に新品ブロックASSYを購入検討する場合、自分のエンジン仕様を把握した上で新品ASSYの仕様と擦り合わせないとオイルパンとの整合性が問題になりうるという話でして…



それを踏まえてウチのエンジンを見てみると…

うわ…初期型ブロック…
恐らくリビルト業者もきちんと車体番号とブロックの対応を把握していたのでしょう。
って言うか、2007年当時に良くも初期型のベースエンジンがあったもんです。


かつてキャブをリビルト品に交換した際はしれっとマイナーチェンジ後の物になっていたので、実はエンジンも「もしかしたら?」と思っていたのですが…期待が外れました。



実際には、外側からオイルパンのリア側ボルト付近の形状が平坦なのを見て薄々察してはいましたが…

こんな立派なバッフルの付いた初期DOHC専用のオイルパンですが、仮に静音化を目論んでビーム付きブロックASSYを入手したとしても組み合わせられません。

特にDOHCヘッドは油圧ラッシュアジャスターも使用していますし、バッフルが在っても実際にエア嚙み起因かと思われるラッシュの動作不良による打音も経験しているので、単純にeKワゴン等のバッフルの無い車種のオイルパンをポン付けするのは尚更リスクがあります。



もし今でも新形状DOHCキャブエンジン用のオイルパンが手に入るのなら、ビーム付きを狙ってみたいものですが…

まあ出ねえだろうなぁ…



いずれにせよ、新品ブロックに置き換えるとした場合に必要な腰下部品は何となく見当が付きました。

しかしそもそもブロック以外にもピストンなりガスケットなり、5バルブ専用の補修部品なんて今更出るのだろうか…?



…先立つ物が無い現状、今は取り敢えず同人活動を頑張りましょうか…
Posted at 2024/12/15 22:07:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2024年05月26日 イイね!

無題

無題10年以上使っているモチュール300Vで初めて並行品を掴まされました。

これまで正規品を扱っていた店からのリピート購入で、まさかこれが送られてくるとは…
現物が見えない通販ならではのリスクを再認識させられますね。



かつては日本向け正規品とは明確な価格差があって判別出来たらしいですが、少なくとも今回は前回との価格差はありませんでしたし、相場からかけ離れていた訳でもありません。

しかし毎年着実に値上がりしている購入履歴を見ていると、従来の販売価格を維持するために並行品に切り替えた可能性もあるかと思いますが…これじゃ信用なんてあったもんじゃないです。


以前見掛けた情報では、300Vはどうやら仕向地毎に気候(湿度)の違いによる水分混入への耐性を変えているらしいので、この並行品がどこ向けかは知りませんが、走行距離が少なく比較的長いスパンで使うウチの使い方では一応気にしておいた方が良いのかも知れません。



さて、今回のオイル交換対象はミニカ。
昨年4月、10年以上前から徐々に症状が出始めていたマフラーからの白煙対策として安物オイルキャッチタンクを付けたところ、想像以上にブローバイホースからオイルを吹いていた実態が分かりました。
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しかしこれまでの経験上、慢性的にオイルを吹いている訳ではないと感じていた事から、前回の交換後からキャッチタンクのチェック間隔を細かくし、どのようにオイルが溜まっていくのかを観察してみました。


すると…
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2023年10月1日に258,824kmでのオイル交換で一旦キャッチタンクを空にし、年が明けた2024年1月7日の260,227km、約1,400km走行した時点まではほとんどオイルは溜まっていませんでした。

が、そこからわずか470km走行後の3月3日のチェック時(260,698km)には大量のオイル溜まりが現れます。
これはこのチェックの数日前、夜間に7,000rpm付近まで回した所でマフラーから白煙を吹いたように見えたので、その時に吹き出た物と見て間違い無いです。

その後は4月28日の交換時(261,330km)まで白煙を吹く事は無く、タンクのオイル量が激増する事もありませんでした。

やはりこれまで感じていた通り、このオイルは突発的に吹き出ている物でした。





この慢性的でなく、ある特定の運転条件でのみブローバイとして吹き出し、あるいは吸気側にはリターンせずにオイル上がりのようにマフラーから白煙を吹く症状。


当初これらは別々の原因かと思っていたのですが…

これ、実は両方ともピストンリングのフラッタリングが原因なんじゃなかろうか?
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出典:林 義正「乗用車用ガソリンエンジン入門」


何らかの原因でピストンリングがピストンの溝の中で浮いてしまい、瞬間的に燃焼室の気密が保てなくなるこの状態。

林氏の著書の中では、圧縮工程中頃から上死点に向けてピストンが減速していく際、または膨張行程初期に起きる事があるとされており、これは燃焼室からクランクケースへの吹き抜けが起きるタイミングの事を指していると思われます。



一方、中村正明氏の「ピストンスカートの潤滑メカニズムとピストンリング部へのオイル供給に関する研究(2007)」では、膨張行程後半にピストンのランド間圧力差によりトップリングが浮く現象が起きリバースブローバイが増える、と触れられており、またその他の項からもフラッタリングによってオイル上がりも起きうる事が読み取れます。


フラッタリングが起きる原因や発生工程は一旦置くとして、大量のブローバイガス吹き出しとオイル上がりという全く逆方向の事象が同じ原因で起きうる事が分かり、これが今ミニカに起きている現象と辻褄が合う気がするのです。



そして仮にフラッタリングが原因であるとすれば、H22系ミニカのキャブ仕様DOHC3G83のカタログスペックは46ps/7,000rpmなので、7,000rpm付近で白煙を吹く現象は間違いなくピストンリングの仕様によるものではありません。



…そういやファイバースコープ持っていたのを思い出したので、この機会にシリンダー内部を覗いてみましょうか…

な ん で す か こ れ


便宜的に1番シリンダーの4方向のみ掲載していますが…3気筒全部縦傷だらけです。
中には爪も引っかかるんじゃ無いかと思えるレベルの傷まで。


186,087kmでリビルトエンジンに積み替えてから走行約7.5万km。
ざっと見た感じ全体にハッキリと残っているホーニングのクロスハッチに対して大半の縦傷はかなり薄く、何なら縦傷の上に研磨痕が付いているという事は…ほとんどホーニング前から付いてた傷じゃん。


…これ多分、終わっているのはピストンリングではなくシリンダーの方って事でしょうね。


ここから推察するに、ある程度以上の高負荷になると特に深い傷の部分からピストンのセカンドランドへのガス漏れが顕著となり圧力が上がり、トップリングがフラッタリングを起こす→

→堰を切ったようにセカンドランドへの吹き抜けが起き、セカンドリングでガスが止まればシリンダー面で掻上げられたオイルが燃焼室側に吹き出し、止められなければ大量のブローバイガスがクランクケースからヘッド内のオイルを吹き飛ばしながら吸気側へ→


→どっちにしろマフラーから白煙が出る。


…事になるのでしょうか。
シリンダーのコンプレッションとはまた別の話でしょうし、検証する術が分からないのであくまで仮説に過ぎませんが。




いずれにせよノーマルの最高出力回転数すら満足に回せないようでは、わざわざ流用したMPIエンジン純正ハイカムの真価なんて望むべくもない現状。
白煙上等で回した所で、ひとたび吹き抜けてしまえばバックプレッシャーとのダブルパンチでパワーなんて出るわけありません。

ただ、通常の街乗り使用の範疇であればレベルゲージを見て分かるようなオイル食いも無いので、実用上大きな問題にはなっていないのだけは救いです。



思えば17年前にエンジンを積み替えた当時はまさかこんなに長く乗っているなんて考えてもみなかったですし、当時既にオリジナルのエンジンから異音が出ていた事も踏まえれば、これは十分現実的な判断でした。

今でこそ、前オーナーがどんな扱いをしていたか分からない中古車や中古・リビルトエンジンなんて欲しいとは思いませんが、まさか17年経った今更になって答え合わせをされるとは。


…何か新品の3G83ブロック欲しくなるなぁ。
Posted at 2024/05/27 02:28:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2024年03月16日 イイね!

無題

無題ミニカのブレーキ周りをフルオーバーホールしました。

これまでも各シリンダー類のオーバーホールやパッド交換は都度個別に行っていましたが、フロントローターとリアライニングまでを含めた全交換はこの車に乗り始めた際に全部新品交換した2007年以来。




とは言え走行距離にすれば7万キロちょっとしか走っていないので、リアライニングなんて全然減ってないし、後先を考えずにケチればパッドもローターもまだ使える程度でした。

しかし純正新品が製廃だらけの今、他車種との共用等もあって社外品でならばまだ一式のオーバーホールが出来ます。

何なら、外したパッドやライニングを張り替え再生のベース部品として確保する事も出来るので、部品調達が容易な内にどこかで再リセットをしておきたい、という事で奮発しておきました。



さて、そんな今回の部品調達中(2023年秋頃)に耳にした、整備工場からの不穏な話。
マスターシリンダーのリペアキットが入手不能

特に純正も社外も指定無くリペアキット類の手配を整備工場にお願いしたところ、部品商から「セイケンもミヤコもマスターキットは部品欠品で入手不能」との回答が返ってきたそうで。
これを聞いた時には、H20系もとうとう来たかと覚悟しました。


しかし改めて両社の適合表を調べてみると、2023年秋の時点でH20系のABS無しマスター用リペアキット(MB238979相当品)は価格改定こそあれど、生産終了のアナウンスは特にされていません。


結果的にもネット通販で普通に買えたのですが、部品商が入手不能と宣った意味が分からず気持ち悪かったので、念のためストック分も買っておく事にします。






そしてこんな目に遭ったからには、自然と思い浮かぶのはマスターシリンダー流用。
折角分解するので、流用調査もやりやすいこの機を逃す手はありません。



そこで用意したのはH40系ミニカのマスターシリンダー。(写真左)

純粋な三菱開発時代の車種ですし、H20系のそれとはマスターバック取り付け部やブレーキラインのアウトレット方向も良く似ているため基本設計が共通である可能性は十分あります。

またこのマスターはH82系ekシリーズやトッポまで使われていたため、年式的に新品アッセンブリもまだ十分手に入るはずです。



と言う事で、まずこのH40系マスターシリンダーがH20系マスターバックに物理的に搭載出来るか試してみると…

取り付け部のボルト穴ピッチやシリンダー外径、ピストン側の軸寸法も同一で、完全ボルトオンで装着可能でした。


ただ、そのまま使用出来るかどうかとはまた別の話。

H20系(ABS無し)のブレーキラインアウトレットはプライマリピストン側が2つ、セカンダリピストン側が1つで、合計は3つです。

一方H40系(ABS無し)はプライマリ側2つとセカンダリ側2つの合計4つ。
その内、下側2つのリア用配管のアウトレットにはそれぞれプロポーショニングバルブ(以下Pバルブ)が直接装着されるためネジサイズがM16×1.0と大きく、一般的なM10のフレアナットや盲栓をシリンダーに直接締める事が出来ません。



かと言ってPバルブを残すと、H20系では配管自体が存在しないセカンダリ側の物がエンジンハンガーに干渉。

プライマリ側についてはH20系では左前輪ブレーキ配管であるため、やはり装着不可となります。

(H20系に於けるPバルブ装備は、ウチのμシリーズのような一般グレードの大多数には元々無く、現状の残存割合が多いであろうダンガン系グレードの場合は最初期のH21V型からH22系最終型まで、ターボ・NA、2駆・4駆、MT・AT全てのタイプに標準でリア配管途中にPバルブが入っています。)


そのため、H40系Pバルブは全て装着不可で変換アダプターや盲栓が必須となり、その雄ネジサイズがM16×1.0なのですが、これはブレーキ用品はおろか一般用途すら極めて少ないレアな規格となり、市販ボルトの加工、またはネジ屋さんでワンオフしてもらうにしてもかなりの高額になりそう。




そして、これだけではまだ使えません。
ブレーキパイプのフレア形状も異なっており、H20系はダブルフレア、H40系はコンケーブ(多分DIN規格)となっているため、フレアの作り直しあるいは変換ライン製作が必要です。





またH40系のリザーブタンクについてはボンネットはギリギリ躱せそうでしたが、GAB/FET製タワーバーとは確実に共存不可で、ガッツリぶつかります。



だだ、このタンク接続部の各寸法はH20系とH40系とで全く同じで、ゴム製のシールも同一部品。
タンク固定用のロールピンの位置も同一なため、H40系シリンダーへのH20系タンクの流用は可能であり、液量センサー配線の都合もあるのでタンクが無事ならば組み替えた方が無難そうです。





ちなみにシリンダー外観の基本寸法はおおよそH20系からキャリーオーバーされていた事から、インナーキットだけの流用は出来ないかとも試してみましたが…

まさかのピストン径が違ったのです。
H20系 20.6mm(13/16インチ)
H40系 19mm(3/4インチ)
このため、完全に流用不可でした。




…これらの事から、ABS無し車への現時点でのH40系マスターの流用は、現状で既にオリジナルのシリンダー本体が再使用不能な状態でなければ、不可逆な加工やアダプター製作等で手間と値が張るデメリットの方が遙かに大きい物でした。

もちろんH20系のリペアキットが本格的に入手不能になった際には、マスターバックに無加工で搭載出来る点で有力な補修手段の一つになってくる事は間違いありません。


また余談ながら、ABS付き車の場合はH22系とH40~H82系の一部年式とでシリンダー外観がアウトレット数含めて酷似している物があるため、もっとすんなり流用出来るかも知れません。




…取りあえず今回の結論としては、ABS無し車ならば、まずはまだ入手出来る本来の適合通りのリペアキットをストックしておく方がベターと言う事ですね。

ってかH40系の新品マスターASSYなんていくらするのやら…
Posted at 2024/03/16 15:14:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2024年01月21日 イイね!

無題

無題約11年間使用したミニカのスタッドレスタイヤを新調しました。

ここ数年雪らしい雪に降られた記憶がほとんど無いのでついついほったらかしにしていましたが、さすがにシャーベット路面では滑りやすくなったかなとは感じていました。



ただでさえ雪の少ない関東平野部だからこそ、いざという時に役に立たない「スタッドレスのトレッドパターンを持った何か」ではそれこそ意味がありません。


で、今回は11年物という普通あまり無いレベルの骨董品なので、折角なら硬さは如何ばかりかと、よくあるタイプAデュロメータで測ってみました。

ただし例によって安物なので、絶対値がどこまで正確かは分かりません。
またデュロメータの構造上、測定物が柔らかいほど時間経過で圧子がくい込んでいき表示数値が下がってしまいます。
安物故にピークホールド機能も無いため、カメラを構える間にも変化してしまうので写真はイメージです。



まずは2012年製のダンロップDSX-2

硬さ55~60

スタッドレスにあるまじき年数を経ている割にはギリギリセウトな感じです。
恐らく、オフシーズンは日の当たらない軒下や玄関でタイヤカバーを掛けておいた為にこの程度で済んだのでしょう。

とは言えサイドウォールにはヒビも出始めていたので、全体的に見れば間違いなく要交換なレベルでした。



次に新品、2023年製のダンロップ ウィンターマックス02

硬さ45~52

実際のタイヤ交換は23年10月、写真の測定は11月に行ったので、トレッドパターンとしては旧型でも製造からは半年程のまごうこと無き新品なのですが、ネットで見掛ける新品スタッドレスの一般的な硬さとされる値よりやや硬い気もします。

あとは、ここからの硬化がどう進むかなのですが…



そこで丁度良いサンプルとして、2018年にビート用に購入したウィンターマックス02を測ってみると…

硬さ55~60

保管場所と方法はDSX-2と全く同じなのですが、5年ちょい落ちで既に11年落ちのDSX-2と同じレベルに硬化しているではないですか。

新品の数値を見るにウィンターマックス02のコンパウンドがそもそも硬いのか、一般的な寿命とされる時期も過ぎ掛かっているせいなのか分かりませんが、雪道なんてろくすっぽ走った記憶が無いのにまさかのセウト判定です。


…まあミニカが新品になったし、ビートは夏タイヤを替えたいくらいなので暫く放置です。


基本的には雪が降らないと言っても、南岸低気圧の機嫌が悪い年には寝首を搔かれるのもこの地域の特徴なので保険として割り切ってはいますが、どうしてもコスパが悪く感じてしまうのは仕方ないところですね。
Posted at 2024/01/22 00:27:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記

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「[整備] #ミニカ フューエルフィラーホース流用交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/204131/car/99238/8242110/note.aspx
何シテル?   05/24 22:58
第三次の頃にぱらぱらしていたおバカ。 今では小学生レベルの分数計算すら出来ない正真正銘の馬鹿+割と雑食な気分屋です。
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