
11月も半ばを迎え、一歩ずつ冬の足音が聞こえてくる今日この頃です。
今回は季節がら、冬用タイヤのお話です。
私は昨シーズン(2014年12月)はじめて冬用タイヤを購入・装着しました。そのときどういう考えで選び、シーズン後の保管をどうしているかについて書くことにします。
最初にお断りしておきますが、本記事では購入したタイヤのレビューはありません。なぜなら、昨シーズンは雪上、氷上とも走行する機会がなかったからです。
冬の山岳ドライブ好きの方やウインタースポーツ好きの方にはあまり参考にならないかもしれませんので、お時間の許す方はおつきあいください。
また、タイトルでスタッドレスタイヤと呼ばずに、あえて冬用タイヤと呼ぶのには訳があります。項目【1】【2】をご覧になれば、その訳をご理解いただけると思います。
【1】冬用タイヤは非降雪地域でも必要か?
これは、ライフスタイルに負うところが大きいところです。降雪地域に出かけていく頻度がゼロの一般的なユーザーの方であれば、冬用タイヤの購入を検討することはほとんどないと思います。
また、30年くらい昔の私の話で恐縮ですが、冬場のスキーに出かける時はチェーンを携行し、サマータイヤの駆動輪に脱着をしていました。
しかし、昨年タイヤについて調べものをしているとサマータイヤは冬期になると乾燥路であってもパフォーマンスが落ちることを知りました。
上のグラフはカナダのタイヤショップから拝借した画像ですが、サマータイヤは外気温が摂氏7℃を境に0℃にかけて急激にパフォーマンスがダウンしています。ウインタータイヤはその逆でパフォーマンスがアップしています。
この事実を知ってしまうと非降雪地域に住む私ですが、冬期には冬期に適したタイヤに交換したくなってしまいました。
【2】欧州で主流のウィンタータイヤ、米国で主流のオールシーズンタイヤってどうなの?
欧州で主流のウインタータイヤは日本の雪上環境よりも低温を前提としているらしく、その結果ドライ路面での高速性能を出しやすい設計のようです。
米国で主流のオールシーズンタイヤは厳密に言えば冬用タイヤではありません。
ヨコハマタイヤは “冬タイヤ・ジャーナリストミーティング” を毎年実施しているようです。2015年2月19日~20日の2日間のイベントでは、自社ブランドのウィンタータイヤ、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤを公開しています。
真鍋裕行氏が書いたCar Watchの記事 をリンクしておきます。各タイヤの画像が参考になると思います。
また、余談ですがカナダのブリティシュ・コロンビア州では冬期にはタイヤ規制があるようです。
【3】交換後、外したタイヤの保管をどうするか
首都圏のマンション住まいですので、外したタイヤの保管場所を自宅には確保することができません。
もし仮に屋根無しの屋外で保管をしたとすると、外気温と太陽光の影響でたちまちのうちに性能劣化を招き、大枚はたいたタイヤが1年のうちに台無しになります。
私の居住する地域でも、大型カー用品店や一部ディーラー等でタイヤ保管サービスを実施していますが、保管場所が外部の倉庫になるらしいので、イマイチ利便性に疑問があります。
そんな折、横浜市都筑区にある “Tire Fitter” さんがタイヤ保管サービスをはじめたことを知りました。利便性も料金も納得で、冬用タイヤを購入すると決めたら、購入はネットショップ(他店)、組込〜脱着〜保管までは “Tire Fitter” さんに頼もうと思いました。
【4】インチダウンする? それとも標準サイズのままにする?
雪上・氷上性能を重視するならインチダウン、つまりタイヤを細くすることが有効です。
しかし、私が優先する性能は
乾燥路性能 > 雪上性能 > 氷上性能
です。雪上性能や氷上性能については、サマータイヤより向上することを期待しますが、あくまで保険的な意味合いにしかすぎません。
そうであれば標準サイズがよいかなぁ・・・と考えた矢先、メガーヌ TW に装着されていた純正16"ホイールがヤフオクに出品されていたので、速攻でポチッてしまいました。
【5】私の選んだ冬用タイヤ - 判断基準は速度レンジと購入時のコスト
冬用タイヤであるにも関わらず、私の優先するのは乾燥路性能です。
これを判断する手掛かりとなるのが、
速度レンジです。
日本メーカーの国内市場向けスタッドレスタイヤが、
Q規格であるのに対し、
海外メーカーの日本市場向けスタッドレスタイヤには
T規格や
H規格が見つかります。
また、MICHELINの欧州市場向けウインタータイヤでは
T規格、
H規格、
V規格があるようです(下の画像は Alpen 5 のものです)。
一番試してみたいのは欧州市場向けのウィンタータイヤですが、いかんせん日本での入手は困難で、かつ高価な買物になってしまいます。
一例として、本日現在、価格コムに掲載のある “PIRELLI WINTER 210 SOTTOZERO SERIE II 205/55R16 91H” は1本25,600円もします! これではとても手が出せません。
また、オールシーズンタイヤについてはメーカー側(例えば日本グッドイヤー)はチェーン規制でも走行OKと謳っていますが、道路管轄の事務所によっては、無知な係員が
STUDLESS の表記がないタイヤはチェーン無しではNGと判断することがあったようです。 煩わしいトラブルを避けるためにも積極的に選ぶ気にはなりません。
残るは海外メーカーの日本市場向けスタッドレスタイヤです。
T規格では “HANKOOK Winter i*cept IZ W606 205/55R16 91T” が、
H規格では “MICHELIN X-ICE 3” 205/55R 16 94H XL” がみつかりました。
“MICHELIN Primacy 3” が1本1万円程度で買えるので、少しでも近い価格のプロダクトという、あくまで消去法によって選んだのは、“HANKOOK Winter i*cept IZ W606 205/55R16 91T” です。
【6】交換時期の目安は
やはり外気温を基準に交換します。午前9時の外気温が7℃を下回る、或いは上回るころあたりです。
このため、今シーズンはまだサマータイヤを履いています。
【最後に一言】
冒頭でも述べたように、スタッドレスタイヤを履いたのははじめての経験です。他社のタイヤを知らないので、レビューは控えることにします。
価格コムをみると一部の方が “HANKOOK Winter i*cept IZ W606” はライフが短いと酷評していましたが、保管方法によるところが大きいような気がしています。
また、オールシーズンタイヤについては、交換の手間や保管場所の確保がいらないことを優先するなら、この選択も大いにありだと思います。
※ タイトルに(2014 - 2015 Winter)の語を追加しました。2015 - 2016 Winter の記事を準備中です。(2015/11/30 20:06)