MT再チャレンジ車の第一印象を、MT車の視点でまとめてみました。高速道と市街地道路を中心に、この1か月で400kmほど走行しました。
全体の印象
マツダのSKYACTIV-MTは過去何台か試乗しましたが、操作感は今回も良好です。当初は変速操作に少しギクシャク感が伴いましたが、これは操作の不慣れによるものでした。このクルマの特性を理解すると、スムーズな操作がしやすいと感じました。
6MTシフトレバーの操作感
十分な節度感があって、容易に確実な操作が可能です。ロードスターは別として、車種による操作感の違いはあまりなさそうに思います。当初は操作感がスムーズであるがゆえのシフトミスもありましたが、感覚が摑めてきました。
第1速のすぐ横にあるリバースギアも、程なく慣れました。シフトレバーを押し下げてリバースに入れると、カチャッと小さな音で識別できます。後退時のギアのうなりは大きく、「MTはこうだった!」と懐かしく感じます。
アクセルとクラッチの感触
オルガン型アクセルペダルの反応はリニアです。クラッチベダルの踏みしろは大きめで、ミートポイントは真ん中あたりにある印象です。反力の設定がうまいのか、クラッチ接続に違和感がありません。DE型デミオのゼロ発進ではいつも緊張感を伴いましたが、このクルマでは無意識です。不自然な動きをするとしたら、それは操作の仕方が悪いので、習熟に向けて修行を続けるしかありません。
速度計と回転計
中央に大きなアナログタコメーターがあり、速度はその中に数字で表示されます。タコメーターが大きくエンジン回転数の把握が容易であるのは、MT運転にとって重要なメリットです。初めのうちは速度をきちんと把握していなかったようで、「回転計のアナログ針と数字によるkm/h速度表示では、脳の認識メカニズムが違うのか??」と感じました。慣れてくると、数字の方が速度把握の解像度が上がり、便利に思えてきました。
ギア比
第5速までのギア比はDE型デミオ1.5L 5MTに似ていて、トルクウエイトレシオも近いレベルにあり、ギアのつながりや軽快さも似ています。第6速は100km/hで2400rpmあたりですが、これはGG型アテンザの4ATで慣れ親しんだ回転数です。そんなわけで、ギア比に違和感はありません。
ギア・シフト・インジケーター (GSI)
運転中に撮影できないので、ここは取扱説明書の切り貼りです。推奨ギアまで示されるのは、当初「余計なおせっかい」と感じましたが、「合理的な運転をするためのアドバイス」として参考にしています。おとなしい運転をしているとGSIはシフトアップを促してきて、予想以上に低回転を推奨します。速度が落ちてくると、シフトダウンを促してきます。エンジンに負担をかけない繊細な運転にとって、このアドバイスは役に立ちます。
瞬間燃費
車載燃費計の瞬間燃費は、ほぼ2秒ごとの更新です。エンジンブレーキが効いている間は、燃料供給をカットしているようで、表示最大値である60.0km/Lを示し続けます。これはエンジン回転が1000rpmあたりに下がるまで続くようなので、エンジンブレーキをうまく使うことで省エネ運転ができそうです。
アイドリングストップ
シフトレバーをニュートラルにしてクラッチを接続していると、停車時にアイドリングストップします。正確には、停止の直前(2km/hあたり)にエンジン停止するようです。クラッチを踏み込んでいるとエンジン停止しないので、MT車ではこれによって不必要な作動が避けられるようです。地元の一般道は渋滞が著しく、停車時間も長いので、アイドリングストップは有効に機能していると感じます。
DE型デミオとの比較
市街地道路で
2台目デミオ(DE型1.5L 5MT)と乗り比べました。DE型デミオでは、早開き気味の過敏なスロットル、すぐにつながるクラッチ、小さくて見づらいタコメーターの組合せにより、ゼロ発進時は1500rpmあたりまで許容していました。MAZDA2ではごく自然に1000rpm前後の「穏やかなゼロ発進」が可能であり、扱いが容易です。
MAZDA2のシフトレバーに慣れると、DE型デミオのインパネ側シフトレバーはやや遠めに思いました。このインパネシフトの感触はとても気に入っていましたが、新しいシフトレバーに慣れてしまうと、少し異質に感じられました。両者を比べると、デミオのクラッチの踏みしろは浅く、それゆえ接続に唐突感があるのだろうと想像しました。
「MAZDA2でなく、DE型デミオにしておいた方がよかった」と思うことは、今のところありません。
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Posted at
2024/04/22 01:13:30