その昔MAZDA WEB MEMBERSというサイトがあり、ユーザーが新車レビューを書き込むコーナーがありました(このサイトは既に閉鎖)。当時載せたレビューを再掲します。
2L車のインプレ
アテンザスポーツ 20F 平成15年式
クラフトマンシップ(造り込み)
ヨーロッパ流の5ドアハッチバックに前後エアロバンパー、サイドスカート、ツインサイレンサーを装着し、古典的なロングノーズ、ファーストバック、ショートデッキのスポーツカー的シルエットは低く広く見えますが、十分に実用的な背の高さがあります。クラシックレッドに標準フロントグリルが似合っており、これらに対して樹脂製ホイールキャップはややご愛敬ですが、いわゆる走り屋ではないという自己主張になっているかもしれません。
センターパネルのスイッチは大きく、配置を覚えると手探りで簡単に操作でき実用的ですが、傷がつきやすそうに思えます。ウレタン製ステアリングの感触は悪くありません。天井、サンバイザー、ドア内張など内装にあまり高級感はありませんが、質実剛健と割り切れば問題ありません。ただコンソールボックスとUVカットガラスがないのは、コストダウンしすぎと思われます。
ハンドリング
15インチスチールホイールに65%タイヤを履いていますが、しっかりした感触がありながら轍の影響を大きく受けることもなく、挙動はスムーズです。17インチホイールを前提としたセッティングのために15インチのタイヤではマイルドさが強調されるのかもしれません。通常のカーブではロールやアンダーをほとんど感じず、何事もなかったかのように心地よく抜けることができます。40km/h以下の低速ではサスペンションにやや堅さを感じることもありますが、これを超えるとスムーズな印象だけが残り、それでいて難なくカーブをこなしていくさまはまさに猫足と呼ぶことができそうです。
ブレーキング
強力で良く効き、しかも右足の微妙なコントロールに正確に反応するため、安心感があります。その代わりフロントのホイールキャップには黒いダストが目立ちます。
エンジンブレーキは通常の走行時にはほとんど感じることができないため、必要とするときは3速ではなく2速までシフトダウンすることになりますが、やや大きなタイムラグがあります。
エンジン
アクセル操作に対して反応がリニアであり、意思に沿ったスムーズな運転ができます。国産車にはアクセルを踏むと急に回転が上がるセッティングのものがあり(前車もそうでした)、荒っぽい運転を強いられているようで好きになれませんでした。
レギュラー2Lエンジンとハイギヤリング4ATの組合せは、急加速に有利ではありませんが、燃費も気にしつつ穏やかな運転を心がけるにはよい条件とも言えます。通常の走行で大きな不満を覚えることはなく、ランプウェイから首都高速の右側車線に合流するような時には、活発なエンジン音ととともに十分な加速が得られます。
早めにシフトアップするシフトプログラムも、穏やかで効率的な運転に適しています。2L車はアクティブマチックのない従来型4ATですが、パターンを理解すればいろいろ使えます。再加速時にはキックダウンに頼らずシフトダウンしていますが、もう少しタイムラグが短い設定の方がいいと思います。
コンフォート(快適性)
新エンジンとハイギヤリングな4ATとしなやかなサスペンションにより、特に60~120km/hの速度域はスムーズで快適です。エンジン音が静かな一方、荒れた路面ではロードノイズが後ろからよく聞こえるように思われます。
フロントシートは初め座面の前側が高すぎると思われましたが、慣れると長時間運転しても疲れ知らずです。平らなリアシートにはチャイルドシートを2つ装着し、その間に大人が座ることができます。これができる国産車はミニバン以外ではほとんど見当たりません。揺れが少なく静かな車内は、リアシートの子どもたちにも心地よさそうです。6:4分割できるリアシートの片方を倒すと、子供用18インチ自転車を2台積めます。ワゴンでなくて困ったことはありません。ただし大きなリアゲートをきちんと閉めるには、それなりの力を必要とします。
「5ナンバー車同等のドアミラー幅」という先入観があると、駐車場では感じる幅の広さも路上ではほとんど気になりません。室内は特に横方向がゆったりしています。ファーストバックでハイデッキのため後方視界は唯一の大きな欠点とも言え、時には車から降りて後方の安全を確認しに行きます。
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2021/02/12 23:48:29