
トヨタグループが、コマーシャルビークル(商用車)の電動化として、BEVの軽貨物自動車の販売を予定しているそうです。
社用車として軽貨物を導入してもらい、運用してから一年ちょっと。
仕事において、利点とそうでないところと、色々体感できているところです。
荷室の合理性に優れていますが、普通自動車規格の貨物型と比べて、積載面積が少ないのは物理的なものですので、積み込み時に、ひと工夫が必要な場面が多くなります。
積み込み時間の増加にもつながりますが、この辺りは、導入コストの削減と天秤にかけて良いのかも知れません。
さて、BEVを導入するかはともかく、導入した時の運用の想定を考えてみます。
一充電での走行可能距離を200kmとネットでは情報が出ています。
実際の可能距離をスペックの、6~7割程度と見込み、140km前後を実際の運用可能距離と見做します。
一日の運用距離は、平均して50〜60Km。二晩に一度の満充電をすれば、運用の可能の見込みができます。
充電池の性能がどこまで低下していくのか、これについては、報道発表はありません(苦笑)、三年後、五年後の充電頻度がどの程度になるのか。
この点から考えても、軽貨物規格のBEVの活用については、長距離運用を多用する場面においては不向きであり、ラストワンマイル、いわゆる地場の配送、充電量を1日で使い切ってしまうくらいの走行距離に向くのだろうと。
月間3000キロ、月稼働が20日以上、この辺りに焦点が向けられるのでしょうが、3年10万8千キロを、どれだけのコストが必要になるのか、シビアな計算になっていきます。
仕事で運用するにあたって、現状、内燃機関の車は、給油するタイミングが、三日に一度なのに対して、二日に一度の給電が必要になるだろう。これを手間かどうかと考えると、ルーティーン化することで手間と煩雑さを回避することは可能になると考えられます。
200万円オーバーの導入コストから、税制の優遇、補助金がついてと考えると、環境負荷がまだまだ高いジャンルがBEVなのだなと。
あと、中古車市場から調達された軽貨物車両の割合は、低く見積もれないでしょう。BEVが中古車としてどの程度、リユースされるのか。
三年に期間を限って、試用的に運用をして、内燃機関のみの車両との比較を行っても良いのかも知れません。
やはりネックは、バッテリーの劣化具合と、交換費用がどの程度に収まるのか、でしょう。
それに、充電設備を設置するコストの回収も関わってくることです。
思い切って、BEVに全振りするか、となると、もっと経済合理性(補助金なしで)の確立と、宣伝広告(企業の打ち出したいイメージの方向性によるでしょう)費という変数を掛け合わさないと、まだまだ内燃機関の軽貨物自動車の採用をすることになります。
トヨタさんのやり方は、経営方針として妥当でありましょう。
良いものは真似をするに限ります。
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つれづれ | 日記
Posted at
2025/03/23 18:34:01