またまたフィルムカメラの話題です。
新しくフィルム機を購入しました~
憧れの”ニコンF一桁機”、
「ニコン F3」です。
このF3、私が
”世界一カッコいいカメラ”だと思っているカメラです。
以前から欲しいとは思っていたものの、中古相場が意外と高くて手が出なかったカメラです。
ヤフオクでジャンク扱いのモノを買いました。2万ちょいでした。
まず、語らせてください。
F3は正面から見たときの姿が直線的で非常にカッコいいのです。
それまでのカメラとは違い、赤のラインや丸みのあるグリップ部など、デザイン性にも力が入れられています。
このデザインを考案したのはジョルジェット・ジウジアーロ。
アルファロメオ ジュリアをデザインしたあの方です。
特に赤のラインは、その後のニコンのカメラのアイデンティティとなっていますね。
ちなみに、ジウジアーロはF3からD4まですべてのフラグシップ機のデザインを担当しています。
機能面でも当時最先端の電子制御シャッターを取り入れています。
シャッター速度ダイヤルが備わっていますが、これはそれまでの機械的なスイッチではなくて、CPUに情報を入力するスイッチとなっています。
シャッターも、電源スイッチを入れなければ切れません。
外観はクラシックですが、中は現代に通づる電子的なモノとなっています。
ストラップはオマケでついてきたのですが、これもF3によく似合います。
レンズについてなんですが、F3用に標準レンズが欲しいなと思い、「50mmF1.4」や「50mmF1.8」など定番のNIKKORレンズを買おうと思ったのですが、どうせなら変わったものがいいなと思いまして、
「MSヘリオス 81H」という旧ソ連製のレンズを買ってみました。ヤフオクで8500円でした。
いわゆるロシアレンズなんですが、現ウクライナの「キエフ17」というカメラがありまして、なんと
ニコンFマウントを採用していて、50mmF2.0というスペックの標準レンズを作っていたのです。
ちゃんと絞り環にAi連動爪もついています(笑)
NIKKOR50mmF1.8ほど小さくはありませんが、それでもかなりコンパクトなので、小型なF3にマッチすると思います。
のちのちはフォクトレンダーのウルトロン40mmF2.0、ツァイス プラナー50mmF1.4、そしてNIKKOR 50mmF1.4なども集めたいと思っています。
そもそも、なぜ今さらF3が欲しくなったかというと、写真用品メーカーの「ハクバ」のカタログにF3が写っていたのがきっかけでした。
これはハクバの「ブラケットL-3」という商品のイメージ画像なんですが、このようにF3HPが装着されているんです。
これを見てF3への憧れが一層強くなってしまいました。
当然、ブラケットLも持っております。
実際にブラケットとストロボを付けてみます。
もうなんかこれ見た目だけのオブジェとして置いておいてもいいレベルです。
見た目重視だと、大きな前玉の85mmF1.8を付けても非常に美しくなります。
AF NIKKOR時代のレンズも良く似合いますね。
以前から使っている「ニコンEM」と並べてみました。
F3 と EM、この2機種は同時に発売された兄弟種なんです。
さらにデザイナーも同じ人物です。。。
EMはリトルニコンと呼ばれるだけあって、操作が少なく非常に簡単に撮影できます。そして一回り小さいです。
反してF3はフラグシップ機だけあって機能が満載です。
F3はカスタマイズも豊富です。
ファインダーが交換出来たり、スクリーンの種類も多数ラインナップされています。
私はジウジアーロデザインの原形で使いたいのでアイポイントのままです。
さらに、デジタルのフジフイルム「X‐T4」とも並べてみました。
サイズ感がかなり近いです。
T4の方が若干厚みがありますが、手振れ補正のないT3なんかだとほぼ同じサイズになると思います。
そう考えるとフジフイルムのデザインは本当に上手いですね。
さて実際に使ってみました。
2週間でフィルム1本撮り、現像に出してきました。
ボデーの状態が良くても、実際に撮影に使えるかどうかは現像が終わるまでわからないのが中古フィルムカメラの怖いところです。
絞り優先オート(シャッター速度はカメラが自動で決めてくれる)で撮って、27枚中21枚は適正な露出で測光・感光できていました。
いくつかあげてみたいと思います。
使用フィルムはフジカラー スーパープレミアム400です。
レンズは85mmf1.8。
まず、F3の露出計が合っているか確かめるべく「X100F」という名の露出計で露出を計測します。
レンズの絞りF2.0、フィルム感度400、F3の露出計内に表示された1/125にシャッター速度を合わせて試写。
1/125 F2 ISO400 焦点距離70mm(35mm換算)
(↑デジタルです)
これを踏まえてF3で撮ったのがこちら↓
1/125 F2 ISO400 焦点距離85mm
ピントもバッチリ、露出もだいたい合っています。
これによって、露出計とシャッター速度の精度が概ね合っていることが証明されました。
石に生えていたコケを撮りました。
これは開放f1.8で撮っています。
このレンズは本当にボケが美しいですね。
縦位置で106の後ろ姿を。
雨上がりの湿り気が良く伝わってきます。
次はヘリオス81(50mmf2)に付け変えて、柳ケ瀬公園のサルスベリを撮りました。
このレンズを使ったのはこの時が初めてでした。
ヘリオスなのでもっとグルグルと渦巻くボケになるかと思っていたのですが、予想に反してきれいなボケです。ピント面も結構シャープで、全体的に美しいです。
公園の小道を開放で撮った一枚です。
ピント面ははっきりと、それ以外は流れる感じでボケてます。
特に意味のない写真ですが、一応これでも狙った感じに撮れてます。
池の橋を狙っています。
手前に写りこんだ草木がぼわっとボケています。
続いて電車です。これは自分のミスもあってイマイチな出来でした。
先週、長野県の明科駅近くで撮りました。
後追いのE127系、朝早くで曇りだったので、光が足りていない感じですかね。
感度400フィルムだとこういう場面で少し荒いですね。
この日の目当ては下りの一番「しなの」だったのですが、、、
シャッターのタイミングが遅かったです(悔しい!)
連写の利かないカメラだとこういう時には早めにシャッターを切るような感じでないといけませんね~
明科駅から長野方面への普通列車を180mmF2.8で狙ったのですが、、、
これは盛大な露出アンダー!
構図、ピント、タイミング、すべて合っている気がしていたので失敗写真になっていて残念です。
これはおそらくフィルムの問題だと思います。
一応後追いも。
こちらはピントが若干外れていますが、測光は正しいですね。
イメージ的にはいい感じです。それと211系は加速時の音が結構大きくてかっこいいです。
最後はヘリオスで適当にススキを一枚。
長野はもうススキの穂が出ていました。
朝晩は結構寒かったです。
とまあ初めてのF3はこのような感じになります。
やはりフラグシップ機だけあって使いやすいです。
露出計も正しそうだし、ファインダーも見やすいです。
フィルムを巻き上げるのとシャッターを切るのが楽しくて、
どんどん撮りたくなります。
これってカメラというものに於いてとても大事なことだし、デジタルが当たり前な今あえてフィルムを使う意味が本当にあるなと思います。
現像代が馬鹿にならないんですが、まだフィルムが6本もあるので、失敗や現像代を気にせず撮りまくっていきたいと思います。
(新たにフルサイズのデジカメ買うよりは安上がりですから、、、たぶん)