2025年09月08日
石破首相が、辞任を決めたとの報道です。
おそらく就任前は、あんなことやこんなことをやるぞ、と意気込んでいたのだと想像をしますが、いざ実際の、大きく変動する真っ只中の世界情勢にさらされている日本の現状を説明され、それならば国益のために政治生命を使うと判断されたのだろうと、私は、石破首相の就任後の発言や行動から、推察します。
結果としては、外交に関して日本の国益にできるだけ沿うような形になることが多かったのだろうと。
内政に関しても、さほど悪いわけではありませんでしたが、取り過ぎた税金をどのように国民に、社会に還付するのかという手段について、官僚側から「公平で客観的」な情報が出されていなかったのでしょうか、実効性に乏しい今までのやり方を踏襲せざるを得なかったと、これも推察します。
国会運営にしても、野党と政策を擦りあっての議会運営は、議会政治の真っ当な姿であり、一強であった第二次安倍政権以降の自民党ではできなかったことでありましょう。国会では終始丁寧な説明をされている印象です。
問題としては、首相になる前の身の処し方が、現在のように政権が追い込まれていく時に、支持する議員の頭数が不足するという事態になったのだろうと。
そして何よりも、今までの支持基盤であったはずの地方組織から、手のひらを返されたというのが、効いたのかもしれません。
保守系の人からは、変遷する人間だとレッテルを貼られたのが、その理由ではないかと。
では、次の自民党総裁候補は、どのような人物になるのか。
やや欧州寄りでありながらも、米国、中国とも距離感を保ち、隣国である韓国とも首脳会談を行うような、「中庸」的な立ち位置であった現在のベクトルから、米国なり中国なりに擦り寄ることができる人間が、おそらく総裁候補に上がるのでしょう。
日本における保守層としては、嫌韓・中国を唱え、親米的な態度でありながらも、日本の独立を夢見る態度をもち、そして声が大きいほど幅を利かせている(笑)、と、私は観察しています。
経済思想的には、新自由主義的な、グローバリズムを好みながら、社会問題に関してはローカル優先の思想を強調する矛盾を抱えている傾向を見て取ります。
ですがこのような傾向は、私の同世代には、矛盾なく受け取れることだとも思います。
おそらく私の世代の前後に受け入れやすいのは、保守的思想を強く押し出しながらも、グローバリズムの思想をサラリと体現することができる人格でしょう。
新自由主義経済が、既存の社会を排除する産業資本主義経済の先鋭化したものであることは、この30年の日本の経済動向を見ればよくわかることです。
保守思想である以上、ローカルな社会を保護、維持していくことに価値観を持つはずですが、経済思想は、既存の社会を排除する傾向を持つという矛盾を、私の前後、同世代の人間では、見抜くことが難しい。
この辺りを意識的に見抜いていくのは、今の10代や20代の人たちであると期待をします。
Posted at 2025/09/08 21:31:04 |
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