
(惨殺シーンなどは無いのでご安心を笑)
アルファ75に乗り始めてから理解した事があります。
それは "ダブルクラッチ" です
かつての私は、ダブルクラッチなんて意味のない事だと思っていましたが、ミッションをいたわる上では大事なテクニックだと知りました。
ここからはちょっと昔話です。
147に乗っていた頃、ダブルクラッチがなぜ必要なのか知らずにダブルクラッチをやってみたことがありました。
「ブーーーン、ブーーーン」
「ブーーーン、ブンッ、ブーーーン」
何か意味あんのか??コレ??って感じでしたが、、、
そんな私は去年の8月から75に乗り始めました。
ショップで75を受け取り、
さあ〜初運転だ!
と思って1速にシフトした瞬間に「ガッ!」っという音がなりました。
えっ?なんの音??
という感じでしたが、気にせず発進、
2速へシフトアップ!
「ガッ!」
ん?また??
と不安になりながらも、75を楽しみ?ながら走らせていました。
別の用事で1度ショップへ戻ったのですが、、、
その時は音は鳴りませんでした。
しかしショップを出てまた街中を走っているとたまに、変速時に嫌な音が出ました。
その時は、"ギア鳴き" なんて全く知らなくて、どうすれば音が出なくなるのかもわかりませんでした。
…その後も75に乗っていく上で、何度かギアが鳴く事がありました。
どう考えても鳴ってはいけない音だという事は分かっていたので、音がなる理由、鳴らなくさせる方法を理解する必要があると思いました。
ミッションの構造について勉強しなおしました。
高校の自動車工学で習った事を思い出しながら、教科書を読んだりネットで調べたり、実物を手に取ったりして、ようやく理解しました(1年くらい前の事ですが…)
せっかくなので簡単に書いてみます〜
間違っているところがあるかもですが…
ここからが本題です(=゚ω゚)ノ
なぜギアが鳴くのか?
ギアが鳴く理由は、噛み合おうとする2つの歯車に回転差があるから、です。
ミッションの内部で回転しているものは、3つあります。
A がエンジンとクラッチの回転
B がインプットシャフトと歯車の回転
C がアウトプットシャフト(最終的にドライブシャフトやタイヤと繋がっている)の回転
この3種類です。
このうち、B と C に回転数の差があるとギア鳴きします。
下の絵で
青い歯車が B
黄色いスリーブとシャフトが C
例えば、B が1000rpmで回転していて、
C が0rpm つまり停止している時に、
無理やり歯を噛み合わせたら、、、
当然「ガガガッ」と音を立てて歯が削れますね。
上は極端な話でしたが、
B が1000rpmで
C が900rpmだったとしても、
100rpmの差があるので、多少は「ガッ」と音が出てしまうのです。
しかし近代の自動車のミッションは、そうならないために「シンクロ機構」というものが採用されています。
シンクロ機構とは要するに、
↑この緑のパーツ(シンクロナイザリング)が回転数の差を無くしてくれるのです!
(正確には写真の画像の緑のところはシンクロナイザハブの外側の歯なのですが、細かい事は無視です)
この緑のパーツは、
B と C を繋げようとした瞬間に「半クラッチ」のような状態になり、ギアのコーン部を滑るようにして回転数の差を無くします。
そして、B と C の回転数の差がなくなった事で「ガッ」と音を立てずにすんなりとギアをシフトすることができるのです。
ギアが鳴く理由と、それを防止するシンクロという機構について理解できました。
しかし、シンクロナイザリングは、何千、何万回と仕事をする事で、ヘタってきて本来の役目を果たしにくくなる、もしくは果たせなくなります。
(症状名 : アンダーシンクロ)
それはシンクロナイザリングの歯の減りであったり、シンクロナイザリングの内側の溝の減りであったり、スリーブの減りであったりと色々ですが、、、
私の75もおそらくこのアンダーシンクロが起きていて、ギアが入りづらいのにシフトしてしまって「ガッ」と音を立ててしまうのだと思います。(予想ですが…)
で、
多少シンクロがへたったからといって、「じゃあ オーバーホール!載せ換え!」ではやってられないので、ダブルクラッチをしてこれ以上シンクロがヘタらないように努める必要があるのです。
ダブルクラッチは、
クラッチを切る
↓
ギアをニュートラル
↓
クラッチを繋げる
↓
アクセルを吹かす
↓
クラッチを切る
↓
ギアをシフト
↓
クラッチを繋げる
と 2度クラッチを切って繋げるという動作を行う事です。
この動作で1番大切なのは、
↓
アクセルを吹かす
↓
クラッチを切る
↓
ギアをシフト
↓
この工程です。
さらに言うと、
ダブルクラッチをする最大の目的は、
B と C と シンクロナイザリングの回転数が同じになるようになるように回転数を合わせる事です。
つまり
↓
ギアをシフト
↓
全てはこのシフトの瞬間の為にあるのです。
走行中で、クラッチを切る前は、A、B、C 全ての回転が合っています。
クラッチを切ると、A と B が断たれます。
A はエンジンの回転なのでアイドリング回転まで落ちます。
B−C はギアが入っているため同じ回転数で回ります。
ギアをニュートラルにしてクラッチを繋げると、A と B が繋がり、 B と C が断たれます。
この状態でアクセルを吹かすと、A と B は回転が上がりますが、ニュートラルなので C には回転は伝わりません。
ダブルクラッチで「ニュートラルにしてクラッチを繋げてアクセルを吹かす」
という動作は、 B の歯車の回転数を上げたいから行うのですね。
目標の回転数が3000rpmだったとして、3000rpmまでアクセルを吹かしても、クラッチを切ってからギアをシフトするまでの"0.数秒間"に回転が下がってしまうので、ちょっと多めに吹かしたいのですが、
一瞬の吹かしでそこまで調整するのは難しいですよね〜
回転を上げ過ぎてもダメだし、下げ過ぎてもダメですものね〜
と、ここまでは走っている時のダブルクラッチについての話でした。
止まっている時のギアのシフトもかなり大事です。
例えば信号が青になって、発進するとき…
信号待ちの間は
アイドリング1000rpm、
クラッチは繋いだ状態、
ニュートラルだとします。
信号が青になり、クラッチを切って1速へシフトするのですが、
クラッチを切ってしばらくの間は B のギアは惰性で回り続けます!
なぜかというと、
ニュートラルで、クラッチを切った、
この状態の時、A と B と C はそれぞれの回転数はバラバラになるのです。
クラッチを切ってすぐの時の B は、惰性でしばらく回り続けます。
しばらくと言っても、数秒間だと思います。
数秒後には、B は回転が止まります。
クルマが止まっている状態という事は、C も回転が止まっている状態です。
というとは、B と C はどちらも0rpm、で回転が必ず一致するのです!
何が言いたいかというと、
クラッチを切って、数秒経ってからギアを1速へシフトすれば、回転差なくギアをシフトできるのです。
つまりシンクロを摩耗させずにシフトできるのです!
これは1速なら大した事ないのですが、バックの時にかなり大切になります。
私の乗るアルファ75とプジョー106は、おそらく"バックギアにシンクロが無い"と思います。
クラッチを切ってすぐにバックに入れると、「ガガガッ!」と凄まじい音をたてます。
しかしクラッチを切ってから3秒くらいしてからギアを入れると、何の音もせずすんなりとバックに入ります。
これは、クラッチを切って2〜3秒間は B (メーンシャフト、カウンターシャフト)が慣性で回っていて、3秒後に止まるからです。
シンクロが無いバックギアは、完全に回転が合っていないと鳴いてしまうんです。
たまにイベントなどで旧車が車庫入れする時に「ガガガッ!」と音を立てていますが、そういう時はクラッチを切ってすぐにシフトするのではなく、3秒くらい間を置いてから踏めば良いのです。
このブログの内容は自分が理解するために自分なりに解釈したものなので、他の方にはわかりにくいかもしれません、、、
しかし、1年前の自分はこの事を知らずにギアを何度も鳴かせていたので、、、
その時の自分にこのブログを読ませてやりたいです。。。(泣)
147に乗っていた頃の私は、ダブルクラッチなんてただのカッコつけ、と思っていましたが、
75に乗り始めて、ダブルクラッチというのは、機関をいたわるための運転技術の一つであるという事に気付きました。
これは75から教わった事です。
しかし、この教えを説くために、我が75の2速のシンクロがダメになりました〜(笑)
(シンクロがしっかりしているクルマではダブルクラッチは不要です。ヘタにやると逆にシンクロを摩耗させてしまうこともあるので注意です。。。)