
かつて国内の2リッター4気筒クラスには、アコード、プリメーラ、レガシー、ギャラン、カムリ、カペラなど、いろいろな車種がありました。元は5ナンバーサイズでしたが、30年前の税制改正以降、徐々に車幅が1.7mを超える車種が増えました。とは言え、5ナンバーサイズの心理的制約は大きかったようで、この拡幅は一息にはいかず、モデルチェンジで5ナンバーに戻ったものも一部にありました。
21世紀になると、プリメーラやアコードが3ナンバー化し、アテンザやアベンシスが登場するなど、「5ナンバーフルサイズ+横幅10センチ」に収まるモデルが増えました。しかしこれは長く続かず、現在に至るまでこの大きさに留まるモデルはありません。プリメーラ、ギャラン、アベンシスはいつの間にか消え、アコード、カムリ、レガシー、アテンザ(MAZDA6)は全長・全幅とも巨大化しています。
国内には5ナンバーサイズや軽自動車規格があって、寸法上の壁になっていますが、欧米にはこのような制約はなさそうです。「5ナンバーフルサイズ+横幅10センチ」は、昔はDセグメントだったのかもしれませんが、その大きさだった車種もモデルチェンジによって拡大しました。北米に適応することによって生き残ったグローバルモデルを国内で売るのはどうかと思っていましたが、これだけモデルの廃止が増えると、売ってもらえるだけありがたいのかもしれません。ただあまり巨大化すると、狭い日本ではもてあまします。
代わりに「5ナンバーフルサイズ+横幅10センチ」に加わってきたのは、寸法の拡大したCセグメントモデルです。シビックセダン、MAZDA3セダンなどがこれにあたり、カローラの海外モデルもこのサイズかもしれません。Cセグメントは2ボックス型のハッチバックが多いクラスですが、大型化したセダンやワゴンが「5ナンバーフルサイズ+横幅10センチ」に入ります。ただCセグメントは欧米では前席中心で使われるためか、後席、ラゲッジなどのユーティリティ確保には積極的でないようです。
このほか、SAI、シルフィ、ジェイドなど、背を高めにした容量重視型モデルもありましたが、みんな消えてしまいました。
昔は5ナンバーサイズが一つの目安でしたが、車体の拡幅が進んだ今日では、代わりに「5ナンバーフルサイズ+横幅10センチ」あたりを目安としてほしいものです。これを超えない大きさで、デザインとユーティリティを両立したモデルが充実するといいと思いますが、残念ながらそうはならず、「車長は短く、より幅広」のモデルが増えています。
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2021/05/22 23:42:32