満22歳のアテンザは、だいぶ前から重課対象です。税額が増えても乗り続けることに対し、かつては抵抗感がありましたが、13年が経過して自動車税が重課されてからは「アテンザ2.3L相当の税額になった」と割り切り、買い替えの口実にはしないことにしました。
自動車重量税も重課されましたが、こちらは甚だしく、当初の額と比べ54%も増えました。車検時に徴収する重量税の著しい重課は、買い換えずに車検を通す行為に対するペナルティでしかありません。
旧車両の環境性能が新型よりも劣るのは仕方ありませんが、これは保有者が悪いのではなく、当時の性能やその前提となる制度がそのレベルだったということです。長年乗り続けたとしても、きちんと整備して適切な運転をしていれば燃費を含む環境性能は悪化しないし、長期保有している間は車両の製造や廃棄に起因する資源消費や環境負荷は生じません。そもそも長期保有できているのは、自動車の適切な扱いの結果ですし、過走行で満20歳を超えるのは難しいでしょう。このような善良なる長期使用者に税制上のペナルティを科すのは不合理な扱いです。旧車両への重課税は環境負荷低減を口実にしているようですが、その目的にふさわしい合理的な体系になっておらず、単なる買い替え促進です。環境重視と見せかけながら消費者を犠牲にする産業振興策でしかありません。

サブ所有である
2台目デミオは購入後4年ですが、満13歳になったようで今回から自動車税が重課対象です。実態は息子の専用使用なので、納税は彼に依頼しました。故障なく快調であり、使用過程で古びた印象もありません。
クルマの長期使用は、趣味や嗜好のほかに、支出抑制も重要な動機の一つです。生活上の理由により自動車関連支出を抑制するため、地味なクルマを長期使用するのは一つのありうるスタイルですが、日本の税制はそのような生活スタイルにペナルティを課すものであり、逆進課税的です。
一方で、軽自動車の税額は極めて低く抑えられています。普通車と比べれば「優遇税制」と言えるもので、「税制を使うことにより、国策として軽自動車を推奨している」とさえ解釈できます。長らく停滞する社会においてこのような国策が継続した結果が、ガラパゴスとしか言えない軽自動車の国内蔓延です。
「税制上の制約の下での最大化」の結果、軽自動車は奇妙な発達を遂げました。壁面を薄くし背を高めた直方体は、さまざまな道路環境を走行すべき移動体としては極めて奇形です。重量化する車体に対し、660ccの壁は合理的でないとも聞きますが、税制上の制約は動きません。軽自動車というなら、排気量や寸法ではなく、車重に上限を設けるべきでしょう。そもそも800kgを超えるようなものは、軽自動車の名称にふさわしくありません。
軽自動車のドライビングポジションにはたいてい違和感があり、ロングドライブはつらそうです。「
これは『長距離移動に適した車種ではない』と運転者にわからせることを意図したパッケージングに違いない!」と勘ぐります。国策として保有を促すべき車種ではないでしょう。

DJ型デミオがMAZDA2に名称変更したのが2019年9月で、
わがMAZDA2はその最初期のモデルです。自動車税額に疑問を持たずにいましたが、2019年10月以降の新車販売車両は減税されていたことに気がつきました。MAZDA2は、最初の1か月に登録された車両だけが減税前の34,500円で、それ以降のものは30,500円です。
2019年10月の消費税引き上げを機に、自動車税も変更となったようですが、「恒久的な引き下げ」や「毎年減税」などと喧伝しながら、対象がこれ以降に新車登録される車両に限定されていたのは解せません。消費増税が契機であったなら、新車取得時の徴収額を減免すればよく、毎年の自動車税額に永遠に差を設けるのは歪んだ制度設計です。中古車購入者にとっては、初回登録が2019年10月より前だという理由だけで、より重い税負担を課されるのは不合理です。
これについては、
経済産業省のサイトで「
令和元年10月 変わりました!クルマの税」、「
新車の「自動車税」が毎年減税!」などと派手に宣伝しています。新しい税体系とこの宣伝文を見れば、減税と見せかけながら、新車の販売促進しか眼中になかったのだと容易に想像できました。こんな理由でより重い税負担を課されるのは、釈然としないものです。
裏を返せば、マイカーは
自動車税を34,500円も払っている珍しいMAZDA2ということになりますが。
こんなわけで、金額そのものではなく制度設計に対する不信から、重税感が残りました。
Posted at 2025/06/01 01:11:06 | |
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