
伊勢市観光協会のホームページを参考にすると、
江戸時代、一世を風靡した「お伊勢参り」
巡り方は、
二見浦で禊をして身を清め
外宮から内宮の順で参拝し
最後に朝熊岳に登る
というのが習わしだったようだ。
江戸時代となれば交通手段は徒歩一択、
更に折角旅に出たのならば京都や奈良などの観光地巡りもしようということで、
長い人は3か月ほどの旅だったといいます。
自由気ままなプー太郎、もちろん時間は余るほどありますが、時間を掛ければ連動して宿泊費が増えるわけで・・・・・
文明の利器を都合良く使わせて貰い、二泊三日での伊勢神宮参拝の旅に出掛けてきました。
と始まりたいのですが、早速訂正です。
神社仏閣を巡る場合は通常「参拝」という言葉を使いますが、
伊勢神宮の場合は「参宮(さんぐう)」という言葉になるようです。
言葉の意味、内容は変わりませんが・・・・・
こちらの(豆)知識は、内宮参宮時に案内して貰った「お伊勢さん案内人」さんから得た情報です。
いくつかありますから、都度紹介していきましょうかね?
ちなみに、「お伊勢さん案内人」とは、検定「お伊勢さん」上級編に合格した後、研修を経て認定された方々ということです。
改めまして、伊勢神宮 参宮 旅日記 を開始いたします。
昔ながらということで、一般的な外宮・内宮を巡る以外に、二見浦と朝熊岳を前後に追加したというのが本参宮旅の肝になるでしょうかね?
ちなみに、朝熊は「あさま」と読みます。
流石に、昔ながらの習わし で とはいえ、
12月の寒空の下で海に入って身を清めたり、
標高555mの朝熊山を徒歩で登るのは老人にはちょっと・・・・・(笑)
二見浦海岸で汐水を浴びて禊をする代わりに、二見興玉神社に参拝することで禊とする。(浜参宮)
朝熊岳を登る代わりに、朝熊岳金剛證寺へ参宮を行うというものです。(岳参宮?)
朝熊岳金剛證寺は、伊勢神宮の鬼門を守ると言われるお寺で、本堂は国指定有形文化財、
御本尊は日本三大虚空蔵菩薩の一つです。
もっとも、朝熊岳金剛證寺でさえ標高が391.6mもありますからほぼ登頂(笑)、
参拝後「朝熊山頂展望台」へも行っていますから、代替とはいえ十分ご利益を得られるでしょう!?
まぁ、昔は天下の険と言われるほどの難所であった箱根の山や、越すに越されぬはずの大井川でさえ、あっという間に通り越して来たのと同様、浜や山頂へは人力ではなく文明の利器を使ったので、本人達は全く苦労はせず座っていただけですが・・・・・(笑)
さて、行程は先にお伝えした通り二泊三日!?
参宮も三日間に分けて巡りましたが、
徒歩ではないので時間は十分残っているし、宿は伊勢に連泊、
短めの伊勢志摩観光編もありますのでご期待ください!?
誰も待っていないか・・・・・
短め も誰も信じないか・・・・・(笑)
行程詳細は、
初日に、二見興玉神社に参拝することで禊とする浜参宮
二日目、先ずは猿田彦神社(みちひらきの神様)参拝
そして、
伊勢神宮外宮(豊受大神宮) 参宮
ご祭神は食と産業の神様・豊受大御神(とようけのおおみかみ)
三日目、伊勢神宮内宮(皇大神宮) 参宮
ご祭神は国民の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)
そして、
伊勢神宮の鬼門を守るお寺 朝熊岳・金剛證寺(伊勢神宮の奥の院) 参宮
で、締め括る お伊勢参り でした。
後は、行程に従い画像を並べていきます。
まずは、伊勢の海へ
東京から伊勢へ向かうと、文明の力を使っても結構時間が掛かり、到着は夕方でした。
特に12月ともなれば日の入りが早く、ギリギリの訪問ですかね?
社務所等が開いている時間という意味で、参拝自体はいつでも出来そうでしたが・・・・・
二見にある二見興玉神社
ご祭神は、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)です。
夫婦岩
しめ縄で結ばれた大小2つの岩からなる夫婦岩
定番の画像でしょうか?
初日の訪問はここだけです。
食事を済ませ、宿の温泉に浸かり明日からに備えます。
しかし、この旅も美食の旅を期待していたのですが、伊勢海老はそれなりに美味しくいただきましたが松阪牛の方はちょっと期待外れでしたね?
さて、二日目、当日のメインは外宮参宮ですが、その前に近くの 猿田彦(さるたひこ)神社 の参拝
全国約2,000社の猿田彦大神を祀る神社の総本社になります。
「猿田彦神社」は物事を良い方へと導く みちひらきの神様 として知られています。
同じ境内に、芸能の神様である「佐瑠女(さるめ)神社」もあります。
最強のパワースポットといわれ全国から参拝者が絶えないそうです。
さて、こちらが外宮 豊受大神宮の地図です。
まずはトレビア情報です。
神社の鳥居をくぐったり、参道を歩く時、中央は神様の通り道であるので、避けて端を通りましょうという常識というか言い伝えは広まっていて、端を歩く人が多いと思います。
では、皆さんはどちら側の端を歩きますか?
迷いますよね?
自分は左側だと思っていても右側を歩く人が多かったりすると、人の流れに身を任せるべきか?
それとも信念を曲げず、態々対向者が多い側を不審がられながらも歩き続けるか?
決まり事として指定されていない先が多いですから・・・・・
その点、伊勢神宮では悩む必要がありませんから楽です。
ちゃんと指定されていますから・・・・・
でも、外宮と内宮では逆になるんですよね!?
外宮は、左側通行
内宮は、右側通行
です。
ここまでは、参宮したことがある人なら知っている人が多いと思いますが、理由を理解しているは少ないそうです。
ご存知ですか?
ヒントは、参道と正宮との位置関係です。
皆さんの一般生活や社会人生活でもあると思いますが、目上の人や役職上位者の前を横切ったりしませんよね?
遠回りでも、面倒くさくても、ちゃんと後ろ側を通り抜けますよね!?
先程の外宮の地図を見て貰うと分かりますが、外宮の正宮は参道の右側にあります。
参道の中央は神様が進まれるわけですから正宮に入る時も中央から、敬う気持ちがあれば当然神様の後ろ側を廻って進むと必然的に左側となります。
後で内宮の地図も載せますが、正宮は参道の左側にありますから同じ様に後ろ側を通る形になると逆の右側になります。
この考え方は正当なのでどこでも使えそうですが、決め事としないと難しいですかね?
世の中には捻くれ者や天邪鬼が多いですから・・・・・
プー太郎も実感しています。
散歩道でも、流れに沿った形で片側を歩いていても、意固地に人とぶつかる側を突き進む老害老人が居ますから・・・・・
まぁ、明らかな体格差がある場合や、見るからに危なそうな人物と交差する場合はひょこひょこと自ら道を譲って避けている変わり身の早い愚か者が多いようですが・・・・・(笑)
火除橋
清盛楠
手水舎
せんぐう館
まがたま池
正宮 豊受大神宮
古殿地
三ツ石
別宮 多賀宮
別宮 土宮
別宮 風宮
五丈殿・九丈殿
外宮神楽殿
北御門
三日目、いよいよ 伊勢神宮の本丸 内宮(皇大神宮) の参宮です。
ご祭神は国民の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。
こちらが地図になります。
先に記載した右側通行の意味を確認してみてください。
「お伊勢さん案内人」さん です。
本投稿内豆知識の元ネタ提供者さんです。(笑)
ということで、早速お披露目です。(笑)
伊勢神宮の参宮、出来ない日は無いのですが、避けたほうが良い日があります。
いつだと思いますか?
答えは、1月4日です!?
初詣のたけなわなのに?
沢山の方が出掛けていますよね?
縁起の悪いと言われる4という数字が入っているから?
それなら、2月も同じになるはずだが・・・・
と、皆さんの反応を変わりに示してみました。(笑)
では、説明します。
一般的に、1月4日は仕事始めの日になります。
総理大臣の新年初仕事は、伊勢神宮の参宮になります。
総理大臣が参宮している時間帯は警備の都合上、一般人は足止めされます。
しかも、警備の都合上、訪問スケジュールは公にされません。
一般の参宮者側では対策のしようがありません。
たまたま時間が一致してしまうと、2~3時間足止めを食らうそうです。
初詣ツアーなども多く、合致してしまうとその後のスケジュールは壊滅だそうです。
出来なくはない日ですが、避けた方が無難でしょうね!?
と なりますが、
本日は1月5日、この情報は1年後にならないと役に立ちませんね!?
としたいところですが、
今年は石破さんも9連休の年末年始を過ごされたようで、
今年の伊勢神宮参宮は、明日1月6日(月)になったようです。
明日、参宮予定の方はご注意ください。(笑)
ちなみに、来年も1月4日は日曜日で、5日の月曜日にズレることは確定?
残念ですが、トレビアは再来年までお預けですね!?(笑)
さて、こちらが神域との架け橋 宇治橋 です。
徒歩でしか渡れません。
真正面に右側通行の指定が表示されています。
これなら、いくら偏屈者であっても従わなければなりませんね!?
しかし、指示を守らない方も居られます。
いや、指示が無効の方が居られると言った方が良いですかね?
ご祭神であられる天照大御神(あまてらすおおみかみ)の直系のご子孫である天皇陛下は中央を進まれるそうです。
しかも、徒歩ではなく、橋中央の出っ張りの上を左右にまたぐように通過する車に乗って・・・・・
他の皇族の方々も庶民とは異なり、車で渡られるそうです。
ただし、皇族の方々の場合は、天皇陛下とは違い、乗車した車は橋の右側を通行するそうです。
ちなみに、伊勢志摩サミットの際、各国首脳、しきたりに従い安倍元首相に引き連れられて、右側を歩いて渡ったそうです。
ちなみにちなみに、20年ごとに新調する式年遷宮で社殿や神宝などと同様に宇治橋も架け替えられますが、
20年間で一億人以上が渡るため、元は15㎝もあったヒノキの渡り板の厚さは、9㎝まですり減ってしまうそうです。
神苑
ここでは、古くから日本人のくらしと強く結びつき、神事との関わりも深い「国技・大相撲」を、天照大御神さまをおまつりする神宮に奉納する「神宮奉納大相撲」が行われる場所でもあります。
奉納大相撲は明治神宮など他のお宮でも行われますが、近くの控室まで行くのは非公式行事でありその出で立ちは着物姿、奉納大相撲の正式行事開始で初めて横綱の化粧廻し姿を拝めます。
しかし、こちらの伊勢神宮では、神宮の神職を先導に呼出、行司、色鮮やかな化粧回しをつけた露払、横綱、太刀持と大関以下の三役力士が揃って宇治橋を渡って行く光景が見られる唯一の奉納相撲となっています。
⼿⽔舎
手水舎(てみずや、ちょうずや)は、参拝する前の「心身を清める禊(みそぎ)の場」の意味で、最初に寄りますが、作法も結構広まっていますよね?
1.まず柄杓を右手で持ち、左手を洗い清めます。
2.柄杓を左手に持ち替え、右手を洗い清めます。
3.再度柄杓を右手に持ち、左手で水を蓄え口をすすぎます。
4.左手をあらためて洗い清めます。
5.最後に残った水で柄杓の柄を清め、元の位置に戻します。
これだけでも、作法を知らない方々よりご利益が得られそうですよね?
でも、重要なのはこの後のようです。
皆さん、この後、濡れている手 どうしますか?
昨今、ハンカチを持っている人が少ないと聞くためか、
「持っているハンカチで、ちゃんと拭きます!?」
と、素早くアピールした御婦人がいましたが・・・・・
我が夫婦もアピールこそしませんでしたが、同意見ですし、これまでもそうしてきました。
皆さんも、手持ちのハンカチやタオルで手を拭きますよね?
でも、
これは、駄目だそうです!?
もちろん、参拝用の専用ハンカチを使うなら問題ないそうです。
しかし、普段遣いのハンカチだと、せっかく清めた手を元の俗世界に戻すように汚してしまい・・・・・
自然乾燥、
または、
一見ハンカチを持っていない無精者の行為に見える手首のスナップを効かせた
「パッパッパ!?」が良いそうです!?
トレビアですよね!?(笑)
御⼿洗場
清めた五十鈴川の水も「パッパッパ!?」(笑)
遅い秋で良かったですね!?
瀧祭神
さて、お参りの際は、住所氏名から伝えなさいとよく言われます。
天邪鬼というか揚げ足取り好きの偏屈爺、神様は万能、たとえ何十億の人間がいてもちゃんと個別に把握されているから言わなくても大丈夫!?
だいたい、罰を当てる時は名乗ってないのにちゃんと特定して懲らしめるじゃないか!?
との屁理屈で、省略していましたが、日本の大神様も名のらないと駄目らしいです!?(笑)
でも、住所氏名など長く名のった上にお礼やお願い事まですると長くなるし・・・・・
初詣など参拝客が後ろに長く続いていると、偏屈・頑固者だが気弱な自分は・・・・・
伊勢神宮の内宮だけは大丈夫のようです。
こちらの 瀧祭神 は、いわゆる受付窓口、アポイント担当者役になるそうです。
こちらで一回住所氏名など細かい情報を伝えておくと、その情報はその先お参りする神様方にはすでに伝わっているそうなので簡略して良いそうです。
さて、伊勢神宮は、天皇が天照大御神に国民の幸せを祈るお宮であるため、
個人的なお願い事はあまりよろしくない 感謝やお礼の気持を伝えましょう
というような伝えごとをよく耳にします。
でも、神宮司庁では「個人的な願い事をしてはダメ」という決まりはないと言っています。
ただ、日本の守り神である尊い神様のもとへせっかく訪ねたのなら、世界や国の平和といった願いを伝えるのが良いとされているそうです。
その場所が、=伊勢神宮 と思われている こちらの「正宮」です。
祀られているのは もちろん 天照大御神 です。
正宮 皇⼤神宮
通常は、登った階段を下って帰るのですが、横に回って古殿地を見られます。
その前には全く同じ様な階段が・・・・・
そして、個人的な願い事は、同じく天照大御神の荒御魂(あらみたま)を祀っている裏手にある
「荒祭宮(あらまつりのみや)」でお願いするのが良いそうです。
もちろん、この風習に必ずしも従う必要はないようですが、まずは神様に日々の感謝を伝えてから、願いごとを伝えことが大切なようです。
ちなみに、外宮では「多賀宮(たかのみや)」が同じような場所にあたるそうです。
御贄調舎(みにえちょうしゃ)
順番逆になりましたが、正宮の石段の下にあり、神様に捧げるための食事を調理する場所 になります。
内宮の祭典の際、 御饌都神 みけつかみ である外宮の豊受大御神をここにお迎えし、神饌の代表として 鰒 あわび を調理する儀式が行われます。
あわびは天照大御神の大好物だそうです。
鮑は不老長寿の象徴として重宝されてきた高級食材であり、贈り物に添える縁起物として「伸し鮑」が使われたことが「のし」の始まりとされています。
御稲御倉
神宮にお供えされる稲が納めされるお社
小さいながらも、神宮と同じ唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)
外幣殿
別宮 荒祭宮
我々はお伊勢さん案内人さん(風習?)に従い、こちらで個人的なお願いを・・・・・
別宮 風日祈宮
風の神である級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)を祀る
門前からお参りです。
宮神楽殿
御酒殿神(みさかどのかみ)
お酒の神様だそうです。
古くは神前にお供えする神酒を醸造した場所。
現在は三節祭にお供えする神酒を一時納め、これを神前にお供えするそうですが、何故かのんべえがお参りしているそうです(笑)
縁がないので、撮影はなく、お参りだけしてきました。(笑)
時期が遅れて12月というのに紅葉も少し楽しめたし、宇治橋脇の五十鈴川沿いには二度咲きの桜も
紅葉風情 第2段
愚か者が少しでも神様に近づきたくて(笑)、出来るだけ中央から・・・・・
さて、宇治橋を戻って俗世界に戻る直前、最後から二本目の擬宝珠(ぎぼし)の中には、橋の安全を祈って饗土橋姫(あえどはしひめ)神社の萬度麻(まんどぬさ)が収められています。
この擬宝珠に触れて帰ると、また参拝に訪れる事ができると言われています。
右側通行を守って帰りますから必ず横を通りますし、知っている方々が触れて帰りますから他とは色が違っていますし、文字が刻まれていますのですぐにわかります。
老い先短いですが、再訪を願ってしっかり触れてきました。(笑)
他の擬宝珠と色がはっきり違います。
さて、最後は朝熊岳金剛證寺へ
伊勢神宮の鬼門を守る寺、神宮の奥之院とも言われるお寺です。
トップ画像にもありますが、
「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」
と伊勢音頭の俗謡にも唄われているように、参宮の際には最後に訪れるのが慣習となっていました。
本堂は国指定有形文化財、御本尊は日本三大虚空蔵菩薩の一つ福威智満虚空蔵菩薩ですが、御本尊とともに天照大神をお祀りし神仏習合の思想を表していることが奥の院と言われのようです。
本堂を参拝した後は奥之院へ
向かう道の左右には見慣れていない関東人(元東海人)にすると、一瞬歩みを止めてしまう光景が・・・・・
伊勢地方には、角材でできた卒塔婆を建て故人を供養する「岳参り」という風習があるそうです。
見慣れた墓石の後ろに収まっている薄い板状のものではなく、高さ2~8メートルもある角材製の卒塔婆が延々と建立されていて、全国でも類を見ない光景と言うことで立ち止まるのは関東人だけでは無いようです。(笑)
目ざとく、馴染のあるお名前を見つけましたので、偲んでお参りしてきました。
奥之院
ちなみに、卒塔婆は・・・・・
ということで、昔ながらのお伊勢参り は、天候にも恵まれ、幸先詣(さいさきもうで)として無事終了いたしました。