
非降雪地域では、冬用タイヤが必要かどうか、非降雪地域で選ぶポイントは何か、交換したタイヤの保管をどうするか、履き替える時期はいつか等について、私の考えを2015年11月19日にブログに書きました。ただし、これは昨シーズンの考えです。
今年のウィンターシーズン入りを前に、冬用タイヤについての記事をアップしているうちに、これまでの考えが少しだけ変わりました。
【夏タイヤと冬タイヤ、性能差が逆転するのは本当に7℃からなのか?】
2015年11月19日の記事 では『
夏タイヤと冬タイヤの履き替えを判断する気温は7℃』であることをカナダのタイヤショップのwebからイメージグラフを拝借して掲載しました。このときはたまたまカナダのwebサイトからでしたが、欧州のwebサイトでも同様のものは見つかります。
ところが、日本語のwebサイト(ここではタイヤメーカーに限定)に目をやると、欧州メーカーの一部を除き同様の情報を見つけることができません(私の探し方がまずいのかもしれませんが・・・)。
欧州メーカーの一部とは、Continental と PIRELLI です。そもそも、『
7℃…』はいつ、誰がテスト結果とともに発表したのか? 100%確かな情報との確信はありませんが、誰がについては Continental らしいと知りました。そこで、再度 Continental の日本語のwebサイトを覗くと、とても小さな扱いですが、気になるイメージグラフが見つかりました。
Home > 乗用車用タイヤ > ウィンタータイヤ > 気温「7℃」について
このイメージグラフから読み取れる情報を基に私は以下のように推察しました(あくまでシロウトの推察です。間違っているかもしれません)。
■ 気温7℃のテストデータが示されていない。示されているのは気温0℃以下。
↓
■『気温が7℃以下になると夏タイヤより冬タイヤがグリップで勝る』という話を耳にするが、2015年の現行プロダクトにはあてはまらないのではないか・・・。現行プロダクトにおいて性能差が逆転するのは7℃ではなく、7℃と0℃の間の気温のように思われる。
■ 気温0℃以下では低くなればなるほど夏タイヤの制動距離は大きく増えてしまうが、冬タイヤの制動距離の増加は小さい。
↓
■ 気温0℃以下から低くなればなるほど夏タイヤのゴムは硬化が進むが、冬タイヤのゴムの硬化は緩やか。
また、私が2015年11月22日に書いたトラックバック先のブログ記事
ドイツAutoBild誌のスタッドレスタイヤ50銘柄-制動距離比較 2015 からは、以下のテスト結果を見ることができます。
■ ウエット80km/hからの制動距離(テスト時の外気温は不明)
1st: Dunlop Winter Response 2 Wet: 36.8
2nd: Goodyear UltraGrip 9 Wet: 36.9
参考値: 夏タイヤ Wet: 37.0
3rd: Continental WinterContact TS 850 Wet: 39.5
このテスト環境においては、夏タイヤと優秀な冬タイヤとの制動距離の差はないといってよいでしょう。私のシロウト読みではこのテスト時の外気温は7℃程度ではないかと考えます。
以上の2種類のデータ(Continental 及び AutoBild)から私が導いた答えはこうです。夏タイヤと冬タイヤの性能(ドライ路面及びウエット路面でのトラクション性能)が逆転するのは7℃より低く、0℃よりも高い気温 ー すなわち 3℃から4℃あたりではないかと推測します。
【夏タイヤから冬タイヤへ履き替えるときの気温について、日本のタイヤメーカーからは聞こえてこないのはなぜ?】
一方、日本のタイヤメーカーの代表である BRIDGESTONE のwebサイトを覗いてみると、『夏タイヤと冬タイヤの履き替えの際、判断する気温は7℃』であることなど一切触れられていません。
これはなにも BRIDGESTONE に限った話ではなく、他社も同様です。日本の気象条件と欧州やカナダの気象条件があまりにも違うからなのでしょうか? あるいは日本市場向けのスタッドレスタイヤは7℃とは異なる気温から優位性が生じる設計なのでしょうか? 私にはわかりません。
さらに余談になってしまいますが、自社製品の新旧比較においてすら、制動距離について具体的な数字を伴う Continental のようなテストデータは一切掲載されていません。
TOP > VRX
この点については、日本では “タイヤの公正競争規約” が望ましい形で機能せず、メーカー側がネガティブに受け止めている節が感じられます。
上記の画像の下部には『上記テスト結果に関する詳細なデータについてはタイヤ公正取引協議会に届けてあります。』との記述がみつかります。そこで、
タイヤ公正取引協議会 > タイヤの性能試験データのweb から検索してみました。
上の画像は検索結果の画面キャプチャーです。確かに2種類の性能試験の届け出があります。
【今シーズンの履き替えはいつにするか? 判断するのに役立てたのは・・・】
私の場合、冬タイヤは自宅保管ではありません。タイヤのプロショップに預けていますので、思い立った日にDIYで履き替えというわけにはいきません。
ここから先は自宅保管の方にとってはあまり参考にならない情報かもしれません。
さて、BRIDGESTONE のwebサイトには、私にとって役立つ情報も見つかります(ただし見つけにくいのが難です)。また他社でも同様(あるいはそれ以上)の情報提供はあるようです。
TOP > BLIZZAK > 冬タイヤの基礎知識 > 冬になったらスタッドレス
2000年までの過去30年間の平均値から、私の住む地域での初雪は1月初旬ということがわかります。雪をターゲットに冬タイヤを履く場合にはこの情報だけで十分かもしれません。しかし、私が一番欲している情報は雪の情報ではなく最低気温と、一日の気温差の情報です。
そこで長期天気予報を提供するサイトを探してみました。複数のサイトが見つかりましたがそのうちのひとつを参考に見て行くことにします。
直接この天気予報サイトにアクセスされたい方は関連情報URLからどうぞ。また予報情報は日々刻々と変わる点にはご注意ください。
1月4日(月)の最高気温は9℃、最低気温は1℃であるとの予報があります(ただし、雪になることはなさそう)。
雪が降るのは0℃以下と思いがちですが、雪が降るための条件は地上の気温と上空の気温との兼ね合いです。極端な例をあげれば、真夏でも遥か上空では雪が降ることもあるらしいのです。地上の気温3℃は、上空の外気温との兼ね合いによりますが、雪が降ってもおかしくない気温ということです。
最低気温が3℃以下になりそうな日が年内に数日ありますが、最高気温は16℃前後となる予報です。
この長期予報から、冬タイヤの使用は年が明けた1月4日(月)をターゲットに、この日までに履き替えておくのが吉と思えます。年末年始は論外として、年内ギリギリではない遅めの候補日を、予約が混み合いそうな土日祝日を避けて考えると12月24日(木)がよさそうです。
結論。私の場合、今シーズンは12月24日(木)に冬タイヤに履き替えることにしました。さっそく冬用タイヤの保管契約をしている “タイヤフィッター横浜都筑店” に予約を入れました。