MT再チャレンジに伴う気づきがいろいろとあるので、二次インプレッションとしてまとめてみました。
MT運転のリズム感
一般道において「どのような状況の下で、どのギアを選ぶか」というMT運転の感覚は、初心者時代の4MTからあまり変わっていません。ゼロ発進後の加速では、昔ながらのリズムでシフトアップしていきます。MT車の普段使いでは低回転域の効率的な活用が重要ですが、第3速や第4速の低速側守備範囲は昔からだいたい同じあたりです。このクルマのMTでも実現するおなじみのリズム感は、懐かしくさえ思います。実用型のMT車は、「ローギアードだった昔の4MTにオーバートップが追加されて5MTとなり、さらに高速巡航ギアが追加されて6MTになった。」という成り立ちが想像されますが、私にとっては慣れ親しんだDE型デミオ1.5Lの5MTに第6速が加わったイメージなのでなおさらです。
かなりのワイドレシオかつハイギアードなディーゼル6MTでは、だいぶ違うリズム感になるのだろうと想像します。
シートポジション
MT車のシートポジションは、クラッチペダルが最優先です。これを踏み込んでも左足に負担のない位置に合わせた結果、フロントシートは前寄りになりました。アクセルペダルやフットレストがだいぶ近くなりましたが、操作感は良好です。シート高は中程度の位置ですが、まだどこがベストかわからないので、微妙に変えながら様子を見ることにします。
コンパクトカーはアップライトなフロントシートが多い中で、このクルマでは低めとは言えないものの違和感のない姿勢をとることができます。メーカーが
理想のドライビングポジション(運転姿勢)と主張するだけのことはあります。ヘッドレストが前傾の形状なので、シートバックは少しだけ寝かせています。
エンスト皆無
サブ所有のDE型デミオを含め、過去にマイカーであったMT車は容易にエンストしましたが、このクルマになってからまだ経験がありません。エンストしないようにエンジンが自ら回転を上げる機能があるようですが、それ以上にアクセルとクラッチの操作感が良いことが効いている印象で、大径アナログタコメーターの視認性もこれに貢献していると感じられます。
MT車には必須の手動式サイドブレーキは助手席側なのが残念ですが、センターコンソールの幅も大したことがないので慣れました。いかにもコンパクトカーらしいゴリッとした操作音は、わがアテンザとは全く異なります。坂道発進を補助するというヒル・ローンチ・アシスト(HLA)も、機会があれば試しています。
ギア・シフト・インジケーター(GSI)の活用
MT車でもギア位置がメーター中に表示されるので、つい目に入ります。インパネ側にシフトレバーがあるDE型デミオでは、運転中にシフトレバーの位置が確認できますが、センターコンソールにあるシフトレバーは目に入りません。一般道でもGSIのお薦めを受け入れると、これまでの常識範囲を超えてシフトアップすることになるので、走行中のギア位置を再確認するためにGSIに頼ることになります。これはこれで悪くありません。
第6速が加わったことで
100km/hで2400rpmになる第6速は高速道専用の巡航ギアだろうと考えていました。第4速で同様の回転数を示すわがアテンザ4ATでは、65km/hに達するとこのギアにロックアップするので類推しました。ところが、GSIのお薦めを受け入れると、一般道でも第6速を使う機会がそれなりに生じます。
第6速による定速走行中はよいのですが、初めの頃は速度が落ちてくると「何速へシフトダウンすべきか??」と一瞬混乱しました。これは「DE型デミオの5MTと同じ扱い!」と考えればいいので、容易に解決しました。定常走行時のギア位置を走行中に五感で推測するのが容易でないこともあるので、ここでもGSIに頼ることになります。
MT車の三位一体感?
低回転ではトルクに欠け、油断するとエンストするおそれがある一方、高回転では出力は上がるものの騒音振動が増え、燃料消費効率が著しく悪化する内燃機関は、なかなか気難しいものです。自動変速機ではトルクコンバーターや連続可変トランスミッション(CVT)が緩衝役ですが、MTではエンジン側と動輪側は直結します。MT車では、アクセル操作を受けたエンジンの反応と、エンジンに直結していてMT操作の結果も受け入れる車両側の反応との双方をダイレクトに感じられるので、これらは「MT車のダイレクト感」と言えそうです。MT車運転中は常にエンジンと対峙しているので「エンジンとの一体感」かと思いましたが、MT操作を受けた車両との一体感という意味では「人車一体」かもしれず、ドライバー、エンジン、車体の3者の一体的関係と考えれば「三位一体感」とでも言えるでしょうか。
マツダ社では初代ロードスターから「人馬一体」を標榜していますが、最近ではロードスターのような動的特性を超えて、
より広い概念で使っているようです。「MT車の三位一体感」は、そこで挙げられている「軽快さ」や「人間とクルマのコミュニケーションの面白さ」にもつながるので、「人馬一体」概念にも近いと言えそうです。
Posted at 2024/05/05 08:45:18 | |
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