またつまらぬレンズを買ってしまいました、、、
よく、仕事が苦境にさしかかると大きな買い物をしたくなる、、、みたいな言葉がありますが、最近は仕事のストレスもあまりなく、残業も少ないのでそんな苦境でもなんでもなかったのですが、それでもちょっと大きめの買い物をしてしまいました。。。
物欲は苦境とか関係ないみたいです(汗)
で、買ってしまったものがこちら、、、
PC-E Micro NIKKOR 45mmF2.8Dです。
これはあおりレンズというタイプのレンズで、レンズ群を像面に対して上下、左右に動かすことで、被写体の
写る範囲と
写り方をコントロールできるものです。
これのチルト機能を駆使することで、画面内の広い範囲にピントの合った写真を撮ったり、逆に一部分にしかピントが合っていない写真を撮ることができます。
さらにシフトを操作して、被写体の窄まりを補正することもできます。
ちなみに定価では30万以上もするレンズです、、、(もちろん中古で買いました)
ちなみにこのレンズを買った理由ですが、私にとっての”最高の標準レンズ”が欲しかったからです。
やはり50mm前後は写真の基本といわれるくらいに使う機会は多いので、標準はコレ!と言って使えるようなものを探していました。
他の候補としてはニッコールの58mmF1.4G、ツアィスのミルバス50mmF1.4、プラナー50mmF1.4などでした。
そんななかでこのPC45mmはF2.8と暗いのですが、あおりレンズというのはイメージサークルが広く出来ているため、画面端まで均一な描写をしてくれるのではないかと思ったからです。
それとこんなの使ってる人いないからです。
いろいろな使い方があるあおりレンズなのですが、とにかく使ってみないと良くわからないので、フラワーパークで彼岸花を撮ってきました。
ノーマル
まずは普通にヒガンバナを一枚。
まあまあ普通に綺麗な写真ですね。
次は風景を撮ってみました。
ノーマル
まずは開放で一枚。
ここからチルトを動かして撮ってみました。
直行方向にチルト
するとピントの合う範囲が変化しました。
中心の石、水草、橋、更にその奥の木にだけピンが来ていて、それ以外の場所はピントが外れました。
次はレンズの鏡筒を90度回転させて平行方向にチルトさせました。
平行方向にチルト
今度は橋とその横の道の辺りにだけピントが合いました。
こんな感じで、ピントの合う範囲を変えることができる、、、というのか、被写界深度を選択できるというイメージですかね。
次はヒガンバナでテスト。
まずは普通に一枚。
ノーマル
ここからチルトを操作してボケを増大させます。
チルトでボケ増
開放F2.8(実効F値F3)とは思えないくらいの大きなボケに。
私の感覚だと50mmF1.4で撮ったのと同じくらいボケていると思います。
まあそれだったら50mmF1.4で撮ればいいのですが、、、
次はレンズをレボルビングさせて撮ってみました。
チルトでボケ増
すると赤い花から一番奥の白い花に向かって一直線にピントが合うような感じになりました。
個人的に、この撮り方は花の撮影をおもしろくさせると思いました。
次は逆にシフトさせて全面にピントが合うように撮りました。
チルトで全面合焦
するとヒガンバナの花にピントが合い、地面の草にはピントが合っていないという不思議な写真になりました。
ここで絞りを絞り込めば完全に全面にピントが合た写真を撮ることができます。
しかし花だけにピンが来ているというのがあおりレンズにしかできない撮り方という感じで面白いですね。
つぎはコルチカムという紫の花が咲いていたので撮りました。
チルト直行
これも直行方向にチルトさせるとF値以上のボケを得ることができました。
チルト平行方向
次は平行でチルトさせてみました。
これもちょっと不思議な写真です。
普通なら縦位置で撮ったみたいなボケ方ですが、草の生える方向がおかしいですね。
近くにコリウスがありました。
ノーマル
普通に撮ると後方に行くにしたがってボケていきますが、
チルトで全面合焦
コリウスの葉の全体にピントが合いました。
地面やコリウス以外の花はボケています。
あおりレンズの役目として、パースペクティブをコントロールするということがあります。
これはシフトという操作になるのですが、、、このレンズは45mmという焦点距離のため、そもそもパースが付きにくいのでこの機能は使いどころが良くわかっていません。
マクロで物撮りするときには使うみたいなのですが。
しかし一応やってみました。
左:ノーマル 右:ライズ
左は普通に撮って、右はシフトを動かしてライズで撮っています。
といっても撮った自分でも違いが分からないくらいなんですが(笑)
ライズを掛けると、見上げて撮った被写体が上に行くにしたがって細くなって写ってしまうのを補正することができます。
2枚の写真をぱらぱらと見比べてみると、右のほうは木の下が細く、上が太くなっているのです。
これは被写体がメタセコイアの木だからいけないのですが、ビルなどの角ばった被写体だったらその効果が良くわかると思います。
これはまた次の機会に試してみます。
その後もこのレンズの特性を活かしながら撮っていきました。
単にボケ量を増やすのではなく、自分がこの部分を見せたい、と思った位置にだけピントを置くことができるのがいいと思います。
自分にしか見えないフォーカスポイントが、見せる相手にも見えている感じ?これが楽しいです。
よくある撮り方、ジオラマ風です。
遠景の風景を上から撮ると、まるでジオラマを撮ったかのような写真になります。
こういうことができるのもあおりレンズならではなのでついやってみたくなります。
くわえてこのレンズは単にハーフマクロ(ニコンではマイクロですかね)であるので、マクロレンズとしても使えます。
マクロ撮影もやり始めると楽しくなってしまうものです。
被写界深度の浅い写真が撮れるのですが、これなんかはまるでニーニーで撮ってトリミングの逆をしたかのような感じです。
最後に全面ピント。
中心部分から四隅まで全面にピントが合っていて、なんとも気持ちがいいです。
花の高さだけにピントが合って、地表はボケているので花が浮き上がっている感じでいいですね。
ということで、また新しレンズを買ってしまいました。
そして、このレンズは使いこなすのがとても難しいです!
ピント、チルト、シフト、レボルビング、絞りと操作する箇所が5つもあります。
これらを操作することで、同じ画角で同じ露出でも全く違った結果が得られるのです。
まず自分の頭の中でイメージする、カメラを操作してそれを具現化する、という2つの技術が必要です。
これを鍛えることで、自分にとっての写真の高みを目指して行けるようにたくさん使っていこうと思います。
ところで、このレンズはさっそく大活躍させました。
実は先週から今週にかけて北海道に撮影旅に行ってきたのですが、標準域の画角はこのレンズでこなしたので、いろいろと使うことができました。
その中の2枚がこちら↓
遠軽駅にて
大量に写真を撮ったので、これから写真整理とブログ編集を頑張らなくては。。。