
マイカー2台のタイヤのアスペクト比は、いずれも65%です。いまどき「
アンチ大径化・偏平化」は、明らかに少数派と思えます。私の選択の根底にあるのは、「偏平タイヤを履いた車両を見ても、全然いいとは思えなかった」という20世紀の印象でした。
アテンザの場合
わがアテンザは、アスペクト比45%のタイヤは不要という理由もあって、積極的に2Lの低グレードを選択しました。215/45R17タイヤの特性を必要としないので、高価なサイズを選ぶ理由はありません。当時の試乗レビューでも、2Lモデルの乗り心地を評価する記事が見受けられました(今も残っているのは
これくらい)。195/65R15サイズだからこそ、
プレミアムコンフォートタイヤを選択しました。
「スチールホイール+樹脂製ホイールキャップ」を積極的にやめる理由もなかったので、ずっと続けてきました。ここみんカラでは、この組合せのアテンザスポーツは見かけません。ネット上で情報を探すと、このサイズのスチールホイールは8kgあたりで、さほど重くないようです。同時期のBK型アクセラが履いていた15インチアルミホイールをチェックしたこともありましたが、選択には至りませんでした。

純正ホイールキャップの老朽化に直面したタイミングで、現行MAZDA2の
赤系ホイールキャップに遭遇しました。15インチスチールホイール踏襲のままごく簡単に
22歳のイメージチェンジができたのは結構な偶然で、「アンチ大径化・偏平化」のニューファッション誕生です。
MAZDA2の場合
DJ型デミオとMAZDA2初期型は、幅広いグレードにMTを設定していて、標準タイヤは185/65R15でした。現行MAZDA2のMTはSPORT系とモータースポーツベース車(15MB)に限定され、タイヤは185/60R16か195/55R16です。わがMAZDA2は15インチタイヤを装着しており、望ましいスペックを選ぶことができました。
このDJ型では、15MBグレードでも55%タイヤがせいぜいです。DE型デミオSPORTのサイズは195/45R16で、私のサブ所有として家族が使っているデミオはこのサイズを履いています。DJ型でここまでの偏平化をしなかったのは、一体なぜでしょう?
強力なサポーター
WEBCGに「
あの多田哲哉のクルマQ&A」という連載記事があります。トヨタの元エンジニアで、86やGRスープラの開発にも携わっておられたとのことです。「アンチ大径化・偏平化」を強力に支持してくれる記事を見つけたので紹介します。
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大きなホイールの長所・短所は?
「
Q. (一部略)
機能のうえで、大きいホイールにどんなメリット/デメリットがあるのか知りたいです。」への回答として、次のように述べています(抜粋)。
●ホイールが大きくていいことなんて、ひとつもありません(笑)。
……というのは極端な言い方ですが、あるとしたらひとつだけ。「大きなブレーキシステムが入れられる」ということです。
●F1マシンのホイールがさほど大きくないのを見てもらえばわかるとおり、単純に「大径であれば、総じて走行性能は上がる」ということはありません。
身もふたもないことですが、機能のうえではデメリットばかりといえるでしょう。
アテンザ検討当時は、「アスペクト比が小さくなれば運動性能が上がるようだが、私の一般公道運転には不要だから65%で十分だろう」と考えました。スポーツカー開発に携わってこられたエンジニアが、ここまで「大径化・偏平化」を否定なさるとは予想しませんでした。
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タイヤのサイズはどう決まる?
「
Q. タイヤのサイズは、直径に加えて偏平率に幅まであって多様です。そのなかから特定の適合サイズを絞り込むプロセス(デザイン、走行性能)を教えてください。」への回答も興味深いです(これも抜粋)。
●幅を定めたら、次は「プロポーションの点から、直径はこのサイズにしよう」という流れになります。特に近年は、見栄え重視ですね。タイヤのサイズはクルマの見た目を左右するので、デザイナーと相談しながら「なるべく大きく見えるものを選ぶ」というのが一般的です。
●サイズ設定には、商売上の要因もあります。タイヤというのは、お金が取れる。つまり、いい商売道具になるのです。標準の〇インチのほかに1インチ大きなものもオプション設定して、「ほら、こっちのほうがいいですよ」とやるのは、もはや定着した手法ですよね(笑)。
●「直径が大きくて偏平率が低いから性能上ベターである」などということはないのです。どんなクルマだって、小さい標準サイズで万全の性能が出るように開発されるものだし、むしろそのほうが乗り心地が良かったりします。
●大きいタイヤは見栄えの要素が強く、走りや乗り心地の点では不必要、といえるのです。
「大径化・偏平化」にもう少し利点があるのかと思っていましたが、見た目だけのようでした。
この記事を見て、わが
「アンチ大径化・偏平化」の妥当性を再確認しました。アテンザの赤系ホイールキャップは、その選択の証しとして積極活用します。
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Posted at
2025/02/11 21:05:09