やっと、気になっていた30系ヴェルファイアの試乗が叶い、しかもタイミングが良く2.5Lとハイブリッドの2種が同時に存在していたので、しっかり乗り比べてみました。
万が一でも購入検討がない車種、グレードは試乗するのも悪いような気がする小心者ゆえ、3.5Lはパスです。
まずはガソリン2.5Lのエアロモデル。最上級のGエディション。
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悪そうな目つきです。このクジラっぽさは
ダライアスのラスボスで登場しても違和感ないw
30系はアルよりヴェルのほうがいいですね。やるなら、ここまでやったほうがいいって感じで。
車体価格を考えれば当然なんでしょうが、グリル周辺の質感が素晴らしい。ちょっとホンダっぽくなった気もしますが、今の流行路線なんでしょう。
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対して側面のノッペリさには、もう少し工夫が欲しかった。写真のアングルから見ると、窓とタイヤが印刷されたペーパークラフトに見えかねない。個性的なキャラクターラインとか入っていれば、一味違ったのでは。アクセントのシャークテールも、知っている人が見ればシトロエンのパクりと思うだろうし。
で、営業のお姉さんが同乗して、いざ乗り出します。
走りはというと、ぜんぜん悪っぽくありません。むしろイイ子的です。
国産車らしくマイルドな乗り心地ですが、この重量で交差点やキツいコーナーでのロールに負けていない辺り「トヨタも足回りに金をかけ出したか」と思ったほど。サスとダンパーが馴染んできたら、どの程度柔らかくなるかは不明ですが、大型ミニバンとしてこの堅さは悪くないかな。
直進でうねりを細かく拾うあたりは、従来のアルヴェルやノアヴォクと似ているものの、リアがポヨンポヨンと縦に跳ねるあの感じはなく、四輪がそれぞれ個別にストロークしているのが解ります。ただ、縦揺れが小さくなった代わりに、小刻みな横揺れが増えたので、より「小船っぽさ」が増した気もしますが、そのへんは好みの問題でしょうか。
残念なのはステアフィーリング。遊びが大きいのか電動制御が独特なのか、タイトに曲がったあとに直線に戻しても、まだハンドルが30°くらい残っています。これは改善して欲しい。
動力性能に……特筆すべきことはないですね。重量を考えれば仕方がないんでしょうが、シグナルダッシュではCVT独特の空回り感が厳しい。フルアクセルだと、60km/hを越えるまでプーリーが滑っているような感覚。0-40km/hあたりまでならば、ノアヴォクのほうが小気味良いかも知れません。
お次はハイブリッド。
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試乗前に横目に見た際、いっしゅん別の車かと思いました。顔だけでなく、タイヤハウスの開きも全然違う。先に試乗したエアロモデルとの差も――
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――けっこうあるような。
「万が一買っても、足回りがノーマルってのは厳しそうだなぁ」
なんぞと妄想しつつ、乗り込んでブレーキを踏みながら、イグニッションスタート!
OFF。
「……切れた?」
イグニッションスタート!
「……切れた?」
イグニッションスタート!
「……艦長ッ! エンジン始動しませんッ!!?」
あ……そうか、ハイブリッドだからアイドルしないんだったw
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3回目にして気付きました。これだから化石人類はw
営業さんが「一度ご一緒したから大丈夫です。お好きに乗ってきてください」と同乗していなかったので、乗り出しからアフォなことをしてました。
で、じっさいの走りは。
……気のせいか乗り心地が微妙。路面状況が伝わらないザラザラした走り。2.5Lより落ち着きのない足回り。
原因はタイヤの肉厚さのせいだけではないような気がします。四輪にモータが付いているだけで、こうもカッチリさが失われてしまうものか? 原因は不明ですが、明らかにガソリン車と違う乗り味です。
コーナリングも重い。2.5Lがクイっと曲がれる交差点を、ヨッタンと曲がる。基本的なバネ周りは(たぶん)一緒だろうから、100kgチョイの車重差とハイブリッドゆえのトラクションのかかり方にでも原因が?
加速も、モーターのアシストがあるからといって期待すると、やはり残念な重さ。トルクが車重に追い付いていない。これまた気持ち良い加速は期待できません。
ならば、と、エコに徹した加速をしてみました。
土手道でどこまでEVモード(電気のみ)で走行出来るかチャンレンジ。後続車に張り付かれながら、ユルユルと加速していると……なんと60km/hまで到達www 凄い! この重さで! グングン伸びる燃費計に、ただならぬ感動を覚える!
やはり、この車はエコカーなんだと気付かされる瞬間でした。
■■■■■まとめ■■■■■
当然ですが、基本は豪華なピープルムーバーだと思います。
20系以前よりしっかりとしつつもコンフォートになった足回りや、広大でゴージャスな車内空間を楽しむ車でしょう。そういう点では、オーナーは羨望の眼差しで見られるかもしれません。ただ、満足なレベルまでオプションを盛り込むと、簡単に100万円以上の追加になってしまうので、Dオプあたりは社外品との兼ね合いが重要かもしれません。
オススメは、だんぜんガソリン車ですね。ハイブリッドは低速域の街乗りが多い方や年間の走行距離が多い方でもなければ不要なんではないかと。そのくらい、運転する楽しみの差が大きいです。
ただし、ガソリン車でも(20系より12馬力アップした)182馬力という数値を過信すると裏切られます。シグナルGPで軽くチューンしたスイフトあたりにやられかねません。CVTの特性を考えると、タイヤから地面に与えられる力は150馬力チョイくらいではないでしょうか? 直線番長になりたいのならば(財力が許せば)3.5Lにすべきでしょう(仮に3.5Lでもワインディングでは、小気味の良い小排気量車にやられかねない気もしますが)。
そう考えると、チョコマカとせせこましい運転するより、悠々とダンディに乗るべき車なんじゃないかと思います。ガタイはデカいしイカツい顔をしているので気分まで大きくなるのも解りそうな気がしますが、だからといって八九三な運転をしたら「悪っぽい」というより「頭悪い」と思われかねません。
試乗をしていても威圧感があるのか、他の車も不思議と道を開けてくれますし、やはり、ゆったり堂々と乗るべき車なんだと思います。
Posted at 2015/04/06 22:49:36 | |
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